[ ふらくたる -FRACTAL- ExtraEssence! ] - [0105~0091]
晴暦3099年、オーレ、天隔壁の向こうへ
晴暦3099年4月9日。

オーレです。

・・・。

来てしまった・・・。

眼前には、昔、「バベル」と呼ばれた悪魔の残骸の上部がある。

「バベル」は、「箱舟」の突撃などで、中途半端に天と地を途切れる形で崩れた。

だけど、「人」は繋げてしまった。50年ほどの時間を掛けて。

この星には、「土の大地」と「樹の大地」がある。

「樹の大地」は樹海雲「ふらくたる」と呼ばれていた。

でも、「見えない」。

「土の大地」から天を見上げると、太陽が見える。月も星も見える。

そこには「透けている世界」があった。

研究者たちは、「バベル」を登って、「透けている世界」を量子理論の何とかやらで出来たものだと推測したらしい。

「上の世界の人」からは「天隔壁」と呼ばれていることを昔々に、アタシは聞いた。

・・・。

あの「バベル」・・・、アタシはあまり通りたくない。

ただ単に、気持ち悪いから。

「バベル」の中は、今も昔も「変な気配」が大量にあるから。

でも、この世界を繋げているのは、現状、「バベル」だけだった。

そして、その先に、「ハローの匂い」がする。

ふぅ・・・。

ため息が出る。

一体、アイツは何しているのやら・・・。

アタシは、「バベル」の中に入っていった。
晴暦3099年、2の31乗のエクストラ
晴暦3099年4月9日。

・・・。

ここのテラスからは、海を挟んで、中央神聖国家群「オウカナ」のシンボル「天の傘」がよく見える。

・・・。

「そうか、わかった。ご苦労。」

ピッ。通信を切った。

「生命の駒」を手中に収めた。

・・・。

「終わり」を「始める」。

・・・。

「オペレーション:エクストラ・エッセンス」を開始する。

・・・。

この「世界」はね、「人」のものだよ。

そう、「あの頃」に戻るの。

・・・。

「天は開かれる。」

・・・。

「そう、あの頃のように。」
晴暦3099年、黒のフォーミュラのマジカ
晴暦3099年4月9日。

・・・。

北端の山脈「ノネム」の奥地、名の無い洞穴。

・・・。

「・・・、タイプ:エンジニアリングドラゴン・コンセプト:フレイム6、4体確認。」

掃討を開始せよ。

「掃討開始。」

・・・。

漆黒の洞穴内で、複数の発光と爆発音が響いた。

・・・。

「4対象、バーナーの準備を開始。狙撃準備。」

・・・。

ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!

四つの爆炎と爆風が吹き荒れた。

・・・。

「4対象、破壊確認。」

・・・。

全部隊、後退せよ。

目標:「ライフポート」を捕獲する。

・・・。

始めるとするか。

吹雪の吹き込む洞穴内に、黒い衣の者が闇に溶け込むように進んでいった。

いつの文明のものやら・・・。

PMCの部隊長マジカは、その手に「ドラゴンバスター」を携えて。
晴暦3099年、蒼のフォーミュラのオーレ
晴暦3099年4月9日。

・・・。

ここは西の国の鳳国「ネル」・・・らしい。

眼前にはドラゴンタイプの「不自然な存在」がいる。

「不自然な存在」は、あの箱舟から落ちてきたもの。

アタシは、「天使の屑」と呼んでいる。

・・・。

<メルキアド♪よ~く見とけ♪>

はひっ!!

<いい返事だ♪>

!?

オーレ大叔母様は右手を広げて、竜の前に差し出した。

何かを・・・探している?

<ここか♪>

・・・。

龍の中?で「ぐちゃ!」って音がした。

<目をそらすなよ♪これが、「真実」だ♪>

オーレ大叔母様の右手が「きゅっ」っと閉じられた。

竜が、竜が、竜の形が、「竜の形」ではなくなった!

さらに「ぐっ!」っという音と共に、竜が「ぎゅるぎゅる!」音を立てながら小さくなって・・・消えた。

・・・。

<メルキアド。「自然の世界」に「不自然」があってはいけない。>

<バレリィ姉様にも言われただろ?「本家に行け」と。>

・・・。

オーレ大叔母様は、前髪を掻き揚げて、あたしのおでこに、「こつん」っと当てた。

<何か感じない?>

暖かい。

<暖かいと感じる事は、お前も暖かく「生きている」。>

<お前は、姉様の血を引いている。そして、アタシとも血が繋がっている。>

・・・。

<「世界」を見ろ♪そして、「世界」を知れ♪お前も「何か」できるということを。>

・・・大叔母様。

<さて、馬鹿ハローを捜しに行くか・・・。>

<「地表」は大体廻った。「樹海雲」か・・・。あそこは、めんどくさいな・・・広いし。>

<アタシは、「蒼のフォーミュラのオーレ」。そして、「太楽の花見のオーレ」でもある。>

<メルキアド。さあ、行け!「進むべき道」を探しに!>

・・・オーレ大叔母様は、地面を軽く蹴って、そよ風に乗るように、見えぬ空に溶け込んでいった。
晴暦3099年、天使の屑と相対する者
晴暦3099年4月9日。

・・・。

ここは西の国の鳳国「ネル」。

そこから、わたしは中央国家群「オウカナ」を目指していた。

わたしは、「メルキアド」。海花のメルキアド。「太楽」だなんて名乗りたくない。

わたしは、「幻想世界」が大ッ嫌い!!

わたしは、「幻想世界」が・・・。

・・・!

眼前に巨大な何かが転がってきた!砂煙がもうもうと立ち昇った。

わたしは、「幻想・・・。

わ・・・。

・・・。

・・・なんじゃこりゃーーー!!

<ブホッ!!ブホッ!!>

・・・「竜」。首の無い「竜」。

この世界には、「竜」がいる。「巨獣」もいる。「妖精」もいる。

・・・ああ・・・なんか・・・わたしの世界が崩れる・・・。

・・・。

<ははははは♪>

!!

<お前の考え、アタシは好きだよ♪>

誰っ!?

<お!龍語がわかるのか?すごいじゃん♪>

首の無い竜は、首にあたる部分が「ぱかっ!」と開いて、立ち込める砂煙の中に複数の触手?を撃ち込んだ!

が、撃ち込まれた触手?は、音も無く全て上に弾かれたかのようだった。砂煙が晴れた。

・・・。

青い長髪の人。・・・懐かしい感じがする。

その人は、右足のつま先で地面をタップし、言った。

<この子を護れ。>

わたしの足元の地面が黒くなった!何か光っている。

「スクリプト」!?「魔方陣」というアレだ。

大抵は意味を成しているのか、よくわからないものを何時間、何日かかって、結局間違えるアレだ。

でも、これは違った。単純に、かつ、正確に、構成されていった。見たことのないスクリプト。

<大きくなったものだ、メルキアド♪>

・・・。

大叔母様・・・。オーレ大叔母様・・・。
晴暦3099年、メルキアドは幻想世界が嫌い
晴暦3099年4月9日。

・・・。

ここは西の国の鳳国「ネル」。

そこから、わたしは中央国家群「オウカナ」を目指していた。

・・・。

箱舟「リフトレン」。

そう、あの「箱舟」が現れて、世界は慌てふためいた。

連日、新聞、テレビ、ワイアード、その他マスメディアは、こぞってそのネタを報道していた。

それも、朝から夜まで。中には徹夜で討論している。

・・・バカじゃねえの?

ほんの数日前まで、くだらないネタしか流していなかったくせに。

・・・。

この世界には、「竜」がいる。「巨獣」もいる。「妖精」もいる。

ここは「ファンタジーな世界」かと考えるとなんだか、もやもやする。

勇者?騎士?剣士?戦士?魔導士?魔術師?・・・なんじゃそりゃ?

中には誰が考えたのやら「姫騎士」ってのがある。「姫」なのか、「騎士」なのか、なんじゃそりゃ?

「姫」は、おとなしく王室に鎮座していろ。

「騎士」は、おとなしく武勲を賜っていろ。

「騎士」は「騎士」で、

ちょっとした鎧を身に着けて、裸のような姿で鞘から剣を引き抜いて微笑んで練り歩いている妄想も流行っている。狂戦士と変わらんよ。

「魔女」ってなんだよ?そりゃ、飛んでいる姿を見たことあるけど、あれ、「職業」じゃねえだろ?化物と変わらんよ。

「秘境探検」?「迷宮攻略」?「空中遺跡」?誰が作って、何故に一番奥地に「宝」や「ボスモンスター」を配置するんだ?

そう、ここが「ファンタジーな世界」かと思うと、とても、とても、もやもやする。

・・・。

で、いま、一番うっとおしいのが、「箱舟」の存在。

その為か、わたしは「オウカナ」の「大全太楽堂本舗」に向かっている。理由は、わからんっ!!

「本店」に出向くなんて、一生思わなかっただろう。

婆様が言った、「何事も、経験♪経験♪」・・・。バレリィ婆様・・・。

で、わたしは、てくてくと東の港町に向かって歩いている。

わたしは、「メルキアド」。海花のメルキアド。「太楽」だなんて名乗りたくない。

わたしは、「幻想世界」が大ッ嫌い!!
晴暦3099年、箱舟リフトレンの舵
晴暦3099年4月。

・・・。

天空を覆いかぶさる箱舟「リフトレン」。

そのリフトレンの上に、ぽつんと「人影」があった。

・・・。

<我は、「リフトレン」。>

<我は、「箱舟」。>

<我は、「希望」と「絶望」を運ぶ者。>

・・・。

<時を待った。>

<長き時を待った。>

・・・。

<阻む者はいない。>

<さあ、選べ。>

<「希望」と「絶望」の選択を。>
晴暦3099年、箱舟リフトレンの箱
晴暦3099年4月。

・・・。

<出るべくして出てきたか・・・。>

<箱舟「リフトレン」・・・。>

<「荷」はなんだ・・・?>

<「厄災」・・・?>

<それとも・・・、>

<「希望」・・・?>

・・・。

黒き衛兵「首ナシの飛竜」に囲まれた箱舟の「リフトレン」。

・・・。

<あの頃も沈められなかった・・・。>

<今なら・・・沈める事が出来る・・・?>
晴暦3099年、幽閉の魔人のアンチェイン
晴暦3099年4月。

・・・。

<始まった・・・。>

<そう、あの頃のように・・・。>

<「臨界反応兵器」・・・。>

<あれは、「偽善なる光」・・・。>

<あれは、「正しきなる悪意」・・・。>

<私が見た、あの「光」・・・。>

<私が閉ざした、あの「光」・・・。>

・・・。

光感じぬ世界の絶壁で、始まりの魔人「アンチェイン」は呟いた・・・。

・・・。

<そう、あの頃のように・・・。>

<この星は、戦後に戻る・・・。>
晴暦3099年、賢龍の鱗星
晴暦3099年4月2日。

<あの光、>

<忌むべき光?>

<絶望の光?>

<希望の光?>

・・・。

<答えは、「そこ」にある。>

<それは、いつも「そこ」にある。>

<選べ。>

<選べ。>

<選べ。>

・・・。

まばゆい光を瞬きせずに、その者は見ていた。

賢龍「鱗星」。

・・・。

<選ぶ「権利」は、>

<「誰」にでもある。>
晴暦3099年、漆黒のアーマルタ
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店。

・・・。

九尾の赤い服のルイボスは、片手で持つ巨大な得物で妖精王の横腹を「く」の字になるくらいの勢いで、ぶん殴った!!

「アーマルタ!キルコマンド、準備!!」

<キルコマンド、準備開始。>

ルイボス姐さまの後ろに黒い影があった。

アーマルタ!!

<痛いじゃないか♪>

妖精王は、「く」の字に曲がりながらニタリとした。

「うっとおしいよ、その顔。な、妖精王。」

・・・。

<第参月糸術式開放。第参月糸バレル形成。>

<何それ♪かっこいいな♪>、妖精王は、ケタケタと笑った。

<第弐月糸術式開放。第弐月糸バレル形成。>

<<やめろバカあ!!こんな人口密集地でそんな物使うなあ!!>>、図書館塔「白の塔」の外部向けスピーカから文句が飛んできた。

<第壱月糸術式開放。第壱月糸バレル形成。>

「タオ大叔母さま、町全体に衝撃結界を形成してください。」、ルイボス姐さまは淡々と言った。

<中央制御術式開放。月糸零号ハンマー形成。>

「ふむぅ・・・。しゃあないなあ・・・。」、タオさんは、何気なしに両手を広げ、その腕を空に向けた。

<キルコマンド、実行可能。>

「撃て。」、ルイボス姐さまは躊躇なく言った。

・・・。

アタシの目の前が真っ白になった。

耳が「キーーーーン・・・」と鳴った。

・・・。

その光は、あらゆる各地から観測された。

恐るべき光。あってはならぬ光。

・・・。

アーマルタ。何かよくわからない存在「アーマルタ」。

忌むべき光は、忌むべき存在をこの場より消し去っていた。
晴暦3099年、反撃のルイボス
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店。

・・・。

妖精王は言った。

<いままで、「英雄」と名乗るものって、いた?「勇者」を名乗ったもの記録残ってる?>

<そうだよ♪そうだよ、そうだよ♪狩った狩った、皆、狩った♪>

<君も仲間入りだね♪>

・・・。

「で、アタシは、その「仲間」に入っているかな?」、!!

妖精王の背後に、「赤い服」の人が間合いを詰めていた!!

<あれ?>

<君は・・・?>

「ルイボス!!」

ルイボス姐さま!!

九尾の赤い服のルイボスは、片手で持つ巨大な得物で妖精王の横腹を「く」の字になるくらいの勢いで、ぶん殴った!!

「アーマルタ!キルコマンド、準備!!」

<キルコマンド、準備開始。>

ルイボス姐さまの後ろに黒い影があった。

アーマルタ!!

<痛いじゃないか♪>

妖精王は、「く」の字に曲がりながらニタリとした。

「うっとおしいよ、その顔。な、妖精王。」

・・・。

ルイボス姐さま。太楽の幻帝のルイボス。グリューロット姐さまの姉。

それはそれは、恐ろしい姐さまであります。
晴暦3099年、妖精王ベクトラ
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店。

窓ガラスが全部割れたプリン店に、「妖精王」が現れた!

・・・。

<そう♪そのグルグル回る刃♪うっとおしかったね♪>

<パターンありすぎて、あくびが出たよ♪>

・・・。

「・・・ふ。パターン?バカか妖精王?」

「数は数えたのか?ただ単に避けただけではないのか?」

・・・。

<いるんだよねえ♪強がりを言うの♪>

<そう、むっかしからっ♪自ら「勇者」と名乗るような人間を♪>

<聞きたい?え?聞きたい?なんで、「勇者狩り」かって♪>

・・・。

「どうでもいいわ。」

・・・。

<いままで、「英雄」と名乗るものって、いた?「勇者」を名乗ったもの記録残ってる?>

<そうだよ♪そうだよ、そうだよ♪狩った狩った、皆、狩った♪>

<君も仲間入りだね♪>

・・・。

「で、アタシは、その「仲間」に入っているかな?」、!!

妖精王の背後に、「赤い服」の人が間合いを詰めていた!!

<あれ?>

<君は・・・?>

「ルイボス!!」

ルイボス姐さま!!

九尾の赤い服のルイボスは、片手で持つ巨大な得物で妖精王の横腹を「く」の字になるくらいの勢いで、ぶん殴った!!
晴暦3099年、勇者狩りのベクトラ
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店。

・・・。

プリン店の中庭でグリューロット姐さまが、秘術リボルビング・バイト「紅桜」を展開、打ち上げた。

透けた大量の刃物は間髪なく次から次へと、見えぬ空へ目掛け襲い掛かった。

・・・。

図書館塔「白の塔」のテラスから、その状況を見る者がいた。龍王イドだった。

「おいおいおい!ヤバイぞ!ヤバイぞ!!」

館外放送用のスピーカのボリュームを最大にして、絶叫した!!

<<外にいるの者は今すぐ屋内に入れっ!!>>

<<外にいるの者は今すぐ屋内に入れっ!!>>

<<タオプリン店っ!!衝撃に備えろっ!!>>

・・・え?

「ドゥオオオオオオオッ!!」、何かが爆発したような衝撃が来た!

うあっ!!

プリン店の窓ガラス全部が割れた!!

・・・、「ぱりん・・・」、残っていたガラスが落ち、静かになった。

<やあ♪>

<君達だね♪僕を見つけたのは♪>

プリン店の店舗側の屋根に傘を差している少女がいた。

「・・・なんだ・・・こいつは・・・」、グリューロット姐さまが言った。

<<そいつは、妖精王だ!!「ベクトラ」だ!!>>

「「ベクトラ」!こいつが、「勇者狩り」か!」

<あれ?知っているんだね♪僕が「勇者狩り」ってことを♪>

<?君、あの空飛ぶ刃の人だね♪ちょっと前にも同じ技を見ておいて良かったよ♪>

「「見ておいた?」だと?「ルイボス」と交戦・・・したのか・・・」

「ルイボス姐さま」・・・?

<厄介だったよ♪まさか、「巣」にまで来れる人間とゴーレムがいたなんて♪>
晴暦3099年、グリューロットの無限桜
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店。

・・・。

食後の中庭でグリューロット姐さまは、遠い空を見上げていた。

姐さま?

姐さまの空を見上げる目が鋭くなった。

「タオさん!タオさん!」

「ヤバイの!?」、タオさんが慌てて出てきた。

「ヤバイ!ヤバイ!アタシの得物は!・・・取りに行く間がない!」

「仕方ないっ!!」

姐さまの周囲が、「バチッ!!」と光った!

「グリュちゃん!アレ使えるの!?」

「臨時です!言い訳は後回しっ!!」

・・・。

「リボルビング・バイトっ!!紅桜っ!!」

姐さまの周りに、透けている刃物みたいなのが、ぐるぐる回りながら大量に現れた。

「行けっ!!」

透けた大量の刃物は間髪なく次から次へと、見えぬ空へ目掛け襲い掛かった。