[ ふらくたる -FRACTAL- HelloWorld! ] - [0585~0571]
月夜に浮かぶ星を見る
昼間は騒がしかった。

明日出発だ。

・・・

だけど眠れない。

客間の隅においてあったアタシのポシェットがぼんやり光っていた。

それは龍王「スターゲイザー」に貰った「星の欠片」だった。

何を知らせているのだろう?

ふすまの隙間から見える月にスッと人影が走った。

「・・・を助けて・・・」

耳の奥に直接声が聞こえ、びくっとした。

慌てて枕を顔に乗せてしまった。そして、気が付いたら朝だった。
「コイツ」と呼ばれたユーフォ
アタシがかの有名な「天花火」と呼ばれた「朝比奈ユーフォ」だぁ!!・・・って、あれ?

婆ちゃん場所間違えた?

「いや、あってる」

??

あれ?関所で見たお嬢がいる。その猫耳帽子おくれ!!

「いやじゃ!!欲しかったらぶんどりなっ!!」ついつい言ってしまった。

「え~あ~、コイツが新しい家族の太楽 朝比奈 ユーフォだ。この間、養子にした。」

よろしゅ~♪

「「え~っ!!!」」

ガキンチョどもは声を合わせて目を見張った・・・知らなかった。

そして婆ちゃんズも目を見張った・・・知らなかったらしい。
気が早いトドウ婆ちゃん
大婆がさっきのコロボックルの目を覗いた。

みゅんみゅんみゅんみゅん・・・

あっ・・・白目むいた・・・

「あちゃ・・・こりゃ難しいプロテクトがかかっているね。」

「大婆様!!」トドウ婆ちゃんが叫んだ

「これは福龍飯店の仕業!ちょっと勉強させてやらねば!!」しっかりと武装していた・・・

「いやいや、こんな高度なプロテクトが福龍飯店が施せるわけが無い、もっと大きな組織・・・国レベルかね?」

「この件は諜報部に任せるとして。さてガキどもにはコイツを連れて行ってもらいたい。あれ?」

その「コイツ」が大居間にまだいなかった。

そして、その「コイツ」はアタシとハローが見た奴だった。
天井裏の大きなネズミ?
「お婆様、天井裏に何かいます。」おかんが天井見上げながらそう言った。

「何かいるね。大きなネズミかな?」アルル師範もそう言った。

「大きいかね?大きいようで小さいような?」大婆がぼんやり天井眺めた。

「さっきのは囮だね。」

「こちらが本命ですね。」

「ちょこっとぐらいなら天井壊してもいいよ。」

・・・数刻・・・

出てきたのは物騒なものを抱えた小さいようで大きなネズミでした。これまたコロボックル・・・。

この潜入服は、福龍飯店製!?
侵入者
オーレです。

太楽堂本店警備部がバタバタとしているらしいです。

なんと、こんなところ(失礼・・・)に侵入者とは!!

まるで自滅しに来たとしか思えません。

大居間のちっさいTVにその映像が!!

雷を発するコロボックル?家電部門が危ない!!

うむむ・・・確か「真珠の森」でもコロボックルの魔法使いに襲われたけど・・・関係ないよね。
世界王のカレイド
中央神聖国家群「オウカナ」の王「カレイド」。「世界王」とも言われている。

少年とも少女ともとらえられる姿から分からないが、かな~りの高齢のはず。

ウチの大婆が小さい頃にTVに映っていたという。

まぁ、年齢・姿はどうでもいい。

ピピッと来た!

あの御方も「危ない系」の世界の御方だ。

取り巻きの人も「危ない系」の人だらけ。

「鏡の戦巫女」という子飼いの剣士もいるとかいないとか。

このときは知らなかった。

あの御方が「アリアリアの夏」事件に大きく関わっているということを。
鏡の戦巫女
昔、「セリア戦争」なるものがありました。

それは千年昔の百年戦争。

いつの時代にも「我こそは!」とこぞって「勇者」が現れたそうです。

「勇者」は只の目立ちたがり屋というのが通説です。

ただ、たまに本当に「勇者」が出てきて、迷惑がられるもの通説です。

大抵の「勇者」は結局のところ害悪になり、皮肉なことにそんな理由で世界がまとまることもありました。

きっと、今回も対抗手段として何かが出てくる。

それはそれは「異質なる者」が。

・・・

って、世界史の教科書にはそう書いてあったけど実際どう?
勇者アリス見参
「あのぉ、モカ総帥・・・」

「なに?ハナちゃん?」

「先ほどお客様が来られて、「モカちゃん、手を出さないで、よろしく」と言伝受けました。」

「で、誰か何といってた?」

「「天ノ原のアリスが来ました」と伝えればいいと言われました。」

婆ちゃん?プルプル震えている・・・

「だからアリアリアの夏は嫌なんだ・・・作戦、急ぐよ!!」

誰なの?やばい人?やばい人?

「かな~り、やばい人・・・」
おしゃれ?なテルカク
オーレです。

ここは太楽堂本店の大居間の一つ・・・

ばあちゃんズが多々集まって茶菓子持ち寄ってうるさい状態。刀研ぎだした人もいるし。

その中に、

「オシャレは大切よ!」

えっ?いやいや、テルカクさん、急に何?

「だから、応援しに行くにもオシャレが必要だってことよ!」

あ~、さっきも同じ感じの人がいました。

「えっ?あれ?2番煎じ?」

そう言って、来ている服をふぁさ~っと見せびらかした。

「見て見て~♪新しい服なの。どう?」

アタシ自身、この作戦会議が何なのかわからなくなってきました。
武のアルル
ここは太楽堂本店の大居間の一つ・・・

いろいろな人が多々集まってギャーギャーうるさい状態。

その中で、

「ヤラレル前にヤレっ♪」

えっ?いやいや、アルル師範、これ何の講義?

「だから、ヤラレル前にヤレって♪」

チーちゃん応援作戦会議中なのですが・・・

「えっ?あれ?なんの作戦?あの話じゃないの?」

ガシッ!!っとアルル師範は身構えた!!

「あの話」って何?
キーワード:チーちゃん
ここは「ある場所」・・・

薄暗い霞の中、いかずちが走った。

無数の「何か」がわらわらと押し寄せてきた。

「一ノ人、ニノ人、三ノ人、いらっさいませ!!」

「妖怪」と呼ばれるものを召喚し、「何か」に突撃させた。

凄絶なる叫び声とともに少しの静けさが戻った。

わたしは「太楽 天河 チサト」、みなから「チーちゃん」と呼ばれておりやす。

わたしは「ある場所」で花鳥姉さんとともに「何か」と混戦中です。何日経ったかさっぱり分かりやせん。

そんなわたしを同い年連中のわたしを捜していることも知りあせんでした。
ある日、ある時、ある場所で
ここは「ある場所」・・・

薄暗い霞の中、きらめきが走った。

大きな影がバタンと倒れた。

「チーちゃん、次の目標!!」

「10丈先、12時です!!」

「モカ婆!!支援を早く!!」

太楽お嬢連合の応援目標のチーちゃんは、「ある場所」で剣士「太楽 花鳥」とともに「何か」と戦闘していたらしい。
華麗に俺参上!!
「ヴァーーーン!!」大居間のふすまが勢いよく盛大に開いた!!

「絶妙のタイミングでラテ様参上♪」

「ガタッ」ふすまが外れた・・・

一番奥にいたモカ婆が瞬間移動でハリセンでラテ公の頭をしばいた!!

「何このジメジメ感・・・大いなる魔法で吹き飛ばしてくれるわぁ!!」

もう一回しばかれた!!しかも顎から!!帽子が派手に吹っ飛んだ!!

「まったく訳の分からん登場の仕方をしおって・・・」その代わりにジメジメ感は吹っ飛んだ。
ウチのカフアかあちゃん
オーレです。

オーレです・・・

うぐっ・・・

廊下にオカンが立ってる・・・

かあちゃんが立ってる・・・

かあちゃん、3年間なにしててん・・・えぐっ・・・

「ごめんね・・・ごめんね・・・」

ぽろぽろわんわんと泣いていたのはハローとジャワワとプリスでした。
太楽の総裁(妖怪)のモカ
オーレです。

ここは太楽本店の大居間の一つ。ってか何部屋あるのか分からない。広さは1000人ぐらい入れるところ。

「あうあ~、飲み物持ってこ~いっ、モカ婆!!」ケリーが大の字になってひっくり返ってる。

「いい、ジャワワ。あ~いうお姉さんは見習っちゃダメだぞ」アタシの忠告に

コクッコクッと頷くジャワワ。

「あわあわ、ケリーちゃん、正座!正座?・・・?・・・はうあっ!!」プリスが懸命に起こそうとしている。



!!

「ほぉ、ケリーはワシに飲み物持ってこいとな?」婆ちゃん!!

「お、おばあさま!!はわはわ、そんな滅相もない!!」ケリーは、ほっぺったをグリグリされ始めた。

「来たのは5人だけかい・・・?ほな、【チーちゃん応援作戦】会議を始めようか。」?応援?