[ ふらくたる -FRACTAL- HelloWorld! ] - [0690~0676]
こう、延々と
ずっと、ずぅっと、樹海雲は続いているの。

地上から見上げると、どこまでも連なる動かぬ雲のように見えるし、

天上からは蜘蛛の巣のように枝葉が広がっているの。

願えば、きっと、登雲できる。
星を見つめて
月には「輪っか」があります。

輪ッかが鮮明に見える夜には、月に人影が浮かぶときがあります。

それは、龍王の中で最も謎の龍王「スターゲイザー」と呼ばれています。

アタシはスターゲイザーに直接会ったことのある極稀な人間だったりします。

アタシはスターゲイザーから「星の欠片」をもらいました。

スターゲイザーの見えない月夜に、

キーーーン・・・

そう星の欠片が響きます。

これが何かの知らせかは分かりませんでした。この星で一番、月に近い場所に行くまでは。
月の輪のギャラックス
月には「輪っか」があります。

昔の映画で月の輪っかでレースするものがありました。

でも、月の輪っかまで誰もまだ行っていません。

人工衛星を何機か打ち上げたぐらいでした。

・・・。

星空の龍王「スターゲイザー」が見つめるものは・・・。

月の輪の上には・・・。
メルとモコモコ牧場
オーレです。「真珠の森」を車で横断しています。

サワ野支店でエーコに「ウチの店が大破した」と告げられ不安で不安で・・・。

森の中は商店街が広がっています。森の中に街もあったり。

ほんのり薄暗い森の先に光が見えました。海が見えました。

「カランカラン♪」

羊たちの姿が見えました。海花の「モコモコ牧場」。

牧場主の娘のメルの姿が見えたので手を振ると、ベルを振って応答してくれました。

もうすぐ海花。

どうなっているウチの店?
煙使いのエーコさん
太楽の煙帝 エーコです。サワ野支店にいます。暇人です。

能力は、「スモーカー」です。

え?

「能力」じゃないって?

いやいや、アタシの名前をよく見てくださいな。

「煙帝」とあるでしょ?

「煙使い」ってやつらしいです。

じつは、

アタシもよくわかってないんよ、この能力。うははははは♪

お?オーレたちを乗せた車が来た。

あれ?重機も来た?

あ。海花支店、ぶっ壊れたんだってね。それも派手に。

え?オーレ、知らなかったんだ・・・。顔が青ざめてしまっておった・・・。
留守番のゴーレムと犬
太楽の海花 ポリリです。ゴーレムやってます。

隣にいるのは、太楽の海花 マメさんです。犬やってます。

ねぇ、マメさん?ここの家人はどこへ行かれたのでしょうね?

「わふ!」

私とマメさんを留守番にするなんて、ちょっと危険意識が薄いですよね?

「わふ!」

ハオさん、猫福亭で何食べているんでしょう?

「わ、わふ!?」
四つ尾?のハオ姉
太楽の海花 ハオです。

バレリィ姉の妹であり、オーレの姉である。ふむ、ただ単なる次女である。

先日は化け物やらゴーレムやらが襲ってきて店が全壊してしまった。

なんとか母屋は無事で、今はパラソル開いて仮設の店を開いている。

今、姉と妹は外出中。今、ウチには犬とメイドゴーレムがいるくらい。

今朝方、猫福亭のニナが飛び込んできた。朝の5時くらいに。

話によると、開店の仕度のために店の冷蔵庫を開けると「扉」があったらしい。

よくわからん。

なので現物を見に猫福亭に出向いた。猫ウェイトレスどもがうじゃうじゃと冷蔵庫の前に。

・・・本当だ・・・

冷蔵庫の中に「扉」がある。

!!

これはもしかして儲けるチャンス?

早速モカ婆に電話。

「え?開けるな?」

すでに開いてまっせ。うはははは・・・。

なんか野原が見えている。冷蔵庫の中で。

やっぱりこれは儲けるチャンス!
ウチの店の冷蔵庫がぁ!!
ここはスーリア国の東の港町「サン海花」。

朝、それは起きました。

大衆食堂「猫福亭」の冷蔵庫の中に

「扉」

が、あったのです。

言っていることが自分でも分かりません。

ウチの家族も業務用冷蔵庫のドアをパカパカ開けたり閉めたり・・・

何度見ても冷蔵庫の「中」に

「扉」

があるのです。

扉が入っている分、今日の調理材料がグチャグチャにつぶれています・・・。

えらいことになりました。

今日は臨時休業になりそうです。年中無休なのに・・・。

これはどこに相談すればいいのでしょう・・・?

電気屋さん?

東海原神社?

行きたくないけど、太楽堂?
絡まる糸
太楽のコフサと申します。呪術技術部にいます。

南方の国アルテネに出張中です。

従姉妹たちは中北の国トロアに出向いていたそうです。私も行きたかった。

で、

今、

目の前に「扉」があります。

そうですね、人一人が通れそうな大きさです。

そっと覗くと、

「光の糸」

が、絡まっています。

これは解いていいものなのでしょうか?

「運命の糸」のようにも見えます。

とりあえず、モカ婆様に連絡を。
龍を護るサクラ
久しぶりだな、フラン。

「ええ、本当にお久しぶり・・・」

何百年ぶりだ?

「さぁ、遠い昔なのですっかり忘れておりましたわ・・・」

龍に手を出そうとしたな。

「龍話師も似たものじゃない?」

下劣な奴め。

「あなたも十分下劣ですわ。」

歯を食いしばれ。

「!」

・・・

幻燈サクラは、すぅっと握りこぶしをフランの鼻先に軽く当てた。

フラン・シー・ドは、鼻血をドバッと出し、そのまま意識をなくした・・・。
あ~、戦後処理は大全太楽堂をご利用くださいませ♪
ふわりと二人、戦場だったところに空から降りてきた。

バレリィ姉さまっ!!

「サクラ、あなたはあなたの仕事をしてください・・・。」

「すまない。」

「え~あ~、シーバウスの方々、この件は国龍保護条約違反として告訴されます。」

「それと、こそこそと逃げ出そうとしている桜色マジックの方々、あなた方も違法武装譲与貸与違反として告訴されます。」

桜色マジック?そんなのいたの!?

「えーい、ドラバス!そいつを斬れぃ!!」

「承知。」ドラバス(ドラゴンバスター)が姉さまに斬りかかった。

「!」姉さま、「はたき」で剣先を払い落とした・・・

「国際平和維持活動妨害違反として逮捕します。」くいっくいっとドラバスを組み伏せさせた。

姉さま、かっこよすぎです♪
「明里ノ運送でーっす♪」「ブツ、持って来たっスよ♪」
「元気が一番!明里ノ運送でーっす♪太楽堂さま、お荷物お届けに来ました♪サインお願いしまーっす♪」

「荷物になったトリスタンっスよ♪さっさとサインよこせっスよ♪」

南の方からすでにブレーキを掛けながら滑り込んでくる「おんぶの二人組み」が通り過ぎていった。

「あっ、二つ尾の魔女・・・と、るみな。」ボソッとアタシが言った。

 「うん、二つ尾の魔女ら・・・」殴られて出た鼻血を止めるのに鼻に紙を突っ込んだハローが続いた。

「魔女なの・・・?」

 「そうらしいよ・・・?」

「サインサイン・・・っと、ブツってなに?」花鳥姉さんが太楽代表でサインしてくれた。

「そのブツ、買ったーーーっ!!」拡声器でシーバウスから男の人の声が聞こえた。

「このブツ、売ったーーーっ!!」アタシが叫んで、花鳥姉さん、ビクっとした。

「シーバウス軍!!停戦!ていせーーーんっ!!撤収準備ーーーっ!!」丘の上でお茶屋で見たお姉さんも拡声器で号令をかけた。

トリスタンの姐さん、シーバウスの男の人のところに駆け寄って行き、なにやら聞いていた。戻ってきた。

「ネクロマンサー殴ってくるっスよ♪それがアタイのモ・ク・テ・キ♪」

そう言って、歌姫同士がもめている所に走っていた。あっ、誰か殴った。グール使いが倒れた。なにやら「キーキー」言ってる。

そして、その頃アタシの後ろで誰もが忘れていたユーフォがまだ遺跡爆破魔法陣の構築を終えるところであった・・・

「ぐふふ・・・、完成♪ポチッとな♪」

両軍の歌姫たちのもめているところが「ドオオオーーーンッ!!!」と盛大に爆発した!!オマケで花火付き!!耳が「キーーーン・・・」といっている。

泥まみれの歌姫たちはそれでも殴り合っていた。その姿に「歌姫」としての威厳無し。そして・・・
この戦、始まったばかりだけど、もう終わりだよ。
歌姫同士でさ、ドンパチやってるけど、

気づいている奴どれだけいんの?

ほら、あの雲の向こうさぁ・・・

近づいてくる、嫌ぁ~で危な~い気配がさぁ・・・

ほら、南のほうからもさぁ・・・

とてつもない力の物体が近づいてくるとか・・・

あとよくわからないけどこれも危ない感じがする・・・

・・・。

「いい加減気づけよ馬鹿共っ!!戦は終わり終わりっ!!」

太楽 花鳥はついつい大声で叫んだ。

ぽつりぽつりと動きを止め、空を見上げる者が増えてきた。

「ほら、来た・・・」花鳥は嫌ぁな顔していた。
そ、それ違うぅ!!
ケリーちゃん、目的違うぅ・・・

モンスター、追っかけないぃ・・・

あぅあぅあ・・・

太楽の火花プリスもケリーを追っかけて、

目をグルグルにしながら「迷いの森」に走っていった・・・

「プリス・・・、アンタも同類・・・」アタシは遠い目で見てしまった・・・
モンスター成分を補給させて
ああっ・・・

何よここ・・・つまらない・・・

ぐ、グールしかいない・・・

モンスターを・・・

アタシの大好きな「モンスター成分」を補給させて・・・

太楽の羽帝ケリーは嘆いていた・・・

れ、レアモンスターどこかにいない!?

「も、森の中にいるんじゃないかな・・・?」ついついアタシは答えてしまった・・・

森の中ねっ!!じゃっ!!

躊躇無く、「迷いの森」にダッシュしていった・・・。