[ ふらくたる -FRACTAL- HelloWorld! ] - [0945~0931]
心にプリンを。片手に銃を。
ここはスーリアの西の国境沿いの町「サワ野」の朝6時25分。大全太楽堂サワ野支店の厨房。
私は花見 タオ。海花のハローの実姉です。
ふんふ、ふふ~♪
今、厨房のオーブンの前にいます。
今、店に来たお客さん用の「焼きプリン」を焼いてます。
得意なのです、焼きプリン作り♪えっへん♪
「タオさぁ~ん、まだ来ますよ・・・」
なぁ~に♪
「タオさんの命を狙う連中が次々と・・・」
う~ん・・・。そぉ~ねぇ~・・・。やっつけちゃって♪
「うにゅ~・・・、りょおかぁ~い・・・」
「ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!」
この力の抜けた返事をしたのは私の契約妖精「魂の撃鉄」。魔王の眷属です。
う~ん、能力は「活性を促す」というものらしいの。何を活性するの?
で、その妖精の片手には物騒な銃。
それで、地平線彼方の私の命を狙うものを撃っているらしいの。
えぇ~っと、今、何人だったっけ?え?501人?今、512人?
魂の風になびく妖精
ここは海花の朝6時21分。海花町役場の総務課の元応接室。今は瓦礫の山。
遠くから妖精「目覚めの朝」の絶叫が聞こえる。
ハオは勝ったな。
さてと。
アタシ、バレリィの頭の後ろから右側に「すーーー」っと何かが現れた。
現れたのは風鈴のような姿の妖精。名は「ライフボート」。魔王の眷属である。
「・・・ここは無風・・・」
「・・・ただ、・・・」
「・・・魂の風が流れる・・・」
「・・・導きます、ワルキューレ・・・」
「・・・さぁ、こちらへ・・・」
妖精の目は、ぼんやり輝いている。
その輝きは、彼の者を導かんとする怪しさを持っていた。
「ワルキューレ、抵抗する」
「ワルキューレ、抵抗する」
目覚めのぉ~朝ぁ~っ!!
「目覚めのぉ~朝ぁ~っ!!」
「ただいまぁ!朝6時20分っ~!朝6時20分っ!」
「大全太楽堂海花支店前ぇ~!!」
「あ~、戦闘中ぅ~っ!!」
「あ!、戦闘中ぅ~っ!!」
「外出はぁ~!」
「控えめにぃ~!控えめにっ!!」
突如絶叫したのは、ハオの契約妖精「目覚めの朝」。
普段は、ハオの目覚まし時計代わり。
なぜか、剣と盾を装備している。
でも、魔王の眷族の妖精。
きっと、何か特殊な能力を持っているに違いない!と、思う。
どうすれば、「あの場所」に行けるのでしょう?
国際郵便公社所属の速達妖精ポステリア101号、通称「シュンちゃん」。「一瞬」の「瞬」から来ています。
「世界に手紙の虹の輪を」が社訓とのこと。
口癖が「スパパッと届けてきますね♪」
所属は国際郵便公社なのですが、
誤って「妖精契約」をしてしまい、今や「太楽 海花 オーレ」さんの専属妖精となりました。
オーレさんがどこにいても感知できていたのですが、ここ数日、感知できませんでした。
途方に暮れていました。
センサーをぼんやりと上空に向けていると、反応があるではありませんか!
もしや・・・、樹海雲に居られるのですか?
でも、どうやって行けばいいのやら・・・
今見えている「雲」の上を飛んでも「樹海雲」の姿は見えません。でも「樹海雲」は存在するのです。
はぁ・・・どうしよう・・・
<オーレのところに行きたい?>
どなたですか?
<「グレードセブン」がわかる?>
緯度・経度を教えてくだされば・・・
・・・
行きます!オーレさんのところへ!
「存在」を保った「残像」だと言うのか!?
ここは海花の朝6時20分。太楽堂は開店準備中。
ルリムラっす。太楽堂海花支店の臨時アルバイト。
ハオっちが、変身?して戦っているっす!
すすす~っと、もちもち妖怪の猫饅頭さんが前に出た!!
「猫饅頭さん!!あぶないっす!!」
!?
眼を疑った!!
「なん、だと!?」
「「存在」を保った「残像」だと言うのか!?」
「さすがっす!!猫饅頭さん!!」
これがなんの役に立ったのかよくわからなかった・・・
デンちゃん、バリバリーーーっ!
オーレです。
天空の竜宮楼は、もう目前。
・・・。
突然、ハリオに雷が落ちた!!
・・・。
焦げてる・・・。
空から声がした。
「ほうでんちゅ~!」
「ほうでんちゅ~!」
雷を落としたのはデンちゃん!?
デンちゃん!!
「オーレさん!!」
「この世界に来たときにはぐれてしまって・・・えぐっ!えぐっ!」
よしよし。なでなで。
デンちゃんは一緒にいるんだよ♪
そして、
悪魔「ハリオ」の弱点が見えた!
「魔導力」ではなくて、「過電力」だっ!
アリアリア
オーレです。
天空の竜宮楼は、もう目前。
でも、その前に立ち塞がる魔女「ハリオ」。
魔族。悪魔。絵本にしか出ない「悪魔」。
その「悪魔」がいる。
アリソン、アリオンの攻撃がまったくと言っていいほど効かない・・・。
どうすればいい・・・。
どうすればいい・・・。
・・・。
突然、ハリオに雷が落ちた!!
・・・。
焦げてる・・・。
空から声がした。
「それでもセリア村の娘たちですかっ!」
「アリアリアっ!!」
アリアリア?
アリアリア!
あれが、あの「アリアリア」!教科書に出てくる「アリアリア」!!
「天劇の王に勇敢に立ち向かった娘たちですかっ!」
「これぐらいの悪魔風情に手こずるなんて・・・情けないっ!」
「あのセリア戦争は、こんなものではなかったでしょうっ!!」
愚かな愚かな、アルビオン♪
愚かな愚かな、アルビオン♪
その魔女、「ハリオ」は魔女であって魔女でない。
私と同じ、「魔族」だよ♪
さあどうする?
アルビオンの作った「アーマルタ」とは違うよ♪
魔王「ニルヴァーナ」の眷属ではどうしようもない♪
がんばれ~♪
がんばれ~♪
あれ?
アリアリア?
天劇の王、おまちどうさま♪
天劇の王、おまちどうさま♪
「「待ってないわよっ!!」」
ここは樹海雲、竜宮楼の「秘密の花園」と呼ばれた所。
天ノ原アリスと竜宮ココロが熾烈な激闘をしていた所。
二人同時の回答にきょとんとする、魔女アリィー。
にやり♪
だぁ~って、だって♪
みんなの憧れ、「天劇の王」なのよ♪
アリスぅ~、村でつるんだ仲間じゃない♪
ココロぉ~、同じ志持った仲間じゃない♪
あらよっと、数十人分の重さを持ったテーブルを片手で置き直した。
そのテーブルの中央に「べちゃっ!!」っと「天劇の王」を置いた。
アリソン、アリオン、アリアリアも、もうすぐ来るわよ♪
さぁさぁ、おっ茶会♪おっ茶会♪
まだ、やるかい?
ねぇ♪
オウカナ王と呼ばれる元ワルキューレ最上級長「カレイド」♪
あの炎龍王の猛攻は予想外だったわね♪
あなた、部下の管理はしっかりしなさいな♪
いらぬことをするから、予想外のことが起こる♪
管理塔「黄金休」も崩れ去ったことだし、
そろそろ、ワルキューレたちの自我も取り戻し始めることでしょうね♪
さぁ、世界の睨みがこちらを向いている♪
ついてくるものは誰でしょうね?
あの子かな?
それともあの子かな?
きっとあの子だけでしょうね?
あら?目つきが変わった♪
やるかい?
まだ、やるかい?
火竜達の猛攻
アタシは「コナ」。大全太楽の副総裁の太楽コナ。
今、国家「オウカナ」から脱出中。
いやはや、うん、やばかった♪
すたこらと高速で走っていると、
ふと上空に大量の影が。
ありゃ、火竜の群れないの?
「ドン!ズドン!」
ああ~、火竜の連中の誰かに手を出したな♪
アタシら以上に歯止め利かないぞ~♪
「副総裁!お急ぎを!」
ふみゅ~・・・
太楽防衛部はきびしいのぉ~♪
ああ。ウチに帰ったら姉さん怒るなぁ・・・
それはそれは、こっぴどく、怒るだろうなぁ・・・
「あれは、龍王フレイア!」
マジ!?
おお、マジだ!
アイツが出てくるって事はマジ逃げしなきゃ!!
ようこそ、大全太楽堂へ
ここは、コングロマリットカンパニー「大全太楽堂」。そして、大全太楽堂の本丸への廊下。
ようこそ、大全太楽堂へ♪
「あなたは・・・。」
まま、気になさらず♪
本当に遠いところから、おいでなさいました。
「いえ、ただ立ち寄っただけで・・・」
それでも、とてもありがたいです。
「ご用件は?」
それは、総裁ご自身にお確かめくださいませ。
「ずるずるずるずるっ!!」
「王子、うどんを食べ歩きなんて・・・お下品です!」
うふふ♪
ささ、こちらの戸を抜けた先の「小屋」にお入りください。
「ありがとうございます。」
太楽 ティカ。ここの副総裁しております。モカ総裁の妹ですよ♪
「!!」
では、ごゆるりと♪
玉子事件!
ここは、コングロマリットカンパニー「大全太楽堂」。そして、大全太楽堂中央食堂。
私は「べスパ」。二つ名は「銀色のスズメバチ」。某北方の国から抜け出した放浪人の侍女です。
放浪人の侍女・・・。
侍女・・・。
変・・・ですか?
・・・。
?
生卵・・・。
生卵・・・!
「はっ!王子!玉子に触っちゃダメぇーーーっ!!」
はぅぅ、はぁはぁ・・・。
・・・。
・・・!
・・・!!
「きゃーーー!玉子がぁ!!」
「積み上げた玉子が、ヒヨコにぃ!!」
この方に近づくなっ!!
術剣を素早く構えた!
王子、ここから離れます!
「シーバウスの方々ですね。」
「総裁がお会いしたいとのお達しです。」
太楽総裁が!?
・・・。
私たちは、太楽の客人として扱われることになりました。
一体、私たちは何に巻き込まれるのでしょうか・・・。
玉子事件?
ここは、コングロマリットカンパニー「大全太楽堂」。
ボクは「ハニール・ワ・シバウ」。某北方の国から抜け出した放浪人です。
どこかで見たって?・・・内緒ですよ。
おばちゃーん、うどん2杯ください。
「あいよ~♪」
ここはいいですね~。玉子食べ放題らしいです。
生卵も。ゆで卵も。
生卵・・・。
生卵・・・!
「はっ!王子!玉子に触っちゃダメぇーーーっ!!」
はぅぅ、はぁはぁ・・・。
・・・。
・・・!
・・・!!
「きゃーーー!玉子がぁ!!」
「積み上げた玉子が、ヒヨコにぃ!!」
このハニールの特殊能力「生卵をヒヨコに孵す」による、大全太楽堂中央食堂玉子事件の全貌でした。
なんなのれすか?これは!?
ここは、コングロマリットカンパニー「大全太楽堂」。
私は「八目」。「絶対防御壁」というスキルを持っているので、「防衛部」に所属させられています。
防衛部といっても、普段はワープロをポチポチ打っているだけ。
「ヤツメぇーーーっ!お前もこれ着ろっ!」、アルルさんが何やら持ってきました。
服・・・ですね・・・?
これって・・・術式装甲服・・・。
なんなのれすか?これは!?
「・・・シクシク。」
「ねぇねぇ・・・ヤツメぇ・・・。」
「暇だから、格闘ごっこしようぜっ!!」
!!
な、何言っているですか!!
あなたの言う格闘ごっこって、普通の人なら骨折れるか、砕けるじゃないですか!!
「・・・くぅっ!!」
「ひぃ~まぁ~~~!!」
「ま、待ちきれない!」
なにを?