[ ふらくたる -FRACTAL- ExtraEssence! ] - [0060~0046]
晴暦3099年、国際警察機構のカシス
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」があります。

ウララです。

太楽堂サワ野支店からでも離れたところにある「白の塔」がよく見えます。

はっきり見えます。

これでもか!ってくらいにはっきり見えます。

今、タオさん先頭に焼きプリンお届け隊がぞろぞろ行進しています。

・・・。

いつ見ても、白の塔は大きいですね・・・。

ん?

なんだろ?

多数の警察車両が大通りに止まっています。

たくさんの人が集まっています。

・・・。

「これはタオさん、ここから先は立ち入り制限中です。」、なんだろ?

タオさんがお巡りさんに聞いています。

お巡りさんが走っていきました。

大きな車?指揮車かな?そこに入っていきました。

お巡りさんが戻ってきました。

タオさんが説明を受けています。

「ふみゅ~・・・、白の塔は、今、危険な状態なんだって。」

・・・。

指揮車からちょっと気配の違う人が出てきた。

この国の服装じゃないみたい。

「・・・、ええ、・・・そう、お願いします。」

あ、「魔法杖」だ。最近じゃ珍しいタイプです。

「太楽さん?」

「はいそうです。」

その人とタオさんが話をしていた。

・・・。

「入っていいって。でも、別行動は無しよ♪」、タオさんは人差し指を立てて自慢げにくるりと回した。

あの人はどなたです?

・・・。

あの人は、リアニン国際警察機構のカシスさんという方らしいです。

そして、結構昔に廃止されたと思ってた「騎士」さんです。

これは、教科書にも載っていないことだったので、アタシとビアンとグリングリンには新鮮でした。

そして・・・、現場は・・・、斬新でした。
晴暦3099年、白の塔図書館のナビの栞さん
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。

・・・。

ぴゅいぃぃぃぃぃんっ!?

悪魔から逃げる全員を、さらに高速で追い抜く者たちがいた。

「なんだ!なんだ?なんなんだーーーっ!?」

「あれって図書館の妖精ですかーーーっ!?」

「あんなの知らんわーーーっ!!」

・・・。

追い抜く者たちは発光していた。それも数え切れないほどの数。

後ろは悪魔。前には謎の発光物体X。

「「「た、助けて○○バスターズっ!!」」」

・・・。

「イド館長・・・。」、何処からともなく声がする。

「イド館長・・・。」、龍王イドを呼ぶ声がする。

「イド館長・・・。」、声が間近に聞こえてきた。

「イド館長。」、イド館長の耳元で声が聞こえた。

「ひぎぃ!!」、イド館長は、声にならない謎な声を上げた。

「探しましたよ。イド館長。」

!!

「そりゃあ、館長という職でありますから、自由に動くのも結構ですが、地下50階層まで降りられるのはちょっと・・・。」

「そうそう、太楽堂様のタオ様が来られておられます。」

「・・・あ。忘れてた・・・。」

「ってか、この謎の発光物体Xは、なんなんだ!?」

「・・・、お忘れなのですか?地下の工事の電気の通じていない箇所の補助に雇われた「謎の発光物体X」さんたちですよ。」

「え?」

「え?」

「え?」

「・・・、忘れていましたね・・・。」、声の主がジト~とした目で館長を見た。

・・・。

声の主は、この白の塔図書館のナビの栞さん。結構古いナビゴーレムです。

栞さんは、「多数」いるので、ナビとしての人手が足りない事はないらしいです。

「・・・で、その後ろの禍々しい方はどちら様です?入館記録が残っていませんが。」

「ほら!ほら!、昔、流行ったじゃない!悪魔騒動事件!アレの残骸よ!」

・・・。

「謎の発光物体Xさんたちが何とかしてくれますよ。」

・・・。

謎の発光物体Xたちは、「悪魔の残骸」をそのまばゆい光で照らし、弱体化に成功していた。
晴暦3099年、出現!謎の発光物体X
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。

・・・。

「ふふふふふ♪、アレ、「悪魔」なんです♪」、イド館長、ボケたつもりでいた。

・・・。

「「「なんですとーーーっ!!!!!」」」、全員、目がキョドった。

「「「ぎゃーーーーーーっ!!!!!」」」、全員、一斉に叫んだ。

ぴゅいぃぃぃぃぃんっ!?

イド館長が一目散で逃げた。

「「「ちょとーーーっ!!ちょっと、ちょっと!!」」」、全員、イド館長を追いかけた。

「用意も覚悟もできていないのに、悪魔と戦えるはずないでしょーーーっ!!」、イド館長が比較的まともなことを冷や汗流し、走りながら言った。

ぴゅいぃぃぃぃぃんっ!?

悪魔から逃げる全員を、さらに高速で追い抜く者たちがいた。

「なんだ!なんだ?なんなんだーーーっ!?」

「あれって図書館の妖精ですかーーーっ!?」

「あんなの知らんわーーーっ!!」

・・・。

追い抜く者たちは発光していた。それも数え切れないほどの数。

後ろは悪魔。前には謎の発光物体X。

「「「た、助けて○○バスターズっ!!」」」
晴暦3099年、夏の終わりの黒の舞姫
晴暦3099年4月1日。

・・・。

<・・・。>

<・・・暑い。>

<・・・。>

<・・・暑い夏が終る。>

<・・・。>

<・・・憂いの夏が終る。>

<・・・。>

<・・・舞え。>

<・・・。>

<・・・舞えよ、舞え。>

<・・・。>

<・・・憂いのときを、感じ入り。>

<・・・。>

<・・・甘美のときを、感じ入り。>
晴暦3099年、虚無化?悪魔のその後
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。

・・・。

ここは、白の塔の地下50階くらいで動いたり動かなかったりするエレベータを乗り継いでいる。

「だから違うんだって!」、白の塔館長の白龍帝「イド」は言い聞かせていた。

「そりゃまあ、ディープネーレイドがいたのは確かだけどさ・・・。」

「ね、アーサさん・・・。」、太楽の鉄帝のアーサ、疲れて、聞く耳持たぬ・・・。

「ね、フーカさん・・・。」、太楽の鏡帝のフーカ、涙でメガネが曇っていた・・・。

「しくしく・・・。」、イド館長、泣いている振りをしてみる。

「本当に申し訳ありません!申し訳ありません!」、

怪物ディープネーレイドを「サント上条女学院」から逃がしてしまった「コレット・レッタ・チョコレッタ・海花」と、お付の猫饅頭がひたすら謝っていた。

・・・。

がやがやした連中はひたすら上へ上へと、「うへ~・・・」といいつつ、登っていった。

・・・。

<・・・ヤンヤディラ・・・>

「あ~・・・。」、アーサが何かに気がついた。

<・・・ヤンヤディラ・・・>

「イドさま・・・お腹なっているんじゃないの?」、フーカがボソッと言った。

<・・・ヤンヤディラ・・・>

「なにをいう!気にしていないぞ!焼きプリンが来ることなんて・・・、あーーーっ!!」、やはり気づくのに遅かったイド館長。

<・・・ヤンヤディラ・・・>

「ヤンヤディラ・・・って、変わったお腹の音ですね・・・。」、アーサが言った

「ヤンヤディラ・・・は、呪いの歌ですよ。」、五尾の女学生「大町モズヤ」が珍しく口を開いた。

・・・。

「「「え?」」」、一斉に後ろを振り返った。

「え~、あ~、・・・、目が疎くて・・・。」、イド館長がボケた。

「で、なんです・・・あれ?」、アーサは聞いた。

「ふふふふふ♪、アレ、「悪魔」なんです♪」、イド館長、ボケたつもりでいた。

・・・。

「「「なんですとーーーっ!!!!!」」」、全員、目がキョドった。
晴暦3099年、夏の終わりの黒の敗者
晴暦3099年4月1日。

・・・。

<・・・。>

<・・・暑い。>

<・・・。>

<・・・暑い夏が終る。>

<・・・。>

<・・・憂いの夏が終る。>

<・・・。>

<・・・黒い。>

<・・・。>

<・・・黒い夏。>

<・・・。>

<・・・勝者のいない夏が始まる。>

<・・・。>

<・・・敗者のみの黒い夏で終る。>
晴暦3099年、夏の終わりの黒の魔王
晴暦3099年4月1日。

・・・。

<・・・そう。>

<・・・手に入れたのだな。>

<・・・引き続き回収を。>

<・・・。>

<・・・暑い。>

<・・・。>

<・・・暑い夏が終る。>

<・・・。>

<・・・憂いの夏が終る。>

<・・・。>

<・・・長すぎたのだよ。>

<・・・。>

<・・・緩やかに進む時間が。>

・・・。

光とも闇とも区別つかない世界で「それ」は語った。

<・・・。>

<・・・有象無象の魔王たちの争いも終る。>
晴暦3099年、踊る睡魔を見ると寝る
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。

・・・。

「ぽっぽーっ♪ぽっぽーっ♪ぽっぽーっ♪」、午後の三時だ!

・・・サワ野支店から睡魔たちが現れた!!

<ちゃっちゃか、ちゃっちゃっちゃ♪>

<ちゃっちゃか、ちゃっちゃっちゃ♪>

睡魔たちが踊り始めた!!

<ずんずんずんずん♪眠るにゃ♪眠るにゃ♪>

<ずんずんずんずん♪眠るにゃ♪眠るにゃ♪>

<ずんずんずんずん♪眠るにゃ♪眠るにゃ♪>

<ずんずんずんずん♪眠るにゃ♪眠るにゃ♪>

町行く人たちが焼きプリン屋さんに入っていく!!

焼きプリン屋さんに入っていく人たちは決まっていた!!

皆、寝も周りに「クマ」ができていた!!

<目覚ましプリンを食べるにゃ♪>

<目覚ましプリンを食べるにゃ♪>

<目覚ましプリンを食べるにゃ♪>

<目覚ましプリンを食べるにゃ♪>

この店が繁盛していた理由はこれなのか!?

・・・あざとい!

・・・あざとすぎる!!br>
睡魔たちを使って、プリンを買わせるとは!!

・・・。

「さて。」

タオさんが手をポン♪と鳴らした。

「睡魔さんたち、白の塔に行きますよ~♪」

「納品する焼きプリンの準備をしてください~♪」

ということで、

図書館「白の塔」には、大勢で行くことになりました。

・・・。

「納品する焼きプリン」・・・それは、

「頭痛がスッキリする成分の入った、図書館の龍王専用焼きプリン」。

・・・そう、

図書館の龍王、白龍帝「イド」さまは万年頭痛持ちなので、

頭痛薬が必須な困った症状のお方でした。

それが・・・。

あんなことになるなんて・・・。
晴暦3099年、闇導師のクフーフ
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。

・・・。

ここは、白の塔の地下50階くらいで動いたり動かなかったりするエレベータを乗り継いでいる。

「だから違うんだって!」、白の塔館長の白龍帝「イド」は言い聞かせていた。

「そりゃまあ、ディープネーレイドがいたのは確かだけどさ・・・。」

「ね、アーサさん・・・。」、太楽の鉄帝のアーサ、疲れて、聞く耳持たぬ・・・。

「ね、フーカさん・・・。」、太楽の鏡帝のフーカ、涙でメガネが曇っていた・・・。

「しくしく・・・。」、イド館長、泣いている振りをしてみる。

「本当に申し訳ありません!申し訳ありません!」、

怪物ディープネーレイドを「サント上条女学院」から逃がしてしまった「コレット・レッタ・チョコレッタ・海花」と、お付の猫饅頭がひたすら謝っていた。

・・・。

がやがやした連中はひたすら上へ上へと、「うへ~・・・」といいつつ、登っていった。

・・・。

「ガヤ芸人どもは行ったか・・・。」、暗闇の中に蠢くものがいた。

「さて。」・・・、それは、白の塔の昔の崩落地点に向かっていた。

「ここか。」、そこは闇に包まれていながら、発光苔でわずかな光があった。

「ザザーーーっ!!」、本棚が倒れ、漏水でぐちゃぐちゃになっていた。何故か洞窟魚までいた。

「ここで間違いないはず。」

それは、全体を見回す。

ふむ。

「あの発光苔のないところかな?」

「当たり♪」

・・・。

そこには、かつて、頭痛の悪魔と言われていたものの残骸があった。

・・・「魔族の心」。

・・・。

「く、・・・くっくっくっく♪」

・・・。

「心」を手にした、それは、笑いをこらえ切れなかった。

「これで、・・・が、始められる。」

「それ」は、闇の導師の「クフーフ」は、これから始まる期待に心躍らせていた。
晴暦3099年、モモ店長と逆境の魔筆
晴暦3099年4月1日。

太楽の海花のウララです。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」があったりする。

・・・。

「ばっちゃ!ばっちゃ!武器!武器!」、モモ店長が何かを思い出しました。

「武器って・・・白の塔に行くだけよ♪」、話の歯車があっていない感じです。

「だーかーらー!アーサとフーカに何かが起こっていたときの場合に備えての、ぶーきーっ!!」

「またまた~、知ってるって♪武器所持制限法のことぐらい知っているって♪」

「くあーーーーっ!!」、モモ店長!、切れかかっています。いや、切れてます!切れてます!

「店長!店長!これ!これ!」、支店の方から、たくさんの「小さな従業員」が「なにか」を担いできました。

「小さな従業員」・・・。

それは、悪魔の「睡魔ちゃんズ」と呼ばれる方たちでした。ウチの海花支店にも何人かいます。

「そ!それは!」、グリングリンが素早く反応しました!

「レアアイテムの「逆境の魔筆」!!」

「逆境の魔筆」・・・、それは、大昔に悪魔が置き土産で置いていったもの。

「あ、あ~。」、ぽん♪っとタオさんが手を叩いた。

「それは、」

「それは?」

「それは、謎の筆♪」

ふむ。

「じゃ!おかもちに焼きプリン入れて、行って様子見てきてますね♪」

「謎の筆を持ってけーーー!!」

「え~、謎の筆じゃない。そだ、ウララちゃん、代わりに持ってね♪」

・・・。

恐ろしげな「逆境の魔筆」をご指名で持たされることになりました。・・・やだーーー!!

・・・「逆境の魔筆」。

それは・・・。

それは・・・。

誰も使ったことのない、悪魔の作った筆。

きっと、何かの呪いが掛かっている!?かもしれない・・・。
晴暦3099年、サワ野支店のモモ店長
晴暦3099年4月1日。

太楽の海花のウララです。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」があったりする。

・・・。

「ばっちゃ!ばっちゃ!」、?、隣のサワ野支店から声が聞こえました。

「白の塔行くって、聞こえていたわよ!」

「?、あんたたち、海花やん。」

こんにちわです。

こんにちわです。

こんにちわです。

・・・。

「で、ばっちゃ!」

「白の塔、行くのなら、アーサとフーカを呼び戻してきて!」

なんで?

「あの子ら、朝から白の塔に行って、帰ってこないの!」

ごはん、食べてるんじゃない?

「あの白の塔よ!」

「きっと、ろくな目に会わされていないのよ!」

(それは正解でした。)

「アーサのバカ、害虫駆除刀持っていったのよ! 嫌がるフーカを引きずって・・・。」

ふむ。

ここは、あたしの出番ね。

「だから!そう言っているじゃないの!!」

「さっさと、おかもちに焼きプリン入れて、行って様子見てきて!!」

了解!

・・・。

急かしないこの方は、太楽の利帝のモモ。タオさんのお孫さんでサワ野支店の支店長さんです。

・・・孫?

タオさん・・・何歳?

もしかして・・・。

ハオばあちゃんと同じくらい?

ということは、百超えてるんじゃ?
晴暦3099年、タオさんと、ふっくら焼きプリン
晴暦3099年4月1日。

太楽の海花のウララです。

ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

・・・。

路面電車の改札口から出たところ、

北側に巨大な塔が見えました。

白い塔です。

でも、塔ではありませんでした。

それは、世界遺産にも登録されている珍しい図書館「白の塔」。

名称は見た目そのもの単純です。

ここは、国境ということもあり、結構にぎわっています。かなりにぎわっています。

さて、

太楽堂のサワ野支店を目指しますか。

大通りに出て、目の前でした。

すごく目立つ場所にあります。

小雑貨店の海花支店に比べて、どっしりしています。

お客さんの出入りも激しいです。

・・・ん?

・・・なにやら、いい香りがします。

・・・これは、

・・・焼きプリン!

サワ野支店の隣に太楽の印の入った「焼きプリン」のお店です。

・・・。

グリューロット姐さま!焼きプリンです!

・・・。

「はいはい。タオさんの焼きプリンを頂きに行きましょう。」

「「「こんにちわーーー♪」」」、アタシとビアンとグリングリンは、のれんをくぐり、元気よく挨拶しました。

「・・・んあ・・・。」

「・・・?」

・・・。

「あ・・・!」

・・・?

・・・。

「思い出した!」

「あなたたちは・・・、東の・・・、う、うみ、はな・・・の・・・だったっけ?」、あまり覚えていないようです。

・・・そです。

「焼きプリン・・・食べる?」、ドン!っと名物「ふっくら焼きプリン」の登場です!

「でも・・・。」

「これから白の塔に行くの♪」

「あなたたちも、行く?」

よくわからないうちに、「白の塔」に行くことになりました。

焼きプリンはおいしく頂きました。

・・・。

花見タオ。この太楽堂サワ野支店分店の「タオさんのふっくら焼きプリン」店の店長さんです。

タオさんは、昔からお姿が変わっていません。そういえば、ウチのハオ婆ちゃんも姿が変わらない・・・。

気のせい?
晴暦3099年、轟きの音帝のヴィクトリ
晴暦3099年4月1日。

・・・。

ボサ髪の人が立っていた。

恐怖の煙使い。太楽の煙帝のヴィー。

ヘビースモーカー・ヴィー。

恐怖が・・・。

アタシたちに恐怖が襲い掛かってきた・・・。

・・・。

「「「「ゲホゲホゲホゲホ!!!!」」」」、マスクが通用しなかった!!

・・・。

ヘビーな煙は、「ヘビー」だった!

・・・。

「ガラガラガラ!!」、

路面電車の終点である「サワ野町」駅内の売店から、戸を勢い良く開けて、誰か出てきた!

そして・・・。

「ポカッ!!」、ヴィーの頭を怒付いたっ!!ヴィーが吹っ飛んだ!!

・・・あ、あの人は。

・・・ヴィクトリ姐さま!!

全身にはゴーゴー鳴っている脱臭機とか拡声器とか回転灯とか!

・・・。

「おまえはーーーーーーっ!!」

・・・。

「アホかーーーーーーーっ!!」

・・・。

「タバコは休憩室の中だけだと言っとろーーーがーーーっ!!」

「ポカッ!!」、ヴィーの頭をまた怒付いたっ!!ヴィーがまた吹っ飛んだ!!

・・・。

「おまえはーーーっ!!」

・・・。

「お客さん減らす気かーーーーーーっ!!」

周りの乗客の人達は・・・駅長さんは・・・青ざめている。そして、見て見ぬ振り・・・。

・・・。

姉妹の問題には、手出しは出せない・・・か。

「ガラガラガラ!!」、ヴィクトリ姐さまは、ヴィーを売店の中に引きずり込んでいった・・・。

・・・。

「さて・・・行くか。」、グリューロット姐さまは、素知らぬふりで改札口から出て行った。

・・・。

恐ろしいものを見てしまった。

嵐のような轟音の姐さま。太楽の音帝のヴィクトリ。

駅内の売店「太楽ストア」を営んでいる。

ヴィー・・・、自業自得。

アタシたちは、太楽堂サワ野支店に向かった。
晴暦3099年、カタツムリ妖精マイマイ
晴暦3099年4月1日。

今日は今朝から、いいお天気。

空を眺めるものがいた。

普通の人から見たら、ただのカタツムリ。

でも、

ぼんやり眺めてみたら、こう言われた。

「今日はちょっと日差しが強いよん。明日も明後日も日差しが強いよん。水分補給はこまめにね。」

それはぬるぬると樹を登っていった。

それはカタツムリ妖精マイマイ。

ナメクジ妖精の親戚と思われているけど、特に気にしていないらしい。
晴暦3099年、煙たい煙帝のヴィー
晴暦3099年4月1日。

アタシはウララ。太楽の海花のウララ。

一緒にいるのはビアンとグリングリン。

今、路面電車に乗っています。

本家の「グリューロット」姐さまと一緒に、路面電車の終点のサワ野町まで行くことになりました。

あ、サワ野町の駅舎が見えてきた。

「さて、マスクの準備を・・・。」、グリューロット姐さまは、すでにマスクを着用していました。

・・・え~と。

ビアンは、「くぅ~・・・くぅ~・・・」と、ぐっすり寝入っています。

グリングリンが、「駅舎が真っ白。」、・・・。

・・・え~と。

ヤバスっ!!

・・・。

ビアン!ビアン!、起きて!!

・・・。

グリングリンは、マスクを装着していた。

「はにゃ・・・。」、ビアンは何とか目を覚ました。

グリングリンが容赦なく、ビアンにマスクを装着させた。

・・・。

周りの乗客の人達は・・・マスクしている。

・・・。

はやく!はやく!アタシも早く!!

「ばしゅ~~~。ききききき~~~。」、電車が止まった。

ドアが開いた!

煙が襲ってきた!!

「待っていた。」

・・・。

ボサ髪の人が立っていた。

恐怖の煙使い。太楽の煙帝のヴィー。

ヘビースモーカー・ヴィー。

恐怖が・・・。

アタシたちに恐怖が襲い掛かってきた・・・。

・・・。

「「「「ゲホゲホゲホゲホ!!!!」」」」、マスクが通用しなかった!!