[ ふらくたる -FRACTAL- HelloWorld! ] - [0480~0466]
昼間の幽霊、ふわふわと~
太楽 ハオです。昼、店先を掃いてると、空にふわふわしたものが。

あれは「砂走 レイ」。海花町珍名物の地縛霊。

かな~り昔から居るみたい。町長のジジイが子供の頃から見ているという。

憑依されると好機が上がるといわれ、ソレを目当てに観光に訪れる人あり。

お金が増えたりとか、運命の出会いがあったりとか。

そして、町には外貨を落としてくれるという。土産が売れる。うふ。

でも、アイツ、あたしを見ると「ニタァ~♪」とするんです。きもいんです。
薬師のフタ先生、歩き疲れる。くか~
先生、ウチの店先で寝ると風邪引くよ。

「くか~」と、こっくりうなずく。

先生、白龍帝のおばちゃんが薬くれって。早く野々宮医院に帰ったほうがいいよ。

<オーレ・・・邪魔しちゃダメよ・・・半額サービスのアタシの努力が無になっちゃう>、ハオ姉ちゃんがそっとつぶやいた。

「くか~」と、こっくりうなずく。

先生、かばんから薬もらうよ。お代は半額サービスでいいよね?

「くっ・・・ふが」息が詰まったような顔をした。面白い。
スパパっと届けてきますね♪
国際郵便公社所属の速達妖精ポステリア101号、通称「シュンちゃん」。

「世界に手紙の虹の輪を」が社訓とのこと。

口癖が「スパパッと届けてきますね♪」

本当に速い。まるで誰かと競争しているかのよう。

あたしがどこに居ても必ずシュンっと飛んでくる。

なので、今ではほとんどアタシの私物。
ウチのおかん
太楽 海花 三姉妹の母である。

それはそれは厳しい人でした。

「喧嘩に武器を持つな!それはただの暴力だ!!」

確かにごもっともで、小さい小さい小競り合いは、とうの昔にやめました。

今、おかんは本店にいます。何しているかよくわかりません。

たまに手紙くれます。字がところどころ滲んでいます。

それはそれは優しい人です。
パッツンチョコ
太楽本家のチョコ姉さん。

頭取候補生として日々勉強させられていると。

年の近いウチのバレリィ姉さまを呼び出して、酒の席で愚痴をこぼしているらしい。

「あれもコレも覚えろ!!と言うのよぉ・・・涙が出ちゃう・・・うぐ・・・」
白龍帝、頭痛薬でシャキーン!!
なにこの、眼が覚めたようなすがすがしさ。

あの頭痛の苦しみの中で垣間見えたアイデアたち。

コレは記し残さねば!

見よ、私の筆記術!

3行目辺りから、ネタが変わってくる・・・。

で、ショボンとする。

「印税、欲しいな・・・。出版したことないけど・・・。」
白龍帝、頭痛に苦しむ
国境沿いに大きな大きな迷宮のような「白の塔」と呼ばれる図書館があります。

そこに封印されているのが龍王「白龍帝イド」様。

本を読み漁るのと、テラスのカフェでくつろぐ毎日。

眼を使いすぎて、眼鏡をかけ、

細かい字を読み、頭痛持ち。

「く、薬を~~・・・医者ぁ~、呼んでくれ~~・・・」
旅する妖精、オモチちゃん
せっせ、せっせと歩く妖精がいました。

背中に大きなリュック。

せっせ、せっせ。

気が付いたときには、はるか先を進んでいました。

せっせ、せっせと。
あの日、あの日食の闇の中で
昔、小さな頃、アタシ達は魔王に出会った。

それは稀にある日食の闇の中。

アタシ達家族は巻き込まれた。自然で不自然な世界に。

怯えきった幼きハローが魔王を切りつけた。

アタシ達は返り血を浴びた。

アタシ達は呪われた。

その瞬間、否応なく世界の歯車に組み込まれた。

「瞼を閉じろ。闇はいつもそこにある。それはそれは自然なこと。それはそれは不自然なこと。」

ちっさいガキンチョだった頃のアタシにそんなことわかるかっ!!
発電妖精
アタシの私物、「電池のデンちゃん」。

好物は蜂蜜。

店の倉庫に居たのよ。で、小遣いで買ったの。

今のところ試したのは壊れたランプと扇風機とスタンガン。

右手と左手に同時に触ると、「ビリリ!!」とくるのよ。

何度、感電したことか・・・。
アタシだ。
?。アタシだ。

太楽 海花 オーレ。末妹だ。

大陸の東にある国「スーリア」のさらに東の端っこの町「サン海花」に住んでいる。港町で田舎だ。

太楽とはコングロマリットカンパニー「大全太楽堂」のこと。

で、そこの支店として小さな商店を海花に開いている。大抵の町のどこかに支店はある。

うちは3人姉妹と居候とメイドゴーレムの5人で切り盛りしている。

今年は暑い。いろいろあって、いろいろあるのだ。
戦歌姫
オフェンスとバックアップの構成が戦い方の基本。

華やかに戦歌を響かせながら士気向上を促す。

その効果は部隊全体にも行き渡たる。

最近は戦歌姫を投入するほどの紛争はめっきり減った。というか、ない。

地位的には上級騎士待遇らしい。

やっぱり歌は人に聞かせるほどの美しさは必要とのこと。

「ディーヴァ」、「音の称」と言って「ドレミファソラシド」に分けられている。けれど、何人いるかわからない。
光が屈折するほど濃い霧
ああ・・・見るものすべてがゆがんで見える・・・。いや、よく見えない・・・。

どこで道を間違えたのやら・・・。

幸いながらハローの裾をつかんでた。

ハローは何の躊躇もなくまっすぐ歩いてる。

どこかからかすかに歌声が聞こえてきた・・・。

霧の原因がシーバウスの「ソ」の戦歌姫だということ後々知った。

何のためにあんなことをしていたのだろう?

ってか、何とか条約で、許可なしでの戦歌姫の他国への入国は禁止じゃなかったの?
スプリガン
遺跡を護る妖精。

どうやってわかるのか、邪気、敵意を感じるとものすごい勢いで攻撃してくる。

そりゃもう、ゴーレムの比にならないほど。

目の前で起こっているのは、緑の帽子の魔導士っぽいのと激戦であった。
ハーピー(仮)のミロン
空が高いなぁ・・・

「空に上りたいの?」

いやいや、空の先に何があるのか気になって・・・

「そうねぇ。どこかの大地に続いているのかも。」

めまいを起こしそう・・・

「私もたまに、めまいを起こすわ。上下がわからなくなるんだって。」

ベルティゴだね・・・

「ベルティゴね。」