[ ふらくたる -FRACTAL- ExtraEssence! ] - [0045~0031]
晴暦3099年、青空ミングとエクトアルト
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」から離れて数時間。

おなかが空きました。

あ・・・。

アタシはウララ。太楽の海花のウララ。

一緒にいるのはビアンとグリングリン。

今、路面電車に乗っています。

ガタタン!ガタン!・・・。

たまに揺れます。

この路面電車も結構古いから。

本家の「リベリカ」姐さまに、強引に電車賃を渡され、

本家の「グリューロット」姐さまと一緒に、路面電車の終点のサワ野町まで行くことになりました。

歩けば、2時間。

電車じゃ、30分。

・・・。

ビアンは、「くぅ~・・・くぅ~・・・」と、ほんの少し寝入っています。

アタシとグリングリンは、窓のから流れる風景を見ていました。

路面電車の通りにいろんな人、店が見えます。

買い物している人、お茶を楽しんでいる人、犬と散歩している人・・・いろいろです。

・・・。

「あ、魔女。」、グリングリンが空を見上げていいました。

・・・。

「あ、ほんと。」

「珍しいな。青空ミングか。」、グリューロット姐さまが言いました。

「行く方面は一緒か。」

・・・。

青空ミング。これといって有名でもない魔女の一人。でも、珍しいらしいです。

「あのホウキ・・・エクトアルト。」

「エクトアルト・・・レアものですね。」

「あれは高級品だ。そんなに速度を上げていないから、もうすぐ降りるのか。」

(「エクトアルト」、・・・触ってみたい、乗ってみたい・・・。)

「「アレ」、特殊免許いるぞ。」

「あうう・・・。」
晴暦3099年、霧の森の龍話師フォン
晴暦3099年4月3日。

ここはスーリアの何処か。

かすかな妖精の匂い・・・。

あの霧の森からか・・・。

愛と悲痛の声が聞こえる・・・。

・・・。

・・・朝露の香る中、静かなる絶叫が響いた。

・・・。

「双方とも退かれよ!」

・・・。

「ここは、静かな森。」

「ここは、霧の森。」

「ここは、人の来るべきところではない。」

「人は、すぐに帰らなければならない。」

・・・。

「お前は、匂う。」

「血の匂い。」

「人の血の匂い。」

「大勢の人の血の匂い。」

「妖精の血の匂い。」

「大勢の妖精の血の匂い。」

・・・。

「お前は・・・、」

「呪われている。」

「それも、強固な呪い。」

・・・。

「妖精王も退かれよ。」

「この者と戦えば、呪われてしまうぞ。」

<龍話師が、そういうのか?>

龍話師?

<呪いは御免被る。>

<去れ。>

<呪われし、人間よ。>

・・・。

「ここは、霧の森。」

「眼を閉じよ。呼吸を少しの間耐えてくれ。」

・・・風が吹いた。

・・・。

・・・眼を開いた。

・・・息を吸った。

・・・森が見当たらない。

・・・遠くに先ほどの護送車がある。

・・・「龍話師」というのもいない。

・・・さて、どこにいくか・・・。

・・・。

「サクラ、幻燈サクラ。呪われし者が現れた。サクラ、今、何処にいる・・・。」

「龍話師」の「フォン」は、いない相手に語った。

そして、霞の中に消えていった。
晴暦3099年、霧の森の絶叫王
晴暦3099年4月3日。

ここは?

おそらく、スーリアの何処か。

かすかな妖精の匂い・・・。

あの霧の森からか・・・。

愛と悲痛の声が聞こえる・・・。

・・・。

<・・・。>

<来たか・・・。>

<妖精を・・・。>

<妖精を斬る者・・・。>

・・・。

<この森は・・・。>

<この私がいるからこそ、護られてきた秘境・・・。>

<それでも遠慮は・・・なしか・・・。>

<来るがいい・・・。>

<この妖精王・・・。>

<この絶叫王・・・。>

<このマンドラゴラのジオがお相手しよう・・・。>

・・・。

・・・。

・・・。

・・・。

・・・!!

・・・。

・・・朝露の香る中、静かなる絶叫が響いた。

・・・。
晴暦3099年、星空のキサラ
晴暦3099年4月3日。

ここはどこ?

たぶん、スーリア。

だって・・・。

ずっと・・・。

ずっと数日前から・・・。

窓のない、護送車に乗せられているから・・・。

車内には、ぼんやりと柵の付いた小さな明かりがついている。

朝・・・?

昼・・・?

夜・・・?

・・・。

かすかな朝露の匂い・・・。

周りには武装した大柄な黒服が6人・・・。

ガタタンッ・・・!

車が揺れた。

わずかに照明が点滅した。

それだけで十分だった。

そして・・・。

その場に残ったのは・・・。

煙の出ている護送車・・・。

私は、「星空の涙」と言う刀を持って車から離れた。

・・・。

私は「キサラ」。「星空のキサラ」と呼ばれていた。

・・・。

匂う・・・。

妖精の匂いだ・・・。

私は朝霧の中に姿を消した・・・。
晴暦3099年、白き狐のウルティマ
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の北端の天空の町「プライドス」。

位置は国の中央にある「真珠の森」から山脈に達する所かな?

・・・。

・・・空に仙の狐の「リリリリレット」が舞っている。

<<邪なものが近づいている>>

<<邪なものが近づいている>>

はわわわわわ・・・、どうしよう・・・。

どうしようっ!!

・・・それは唐突であった。

「ここに魔女はいるか?」

冷たい・・・。

空気が凍った。

い、いません。ここには魔女はいません。

「そうか。匂いが残っている。魔女だ。赤き魔女の匂いだ。」

「何処だ?赤き魔女は何処に居る?」

き、消えました。

「逃すか。」

・・・。

その者は、白き狐の姿をしていた。

先ほどの赤き魔女のように、風に溶け込んで消えていった。

・・・。

がくっ・・・。腰が抜けた。

生きた心地がしなかった。

・・・。

白き狐も知らない存在だった。

脳裏には残っていた。白き狐の「ウルティマ」という名を。
晴暦3099年、仙の狐のリリリリレット
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の北端の天空の町「プライドス」。

位置は国の中央にある「真珠の森」から山脈に達する所かな?

・・・。

赤い服の人が去った後、大人たちは町内会を開き騒いでいた。

ふむ。

それほど、混乱を招く人だったんだ。

で、・・・、今度は何?

・・・仙の狐・・・。

・・・空に仙の狐の「リリリリレット」が舞っている。

<<邪なものが近づいている>>

<<邪なものが近づいている>>

うむ。

赤い服の人は、大人たちにとっては十分に邪な者だったに違いない。

でも、今度は・・・。

朽ちたゴーレムの残骸が蠢いている・・・?

防衛機能・・・ってやつ?

残念でした。

この町には防衛機能なんて無かったのでした。

・・・。

はわわわわわ・・・、どうしよう・・・。

どうしようっ!!
晴暦3099年、紅の風のアリィー
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の北端の天空の町「プライドス」。

位置は国の中央にある「真珠の森」から山脈に達する所かな?

・・・。

あれ?

誰か来た。

めずらしい。

服装は異国の服・・・かな?

赤い服だ。

・・・。

「ねえ。魔女に、ならない?」

はい?

「そうね。いきなりこんなこと言われてもわからないね。」

「そうだ。気が向いたら、そこの猫饅頭に、「もしもしアリィー?」と呼びかけて。」

な、なんと!

猫饅頭さんにそのような機能が!!

赤い服の人は、猫饅頭をなでて、突然の疾風に溶けるように消えていた。

「ぬあっ♪」

・・・。

家に帰って、お父さん、お母さんにその人のことを言ったら、

慌てて、町内会を開いたほどだった。

・・・。

赤い服の人は、「アリィー」と言った。

うーーーむ・・・、どこかでその名前を聞いた事があるような・・・。

何処だっただろう?
晴暦3099年、白銀のルナリア
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の北端の天空の町「プライドス」。

位置は国の中央にある「真珠の森」から山脈に達する所かな?

・・・。

ねえ、猫饅頭さん。

今日は、いい天気ですね♪

「ぬあっ♪」

きっと明日も、いい天気ですね♪

「ぬあっ♪」

・・・。

私はルナリア。白銀のルナリア。

家系は魔女の家系らしいけど、よくわからない。

だって、私は、魔法なんか使えないから♪

魔法って、都市伝説ですよね♪

ここは、山の上の空気の薄い小さな町。

そう、きっと、ここには秘密がある!

なんてね♪

でも、猫饅頭さんがいたりとか、壊れたゴーレムとか、いろいろあるところが怪しい。

・・・。

あれ?

誰か来た。

めずらしい。

服装は異国の服・・・かな?

赤い服だ。

・・・。

そのとき、私は知らなかった。

その「客人」と思しき人は、伝説的な人だったってことを。
晴暦3099年、刀狩の剣聖バビーン
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の東端の港町「サン海花町」。

今、ここにある太楽の支店の中庭にある者がいた。番犬のゴマメがじゃれている。

・・・。

「ねえ?バビーンさん?」、あたし、ハオは聞いた。

はい?

「と、いうわけなんですが。」

と、いうわけなんですね。

「で、また、「刀狩」の旅に行くの?」

そう、行くの。

「そうだよねえ・・・。この世界から「武器」という「武器」を「狩って」いるんだから。」

そうなのです。私が提唱しました。

「全世界武器武装銃刀不当所持禁止法」を。

「だよねえ・・・。この100年、銃とか剣とか刀とか、物凄く減ったからね。」

そう、「狩って」、「狩って」、「狩り」まくりました。

「で、今起こっていることに対しては?」

ふむ。

「敵」が、わからぬ。

「だよねえ・・・。わからんのよねえ・・・。」

・・・。

「ま、銃刀剣持っているものは、何とか逃げるべし・・・かな?」

そう、それを私が追う。

「じゃあ、頑張ってねえ・・・。で、飯、喰ってく?」

いただきます。

・・・。

この者は、剣聖「バビーン」。あたしと同じような感じに呪われている者。

そう、「全世界武器武装銃刀不当所持禁止法」を「権力者」に提案し、受理された・・・と。

騎士業は消えた。魔導士・魔法使いも減った。傭兵業も限定的になったし。

はてさて、これからどうなることやら。
晴暦3099年、無責任魔人のハオ
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の東端の港町「サン海花町」。

今、ここにある太楽の支店に本家からの訪問者のビターが来ていた。

・・・。

と言うわけで、そのように。

「で、それで終わり?」、唐突に声がした。

ビター、ビクッとする。

リベリカ、ビクッとする。

ワタシ、ルララも、もちろん、ビクッとした。

・・・婆ちゃん!!

「そりゃま、やりたい事は、やるがいいさ♪」

「肝心なのはいつも、「どう終らせるか?」だ。」

では、どうすれば?

「今までの考えでいいんじゃねえの?」

「あたしも、本家の婆どものこと嫌いだし♪」

「だから、100年経ってもここにいるんだし♪」

「やっちまいな♪」

「そう、」

「祭りの如く、やっちまいな♪」

・・・。

すげー投げやりな言葉を発して、婆ちゃんは姿を消した。

そう、海花の太楽の元締めの婆ちゃんである。

アタシ、ルララとウララの直系の婆ちゃんである。

婆ちゃんは、アタシらより若く見えるときがある。

ってか、歳をとっていないみたいな・・・。

婆ちゃんは、昔言ってた。

「あたしは、ちょっと呪われているの♪10年経っても気にすんな♪」

・・・。

婆ちゃんの名は、太楽の海花のハオ。三姉妹だったらしいけど、長女と三女は行方不明。

でも、ハオ婆ちゃんが居るので海花の安全が護られているって、誰かから聞いたような。

誰だったっけ?
晴暦3099年、灰の狐のビター目論む
晴暦3099年4月2日。

ここはスーリア国の東端の港町「サン海花町」。

今、ここにある太楽の支店に本家からの訪問者が来ていた。

・・・。

「そう、昨日の「研修」は非常に参考になった。」

「そう、こちらにもいくらかは被害があった。」

「そう、これはいくら穏健派の老人たちも黙っておられまい。」

「ああ、我々の計画も早まるだろう。」

「ああ、老人たちは「目が開いていない」。」

「ああ、「目を開かせてみるさ」。」

・・・。

で、ビターさんは「どう」されるのです?

「「どう」されるかは、隙無き計画を構築せざるを得ない。」

確かに昨日の「アレ」は、「異常事態」でした。

危うく、ワタシの妹たちも巻き込まれるところでした。

「ああ、そうだ。「異常事態」は確実に広がっている。」

「本家の強硬派も動いている。」

「そう、50年前の「世界非武装条約」は見直さざるを得ない。」

「例外の残骸」は、わずかながら回収できました。

「大婆様も状況が危うい事は察しておられる。」

で、「例外」はどうするんよ?

「「例外」そのものが必要でなく、「状況」自体が必要なんだ。まあ、そのための「証拠」でもあるのだが。」

で、できるの?

「やるさ。」

「そのために、デバッグに「参加」して「経験」を得たのだから。」

さ、どうするん?ワタシらのような、青二才どもが。

「そのためにも、「状況」がまだまだ欲しい。「彼ら」とも接触しなければならないかもしれない。」

「彼ら」・・・か。

ワタシは、この100年近くの安穏とした「平和呆け」がどうなるか不安だった。

だが、灰の狐のビターは策士だ。二手三手、いやそれ以上のことを目論んでいるのだろう。

どうなるか・・・。

そうするか・・・。

今は、ビターを主軸にするしかなかった。

大全太楽堂も一枚岩ではない。常に内部で策謀が入り組んでいる。

太楽の灰狐のビターの情報管理・統制能力は、老人たち以上に長けていたのが怖かった。
晴暦3099年、ルララ祈る
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

で、リベリカ、ウララたちは、森を越えられたのね?

「うん。」

そかそか。

しかしなあ・・・、もう夕方だぞ。

なんだ?あの森の違和感は?

大体、今日のデバッグは、ただの蟲退治のはずだったんじゃ?

「わたしが森の中央道を通ってきたときには、まだ森の組合長が「戦闘中」だった。」

「戦闘中」?

はあ?あの「アリス」が?

何の冗談やら・・・。

・・・。

ったく、ウララの馬鹿!

こづかい欲しさに大婆のところに行くなんて・・・。

春休みが終っちまうぞ。

って、

どうせ、こづかいじゃなくて、あの大婆のことだから「ギフト券」ぐらいしかくれなさそうだけど。

で、リベリカはどうすんの?

「わたしは、婆様から「例外」を預かって来いと言われただけ。」

ふ~~~ん・・・。

「例外」なんてどうでもいいよ。

問題は、同行しているという「グリューロット」の方だ!

あいつ、変なこと色々知っているからウララたちに吹き込まないことを祈るだけだが・・・。

「たぶん、無理。」

やっぱ、無理・・・か。

流れ星にでも願うとするかな・・・。

で、手伝いほしい?

「どちらかと言うと、ほしいですね。」

相変わらず、あいまいな言い方すんなあ。

ワタシとリベリカは、夕刻の「戦闘中」の真珠の森に入っていった。

・・・。

ワタシはルララ。太楽の海花の乱狐のルララ。ウララの実姉だ。

「乱狐」は大婆が勝手につける「二つ名」。よくわかんねえ。

ウララは、こづかい貰うついでに「二つ名」も貰いに行ったのかも・・・。いや、こちらが本命かな。
晴暦3099年、風の狐のリベリカ
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

「では、まず、サワ野まで行きますよ。」

はい・・・。

・・・。

太楽の嵐狐のグリューロット。怖い怖い姐さま。

家系は代々の九尾の狐で、元は海花に住んでいたとの事。

で、その家系でもっとも厳しい性格だと、モカ婆ちゃんが言ってた。

でも・・・、

そのグリューロット姐さまが森の西側に来ているの?

・・・。

「グリューロット!用事済んだ?」

あ・・・。

あの単車は、「リベリカ」姐さま。

あれ?

姐さまたちは、なんでここに来ているの?

「なんで?って、わたしはグリューロットをここまで送ってきただけ。」

「私は、リベリカにここまで送ってもらっただけです。」

・・・ふむぅ・・・。

・・・読めない・・・。

!?

本家に何かあったのですか!?

「いやない!」

「特にありません!」

そですか。

「グリューロット、車、手配する?」

「いや、いいです。電車でのんびり急いで行くとします。」

「電車でいいですね?」

あの・・・電車賃、持ち合わせておりませぬ。

「婆様から電車賃、預かっていますので、さっさと行きますよ。」

「じゃ、あたしは海花にちょっくら行って来る。「例外」の回収もあるから。」

・・・ふゅいいいん。

リベリカ姐さまは真珠の森の中を突っ切っていった。

・・・。

太楽の風狐のリベリカ。あの人も九尾の狐でもある。

ふむぅ・・・、太楽の家系は九尾が多い。謎だ。

ということで、グリューロット姐さまに同行してもらって太楽本家に行くことになった。
晴暦3099年、無定義実行時例外
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

「例外」の「対処」は、次の日の未明までかかったらしい。

「例外」は、一つではなかったらしい。

・・・そう、それは恐るべき「例外」であったとのこと。

・・・。

「あれは・・・。いけない!!」

「無定義実行時例外!!」

「ヌル・ポインタ・エクゼプション!!」

「ダメです!!」

「禁忌の言葉を発しては・・・、あ!!」

・・・。

・・・。

・・・。

<○△□×!>

・・・。

・・・。

・・・。

「さ、作戦は失敗しました。」

「総員!一時撤退っ!!」

自治会長の号令のもとに、その場より慌てて自治会員たちは散ったのであった。
晴暦3099年、真珠の森の例外処理発生
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

アタシたちは、真珠の森を抜け切る頃には昼過ぎになっていた。

・・・そして、時をちょっとさかのぼる。

真珠の森の東側、海花側の入り口付近では乱戦・混戦・大接戦の真っ最中であった。

組合の人たちやら、傭兵の人たちやらは、かなり混乱していた。

妖精王が出るわ、

スプリガンが出るわ、

当初の重火気使用厳禁は何処いったものやら、

同士討ちになりかけるわ、

皆、組合長の言うこと無視するわ・・・で。

・・・。

<ガピっ!!「例外」発生!!繰り返す!「例外」発生!!>

来た・・・。

「え~、あ~、真珠の森自治会長です。「例外」が発生しました。各隊の方々は一時、森の外へ退避してください。」

・・・害蟲駆除の各隊は、指示により森の外へと負傷者を担ぎながら退避していった。

「ふむ。全隊退避完了しましたね。」

「我々による「デバッグ」を開始します。」

・・・。

妖精王、スプリガンは、まだうろついている。

「妖精王、スプリガンは無視してください。」

・・・。

<「例外」を目視により確認!>

「浮遊小数点例外・・・。」

・・・。

「森の中で「崩れた術式」があるはずです。各自、早急に確認を。」

「・・・。まったく、「アリスの影響」で、いまだに「例外」が・・・。」

・・・。

森の外からは、森の内部が良く確認できなかったらしい。

しかし、魔法・魔術特有の「ノイズ」が感じられたと。

「例外」の「対処」は、次の日の未明までかかったらしい。