[ 白のジュブナイル -Luminous-Drive- ] - [ 003 ]
星殻のフォーティス
アルファベットと数字の羅列の名の星の殻「オービタル・シェル」。

紅の機体「ランページ」は、「ファイアウォール」の群れを乱雑に破壊していた。

「オービタル・シェル」は、星の衣、星の殻、星を護る壁。

殻の地平線から、強烈な日の光が入ってきた。闇の時間の終わりを指し示す光。

「・・・なにか、来る。何だ?」

「ランページ」のエグゼクタ「紅緒 ホウメイ」は、センサーがかすかに掴んだ情報を確認した。

「オープン・カタログに無い機体・・・。オペレート、検索開始。」

<・オービタル・シェル上、ルート:アウトバーン「0-1-0」より接近する物体確認>

<・ステータス:ウェイト・・・。>

<・ステータス:ウェイト・・・。>

<・ステータス:ウェイト・・・。>

<・ブラックブック「501」検索:「モデル:インテグラル」・「タイプ:フォーティス」>

<・オーバークラウド条約:運用禁止項目「14-2」:可決対象と確認>

<・物理汚染域・論理汚染域・精神汚染域:3項目、なお拡大中>

<・管理レベルを「3:advice」から「6:warn」に変更>

<・「オラクル・ギア」使用承認申請・・・使用許諾確認>

インテグラル・フォーティスのエグゼクタ「コンノ・アリス」は、紅のマシニングに向け加速した。

「知らない機体・・・排除する・・・。」

分厚いメットの中で「獣のような耳」が動いた。
陽星のアレキサンドライト
アルファベットと数字の羅列の名の星のとある場所。

資源開発プラントの傍に、古からの巨大なクレーター。

その周辺の大麦畑がはためき舞い上がった。

「イノセンス・ヒュープラス」の再動による世界の始まりだった。

「こんな時に、ヒュープラスって・・・、邪魔だってーの!!」

「アレキサンドライト」の眼前には、バレット・スタイルの赤いマシニングが浮いていた。

「オープン・カタログしか情報のない相手なんか、まともに対処できるか!!」

「ディメンション・モーター・ガン、稼動要求!!」

<ディメンション・モーター・ガン:稼働要求受付しました>

腰部ウェポン・ランチから、「珊瑚虫の糸」が噴出された。

<ディメンション・モーター・ガン:稼働開始しました>

「珊瑚虫の糸」は「砲」へと形成された。

<ディメンション・モーター・ガン:稼働要求満了しました>

「稼動開放!!」

イノセンス・アレキサンドライトの搭乗者「リリ・ブレアン・ソラス」は、赤いマシニングを照準固定した。

「シェルの上でも、まだ、もめてるのに!!」
地球という、名も無き星から
「地球?え、何?球状の大地?」

「地球?あちこちにあるじゃない!」

「地球?数え切れない数、潰してきたよ・・・。」

「地球?当財団は知りませんわ。それは何処の星系ですの?」

「地球?なんだよそれ♪どんなエイリアンいるんだよ♪」

/*--------------------*/

暦を忘れたそんな時代。

「生きる。」、そのことだけを考えていた時代。

それから、どのくらい時が経ったのかわからない時代。

優しくない星の海を彷徨い、枝分かれた時代。

「少年期」の鉱物・農作物資源開拓惑星、アルファベットと数字の羅列の名の星。
再界のヒュープラス
アルファベットと数字の羅列の名の星のとある場所。

資源開発プラントの傍に、古からの巨大なクレーター。

開拓機械格納用の簡易ガレージの屋根が紙のように吹き飛び、周辺の大麦畑がはためき舞い上がった。

チリチリとした感覚をその機は纏っていた。機の表皮のナノマシンが複雑に明滅し、様々な表記を浮き上がらせていた。

「NanoBite-ConvergenceBullet-Launcher 1,2,3,4 status confirm.」

「PlasmaParticle-ConvergenceBullet-Launcher 1,2,3,4 status confirm.」

「Product Innocence.Hu+ Ver.29.009 Riv.5.998 No.313992 on your mark.」

上空から状況確認していたイノセンス・アレキサンドライトの搭乗者「リリ・ブレアン・ソラス」は、叫んだ。

「イノセンス・ヒュープラス!なんであんなオールド・モデルがこの星に辿り着いていたの!!」
雷鳴のペンドラゴン
<メインフレーム・セットアップ>
<ニューロスタビライザー・コネクト>
<マッスルバインダー・コネクト>
<ブレイニングシフト・リンケージ>
<ライフポート・シンクロナイズ>
<ルミナスドライブ・アクセラレート>

<ファイナル・ランチ・シークエンス>

これよりハビタブルゾーン「アルグラード領海域」にダイブアウトを決行する。

<カウント・ダウン>
<ファイブ・フォー・スリー・トゥー・ワン・マーク>

<勝旗を掲げよ>
<勝旗を掲げよ>
<勝旗を掲げよ>