[ ふらくたる -FRACTAL- ExtraEssence! ] - [0030~0016]
晴暦3099年、嵐の狐のグリューロット
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

アタシたちは、あと少しのところで「真珠の森」を抜けきれるはずだった。

今、眼前で、幽霊の「レイ」が突撃妖精「ジャベリン」を押さえ込んでいた。

どうしたらいい!?

どうしたらいいの!?

・・・。

森の外から風が入ってきた。

・・・。

あ・・・。

あれ?

・・・。

「何しているのよ、あなたたちは?」

「レイも、そんなのに手こずっている振りしていない!」

「あら、ばれてた?」

・・・ゴンっ!!

突撃妖精は・・・、静かになった。

ずかずかとこちらに「その者」は来た。

「あなたたち!できる事は出るだけ頼らない!」

うぅ・・・。

アタシたち、ウララとビアンとグリングリンは、「その者」の「説教モード」で、シュンっ・・・とした。

森の出口まで、あとほんの少しのところで、正座させられ、小一時間の説教を受けた。

・・・。

「まぁ、ここまでにしておきましょう。婆様も待っているんですよ。」

「どうします?本家まで同行しましょうか?」

お。お気持ちだけ、ありがたくいただいておきます・・・。

「で、レイっ!あなたはどうするのです?海花に戻りますか?」

「・・・いや、今、向こう側も慌しいと思うし・・・、ここら辺でうろついておきます・・・」

(なんで、「オーレ」にそっくりで、なんで、こんなに性格が違うんだ・・・?)

「では、サワ野まで行きますよ。」

はい・・・。

・・・。

この怖い人は、太楽の嵐狐のグリューロット。九尾の狐でもある。

家系は代々の九尾の狐で、元は海花に住んでいたとの事。

で、その家系でもっとも厳しい性格だと、モカ婆ちゃんが言ってた。
晴暦3099年、戦妖精ジャベリン
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

アタシたち、ウララとビアンとグリングリンは走って、森の大通りの「第一亙通り」を突き進んでいた。

途中、「龍王」に出会った。なんとも無かった。

途中、「幽霊のレイ」に出会った。付いて来た。

ってか・・・、レイがアタシに乗っかっている・・・。気が重い・・・。

進む。進む。突き進む。

・・・!

見えた!森の外の光が見えた!

もう・・・。

もう、何も出ないよね・・・?

あれ?

・・・。

サワ野町側の西の森の入り口でも騒がしくなってる・・・。

煙幕、破裂音、何の音かわからない音・・・。

「ウララぁ・・・、あれも妖精だね。」、背中のレイがそう言った。

むむむ・・・、ちょっと離れたところから森を抜け出よう。

「・・・あ。無理かも・・・」

・・・、なんですと!?

「・・・ほら、こっち見てる・・・」

・・・、勘弁してください。

・・・。

「・・・あれ、「ジャベリン」だ・・・」

じゃべりん?

「・・・では、防御の用意!」、「ジャベリン」が四つん這いになった。

レイがアタシたちの前に出た。

「「ズドンッ!!」」、「ジャベリン」が唐突にこちらに突っ込んできた!!

・・・ゲホゲホっ!!

土煙が酷い!!

レイっ!!

・・・。

「コイツは、厄介だ。うん、厄介だ。」、レイが「ジャベリン」を押さえ込んでいる!!

どうしたらいい!?

どうしたらいいの!?
晴暦3099年、海花幽霊のレイ
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

アタシたち、ウララとビアンとグリングリンは走って、森の大通りの「第一亙通り」を突き進んでいた。

途中、「龍王」に出会った。なんとも無かった。

もう、

もう、何も出ないよね・・・?

・・・。

「・・・うっ!うらめしいぃ・・・」

・・・。

あ、アンタって人は・・・!!

何が、「うっ!うらめしいぃ」よ!!

「あ、あれ?」

また、アタシたち三人の前に「何か」が現れた。

「・・・ねぇねぇ♪相手してよぉ♪・・・ねっ♪・・・」

見てわからない!?この人気の無さと、森の中からの幾つもの視線!!

「・・・うへへ♪ありゃ・・・妖精や妖精や♪・・・」

で、アンタは?

「・・・ゆ、「幽霊」です・・・」

海花離れて、何やってんの?

「・・・巨大な「お化け屋敷」・・・かな?・・・」

「・・・うう、かまっておくれ・・・」

・・・。

幽霊は、かまってくれと言い出した。

そして、へらへらとニヤニヤしながらアタシたち三人の後ろを付いてきた。

・・・。

そう、この「幽霊」は、海花名物の幽霊の「レイ」。

自縛霊でもないのに、ずっとうろうろしている謎の幽霊。

・・・。

「ねえねえ・・・何かおくれよ・・・小遣いとか・・・お菓子とか・・・」

幽霊って買い物するのか・・・?

とりあえず、この場を、

進むべし!!
晴暦3099年、真珠の森の龍王ディー
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

アタシたち、ウララとビアンとグリングリンは走って、森の大通りの「第一亙通り」を突き進んでいた。

普段の「第一亙通り商店街」は物凄いにぎやかなのに・・・人が全く居ない。路面電車も止まっている。

商店街は皆、シャッターが下りて「臨時休業」の張り紙がしてある。

あるのは、ぼんやりと商店街を照らす街灯と、森の真珠実の輝きぐらいであった。

・・・。

結構走った。

でも、後ろをふと振り返ると、ピカピカッと発光するものが見えた。戦闘はまだ続いていた。

・・・。

<<・・・まったく・・・人というものは勝手すぎる・・・>>

「「ひぃぃぃぃぃぃっ!!」」

どこ!?だれ!?誰の声!?

<<・・・私たちもこの森に住む者・・・>>

ひっ!!人影っ!?暗い中でも見える「人影」!?って、なんだってーーーっ!?

「人影」は浮いていた。

また!浮いてる!飛んでる!舞っている!

<<・・・あなたたちは、少し大げさすぎるよ・・・>>

はわわわわわわわわわわわ・・・・。

<<・・・今、ここには、私しか居ない・・・>>

<<・・・森の者たちには、静かにするように伝えてあるから・・・>>

<<・・・さあ、迷っている余裕があるうちに森を通り抜けなさい・・・>>

<<・・・アリスも何を考えているやら・・・>>

あなたは・・・。

・・・。

そう、この「人影」の人もアタシたちは知っていた。

振り向いたときには、「人影」は居なかった。

・・・。

「蟲の龍王ディー」、森を元々守護する者。

じゃあ・・・。

じゃあ、さっきの「妖精王」とか「スプリガン」ってなんだったの?

アタシたちは、推理は不得意なので、

とりあえず、この場を、

逃げるべし!!
晴暦3099年、真珠の森のスプリガン
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

組合長さんは、おもむろにスピーカーで、

<<ジャムル~♪ジャムル~♪調子に乗り過ぎると♪アリスが来るよ~♪>>

組合長さんがアタシたちには何を言っているのか良くわからなかった。

だが・・・そこに現れたのは・・・、

<<あれ?>>

組合長さんは、スピーカーをオンにしたまま、気の抜けた「あれ?」って言葉を発してしまった。

自治組合のメンバーが集まった。

「ねぇ、この森って・・・「遺跡」かそれに相当するものがありましたでしょうか?」

「いやいや、ありませんよ。でも、「あれ」は・・・。」

「「あれ」も「想定外」ですよね?」

「「あれ」って、「あれ」ですよね?」

「あれ」って・・・なんだろ?

・・・。

「「ズドーーーンッ!!ズドーーーンッ!!ズドーーーンッ!!」」

爆発音が鳴り響き、煙幕・信号弾や謎の怪光線が飛び交っている。

乱戦、混戦、大混乱の模様・・・。

うわぁあ・・・、おかしいなあ・・・日取り、大間違いだったかな・・・?

「そうね・・・、大間違いっぽいね。」、ロー太守がアタシたちにこっそりつぶやいた。

「あなたたち、この状況下だけど森の大通りの「第一亙通り」を突っ切れる?」

ふむう・・・、ロー先生が、そう仰られるなら・・・。

「さあ、急いで。」

・・・。

妖精王「ジャムル」と交戦していたのは何だろう?

雰囲気は・・・、本家の妖精「アーマルタ」に似た感じ・・・かな?

・・・とすれば、「あれ」は・・・、「スプリガン」?

「スプリガン」・・・、良くわからないけど、あれは、「厄介な妖精」。

「遺跡」がどうとかこうとか組合の人たちが言っていたけど、きっとそんな感じ。

とりあえず、この場を、

逃げるべし!!
晴暦3099年、妖精王ジャムル
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

今日は、定例の害蟲駆除日「デバッグ・デー」。

次々と各駆除チームが森の中に入っていった。

・・・。

「「キューーーーン・・・パンっ!!」」

ズンズンさんの信号弾だ!早いんじゃない!?

「赤5・青1!!相手は「妖精」か!!」

遠くにズンズンさんの「毒刀」の怪しい軌跡が光った!

ズンズンさんが戻ってきた。

「ロー太守。あれは「妖精王」だ。」

「「妖精王」!?」

「ここは「妖精王」の出現するような土地ではない!間違いないのか?」

「あれは「ジャムル」だ。」

「まずいな。相手が相手だ、混乱してもおかしくない。」

「スピーカーを。」

<<「妖精王ジャムル」が出現した。繰り返す、「妖精王ジャムル」が出現した。>>

え?え?妖精王ってそんなに気安く出現するものなの?

<<「妖精王ジャムル」を直視するな。絶対に直視するな!>>

「組合長に連絡を!」

「来てますよ♪これは、「想定外」の「例外」ですね~♪」

うおっ!呼ぶ前から居たかのようにアタシたちの横に立っていた。

「「妖精王ジャムル」ですか♪ふむふむ♪危険ですね♪厄介ですね♪どうしましょう♪」

・・・。

妖精王「ジャムル」。

聞いたことのあるような無いような、ってかそんなに詳しくないのでなんともいえないけど、

組合長さんは、何か知っているようであった。

組合長さんは、おもむろにスピーカーで、

<<ジャムル~♪ジャムル~♪調子に乗り過ぎると♪アリスが来るよ~♪>>

組合長さんがアタシたちには何を言っているのか良くわからなかった。
晴暦3099年、毒々のズンズン
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

今日は、定例の害蟲駆除日「デバッグ・デー」。

次々と各駆除チームが森の中に入っていった。

ローラー作戦と言うの?

・・・。

「・・・ぬあーーーっ!!」

なに!?なになになにっ!?

「「ズドーーーンっ!!」」

森の中を爆音が響いた!

鳥たち、獣たちがざわめき立った!

重火器厳禁じゃなかったの!?

「やっちゃった。」

「やっちゃいましたね。」

叫び声が響いている!!

ちょ!?マジなの!?

「どう?エア・シュータの仕業?」

「・・・違います。・・・これは・・・「例のイレギュラー」かと。」

「ふむ。我々は2部隊に分かれ、救助・支援に向かいます。」、ロー先生は即時決断した。

「ズンズンさん、斥候お願いします。」

「了解。」

ズンズンさんは森の中では結構目立つ色の服装を、・・・あれ?

ズンズンさんの姿が森に溶け込んでいく!?

・・・。

「「キューーーーン・・・パンっ!!」」

ズンズンさんの信号弾だ!早いんじゃない!?

「赤5・青1!!相手は「妖精」か!!」

遠くにズンズンさんの「毒刀」の怪しい軌跡が光った!

結局、何事もないことなかった・・・。
晴暦3099年、千本刀のハニー
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサン海花町とサワ野町の間にある国土の5割ほどある森林地帯「真珠の森」の東にあるサン海花町側の入り口。

入り口には、人がたくさん集まっていた。

・・・。

組合長の朝会の挨拶は済んだし、

そろそろ、ヌフラント・キャンプの皆さんも移動開始になりますか。

・・・?

・・・!

あ、あれは・・・。

ハニーちゃ~~~ん♪♪♪

「うげ!なぜここに!!」

ハニーちゃんもなんでここに?

「うっさいわね!」

うんうん♪うっさいよ~♪

「大婆ちゃんが、「何事も勉強だ!行けっ!!」って言ったんで、・・・来た・・・。」

・・・。

ふむぅ・・・、大婆ちゃんの言う事は歴史の教科書みたいなものだ。

「じゃあ、行くから。」

ねえ♪何処の班?何処の班?

「太楽防衛部新人研修会その1・・・。」

「ええい!お前たちも、さっさと行け!置いてかれっぞ!!」

ほ~い♪。

じゃあね♪ハニーちゃ~~~ん♪♪♪

「うっさい!うっさい!うっさい!」

・・・。

そう、あれは、「ハニーちゃん♪」。

太楽の千本刀のハニー。同い年だ。

ハニーちゃんは、そう、「照れ屋さん」なの?

そして、

ハニーちゃんの班が今回、最初に害蟲と遭遇するのであった。
晴暦3099年、真珠の森のアリス
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサン海花町とサワ野町の間にある国土の5割ほどある森林地帯「真珠の森」の東にあるサン海花町側の入り口。

入り口には、人がたくさん集まっていた。

・・・。

「あ~テステス・・・今日は、いい日だ♪いい日和~♪」

・・・。

あ、真珠の森の自治会長さんだ。

「本日は定例の害蟲駆除の日です♪」

「いつも通りのことですが、自治区内での重火器の使用はご法度です♪」

「必ず複数人で行動すること♪」

「暗すぎる場所は十分に注意すること♪」

「そして、」

「「例外」もありえますので、手を出さずに、まず報告すること♪」

「「例外」は、組合が責任持って対処します♪」

うんうん、確認事項は大切だ。

・・・。

「意見・問題などある方々は組合の者に通達してください♪」

「では、各自、準備ができ次第、所定のエリアへの移動を行ってください♪」

・・・。

さすがは、「真珠の森の保安組合」の組合長さんだ。

組合長さんは、昔、とある、何かの何かだったらしい。

でも今は、真珠の森の保安組合の組合長さんを何十年も担っている。

でもね。

組合長さんが乗っかっている、謎の生き物っぽいのは何?

アタシは「ピーーーンッ!!」っときた。

そう、あれが、あの生物っぽいのが、「例外」だって事を。

・・・。

「真珠の森の保安組合」の組合長さんの名は、「アリス」。「深遠のアリス」。

結構謎多き人だ。
晴暦3099年、蟲退治のロー先生
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサン海花町とサワ野町の間にある国土の5割ほどある森林地帯「真珠の森」の東にあるサン海花町側の入り口。

入り口には、人がたくさん集まっていた。

・・・。

ウララとビアンとグリングリンは、てくてくと、ある集団の方に歩いていった。

・・・。

久川先生、おはようございますっ♪

「おう♪春休み終わりかけのちょい旅行か?」

本家の婆ちゃんとこに行くところですっ♪

「今日はにぎやかだぞ♪いや・・・騒がしいぞ♪」

「デバッグ・デー」ですか?

「今回もウチのチームの参加だ♪ふっふっふ・・・皆勤賞ものだな♪」

みなさん、元気ありまくりですね。

・・・。

血気盛んな人達は、「うぉー!」、「うぉー!」っと叫んでる。

「で、結局、真ん中突っ切るのかい?」

予定では、そうなります。

「もう少しで、デバッグ開始だから、もうちょい待っててくれや♪」

・・・。

アタシたちが話していたのは、傭兵集団「ヌフラント・キャンプ」の太守「久川 ロー」。アタシたちは「先生」と呼んでいる。

傭兵と言っても、ここ最近はあまり仕事が無い。

なので、害蟲の駆除が主になっているらしい。

で、その害蟲自体も、思ったほどいないみたい。

「真珠の森」には、「街」がある。電車も走ってる。結構な数の人も住んでいる。そんな森である。

なので、たま~に、害蟲が現れないように、こうやって「デバッグ・デー」という月一の点検があると。

・・・。

アタシたちは、ちょー巨大な害蟲を見た事はあるけど、運が良かったのか、何事も無かった。

今回も何事もないように。

今回も何事もないように。
晴暦3099年、猫饅頭使いのコレット
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサワ野町。

そして、ここは国際図書館「白の塔」。

・・・。

五つ尾の狐?っぽい人に叱られて?、

ディープ・ネーレイドは、しょぼんとしていた。

・・・。

話によると「サント上条女学院」所有の希少な妖精の一部が脱走した?らしい・・・。

・・・管理しとけよっぉ!

・・・。

ここは図書館の地下50階付近。

まぁ、なんというか、戻るのに手間の掛かる場所。

明かりの無いフロアもあったりする。

たまに、図書館の管理ゴーレムさんに遭遇する。

・・・心臓に悪い。

・・・なにっ!?

ぼんやり光る何かが近づいてくるっ!!

「ぬあ~~♪」、!!

「「「ぎゃーーーすっ!!」」」

何かの鳴き声かっ!?

「んあっ?」

「「「ぎゃーーーすっ!!」」」

涙目の三人と女学生の眼前にぼんやりした光に包まれた人影?が現れた!!

「コレットさん!!何処行っていたのですかっ!!」

「「「!!!???」」」

「ふはははは♪・・・迷った♪・・・猫饅頭たちも迷子になってた♪」

・・・。

「お♪ネーレイド♪モズヤに捕まったか♪」

「帰るぞ♪帰るぞ♪帰り道がわからんけど♪ふはははは♪」

猫饅頭たちを引き連れたその人だけ暗闇の中を揚々と突き進んでいた。

・・・。

あの人もサント上条女学院の学生さんで、代々、猫饅頭使いとして営んでいるらしい。

元祖の猫饅頭使いの家系で、「コレット・レッタ・チョコレッタ・海花」とちょっと長い名前だそうで。

そういえば、太楽の本店のどこかに猫饅頭の社があったような・・・。
晴暦3099年、闇を追うモズヤ
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサワ野町。

そして、ここは国際図書館「白の塔」。

・・・。

・・・「奴ら」が侵入していた・・・この塔に・・・。

・・・大全太楽堂のフーカとアーサを呼び出した・・・。

・・・。

「奴ら」が侵入されたとされるのは地下50階付近・・・。

・・・!

泳いでる!!廊下を泳いでるっ!!

「ねぇ・・・、イド館長・・・あれって・・・蟲?妖精?」

・・・違う。

・・・「ディープ・ネーレイド」だっ!!

・・・逃げろ!!蟲たたきでは退治できないっ!!

三人は思わず叫んだ。

「助けて!助けて、○○○○・バスターズっ!!」

・・・。

・・・来るはず無かった。

逃げるっ!

逃げるっ!

逃げるっ!

「光だっ!!」

!?

ここは地下50階・・・。

「え~~~と・・・、」

「何かまたヤバイのだっ!!」

・・・。

「静かにしてくださる?」

「「「ぎゃーーーすっ!!!」」」

逃げる三人の眼前にぼんやりした光に包まれた人影?が現れた!!

「図書館は静かにするものです。」

「「「ぎゃーーーすっ!!!五つ尾の狐だあああっ!!!」」」

「だから静かにしてくださる!?」

・・・。

五つ尾の狐?っぽい人・・・「大町モズヤ」は言った。

あの服の紋章は・・・サント上条女学院・・・?

「そこにいましたか、ディープ・ネーレイド。帰りますよ。」

ディープ・ネーレイドは、後ずさりし始めた。しょぼんとしていた。
晴暦3099年、図書館塔を襲う、その正体
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサワ野町。

そして、ここは国際図書館「白の塔」。

・・・。

・・・「奴ら」が侵入していた・・・この塔に・・・。

・・・大全太楽堂のフーカとアーサを呼び出した・・・。

・・・。

「奴ら」が侵入されたとされるのは地下50階付近・・・。

・・・。

さすがにね、地下50階付近には誰も行かんわ。

いや、物好きが行く事もあるが・・・。

なんていうかね・・・、

古いセキュリティシステムとか、なんかよくわからないものが徘徊しているのはわかっている。

私?

私も行ったわよ。

本はね、そりゃもう古代の希少財産レベル。

・・・で、

その付近から「奴ら」が来たと思われるの。

たぶん、・・・悪性妖精の「紙魚(シミ)」かと思う。

・・・。

・・・。

・・・来た・・・地下50階。

・・・エレベータを乗り継ぎ、乗り継ぎして・・・。

・・・暗い。

・・・暗すぎる。

・・・?

なにか・・・、「ぴちょんっ・・・ぴちょんっ」と音してる。水漏れ?

・・・、「ざぱあっ!!・・・ばしゃばしゃっ!!」、ちょ、何がいるの!!

・・・。

・・・!

泳いでる!!廊下を泳いでるっ!!

「ねぇ・・・、イド館長・・・あれって・・・蟲?妖精?」

・・・違う。

・・・「ディープ・ネーレイド」だっ!!

・・・逃げろ!!蟲たたきでは退治できないっ!!

三人は思わず叫んだ。

「助けて!助けて、○○○○・バスターズっ!!」

・・・。

・・・来るはず無かった。
晴暦3099年、図書館塔のイド、蟲に憤慨す
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサワ野町。

そして、ここは国際図書館「白の塔」。

・・・。

・・・「奴ら」が侵入していた・・・この塔に・・・。

・・・気がつかなかった・・・誰も・・・。

・・・。

なんたることだ!!

なんたることだ!!

・・・。

この塔には、いくつものセキュリティシステムがあり、案内ゴーレムも多数稼動している。

監視システムには、「奴ら」は感知できなかった。

・・・。

許せない!!

許せない!!

私の!私の!!私の蔵書を「舐める」とは!!

舐められたことにより・・・蔵書のスクリプトだけが「食われて」しまった!!

この私は、納品された書籍には全て目を通し、全て記憶されている。

許さん!!

許さん!!

・・・。

国際図書館「白の塔」の管理人、龍王「白龍帝イド」は憤慨していた。

・・・あ。

・・・頭が痛くなってきた・・・。
晴暦3099年、アーサ、図書館塔へ、いざ参る
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国のサワ野町。

この町の外れに、国際図書館「白の塔」があったりする。

・・・。

というわけで、

今、「白の塔」では困った事が起きているらしい。

困った事とは、蔵書の文字が虫食いされているとの事。

蔵書の各頁には、本物の虫食い跡はないらしい・・・。

では?

ということで、ウチの店「大全太楽堂サワ野支店」に原因究明と可能なら原因の駆除の依頼が来たというわけであった。

「原因」・・・、わかっているんじゃないの?

そう、ウチのフーカ姉さんは、すでに目星をつけていたみたい。

・・・。

姉さん!!フーカ姉さん!!「白の塔」に行くよ!!準備早く!!

「いやじゃあ!!私は・・・「アレ」には関わりとうない!!」

駆除はアタシがするから!!「駆除薬」を持って!!

・・・。

そう、「アレ」。

「アレ」とは、そういう「悪性の妖精」がいるらしいとのこと。

・・・。

アタシ、大全太楽堂サワ野支店の太楽の鉄帝のアーサは、嫌がるフーカ姉さんを引きずって「白の塔」に向かいました。