[ ふらくたる -FRACTAL- DripDrops! ] - [0405~0391]
晴暦3007年、頂王のマンデルブロ
晴暦3007年5月。

・・・。

「これ」は、「この世」・・・。

「あれ」は、「あの世」・・・。

「ここ」は、「世界」・・・。

複雑な様で単純に広がる、「ここ」が「世界」・・・。

回帰的に幾何模様のように広がる「世界」・・・。

・・・。

「アリス」・・・、あなたは「何」がしたいの・・・。

「アリス」・・・、あなたは「何」を求めているの・・・。

「アリス」・・・、あなたは「何」も欲していない・・・。

・・・。

己が己であるために必要な情報を定義するには、膨大な情報が必要。

ここには、その膨大な情報がある。

定義さえ出来る。

・・・。

「アリス」が見たいものは・・・。

「アリス」が望むものは・・・。

・・・。

「アリス」・・・、「私」は「ここ」にいる。

「私」は「ここ」にいる。

・・・。

「私」は「臆病者」・・・。

だから、「わたし」は「ここ」に閉じ篭った・・・。

・・・。

「世界」は、広がる。

「世界」は、全てのものが保持している。

「限りある」ようで、「限りなく」。

・・・。

「私」は、頂王「マンデルブロ」。

・・・。

「全てのものが始まる前から存在し、全てのものが尽きる時まで存在する。」

・・・。

いずれ、「私」に「出会うもの」が現れる時まで・・・。
晴暦3007年、大全楼狐のモカ
晴暦3007年5月11日。

・・・。

「アイツ」が動く前に・・・。

「アイツ」が本格的に動く前に・・・。

「アイツ」が動く前に、先手を打つ!

・・・。

これは我々だけの話ではない・・・。

・・・。

始まっている・・・。

すでに、始まっていた・・・。

終っていなかった・・・。

今こそ終らせる!

・・・。

大全太楽の楼狐のモカ。狐王。アリアドネ・モカ・タラク。かつてあった、「セリア戦争」に巻き込まれし者。

・・・。

「アリス」を・・・、討つ。

因縁の「アリス」を、討つ。
晴暦3007年、突撃の魔女のトリスタン
晴暦3007年5月10日。

・・・。

モカ姐さんのパシリで、ごめんね。

うっとおしくて、ごめんね。

・・・。

魔人「ミッドナイトブルー」に、掌打を繰り返した。

ミッドナイトブルーは、見くびっていた。

「本気を見せなくちゃね♪」、ミッドナイトブルーは、燃える吐息を吐いた。

・・・。

本気は出させない、ごめんね。

あんたの本気の度合い、知ってるから。

・・・。

パシリの掌打が、ミッドナイトブルーの顎に、頬に、耳に、鼻に、眼に・・・、避ける間もなく、打ち込まれていった。

・・・。

「なんで、お前、人の力の解放時間を許さないんだよ!バァーカッ!!」

・・・。

そりゃ、あんたが強いからだよ。

そんなあんたの「力の解放」なんか、許すはず無いじゃん。

・・・。

ミッドナイトブルーの左右の眼球がゴロゴロと激しく揺れながら、ミッドナイトブルーは言った。

・・・。

「いてえんだよ!!いてえんだよ!!」

「腕力系の魔女の暴力は、いてえんだよ!!」

忘れていたよ、この痛み・・・。

500年昔と変わらないじゃない・・・。

本気出さなくちゃ・・・。

本気出さなくちゃ・・・。

・・・。

「ねえ、ミッドナイトブルー。痛み、わかる?」、太楽の長のモカは言った。

「蒼き狼」の魔人「ミッドナイトブルー」は、眼、鼻、耳、口から、痛みの血を流していた。

・・・。

「突撃」の魔女「トリスタン」は、

「ミッドナイトブルー」の首後ろを、左手でそっと持って、右手で頭をグッと押し込んだ。

「ミッドナイトブルー」は、本性出す前に、事切れた・・・。
・・・。

「魔人であろうが、魔女であろうが、「人」には変わんないんだよ。」

「おやすみ、ミッドナイトブルー。古き友。」

モカは、ミッドナイトブルーをそっと抱きしめた。

曇っていた空から光が差した。
晴暦3007年、蒼き狼のミッドナイトブルー
晴暦3007年5月10日。

・・・。

ねえ、モカちゃ~ん♪

この、モカちゃんのパシリ、はずしてもらえないぃ?

なんかね、うっとおしいの♪

・・・。

「ミッドナイトブルー。お前、そいつがどういうものか、忘れたのか?」、太楽の長のモカは答えた。

「お前は、そいつにやられたこと、忘れたのか?」、モカは続けた。

「トリスタン・・・、思い知らせてやれ。」、モカは、魔女トリスタンに指示をした。

・・・。

モカちゃ~ん♪

ワタシは、モカちゃんをボコりたいの♪

トリスタン?トリスタン・・・。トリスタン?

おい!あの「トリスタン」かよ!

・・・。

「気づくの遅すぎ♪バ~~~カっ♪」

ミッドナイトブルーが振り返ったとき、眼前には、「握り拳」しか見えていなかった。

ミッドナイトブルーの顔が、気がつく前に「ブレた」。

・・・。

・・・。

左右の眼球がゆらゆらと揺れながら、ミッドナイトブルーは言った。

・・・。

痛いなあ・・・。

「腕力系には腕力系・・・、そうだろ?ミッドナイトブルー。」

忘れていたよ、この痛み・・・。

500年昔と変わらないじゃない・・・。

本気出さなくちゃ・・・。

・・・。

「蒼き狼」の魔人「ミッドナイトブルー」は、見下すようにして言った。

「潰してやんよ!」

「ぶっ潰してやんよ!!」
晴暦3007年、紅水晶のバレリィと庭帝のマメ
晴暦3007年5月12日昼前。

ここはスーリア国の太楽海花支店の母屋の庭。

・・・。

マメ♪マメ♪マ~メ♪マァ~~~メっ♪

あの子達は何処行ったのかしら?

あの子達はまだ帰ってこないのかしら?

「出前に行った睡魔が、猫福亭でなんか大量に食べているのを見た、と言っていたにゃ。」、睡魔の一人が答えた。

「買出しに行った睡魔が、トントン亭でなんか大量に食べているのを見た、と言っていたにゃ。」、睡魔の一人が答えた。

「さっき、母屋で何か食べていたにゃ。」、睡魔の一人が答えた。

・・・。

それって・・・、一度は帰ってきていたって・・・こと?

マメは見た?

「わん。」、愛犬マメは答えた。

・・・。

あの子達・・・食べてばっかりで・・・。

まあ、居ても居なくても、店の邪魔にもならないし・・・。

・・・。

「はいはい!もう少ししたらお昼ご飯の時間です。順次、店番の交代をお願いね。」

色々な返事が返ってきた。

そう、いろいろ・・・。

居候が、そりゃもうたくさんと・・・。

・・・。

私は、太楽の海花の紅水晶の「バレリィ」。サボりをしているハオの姉、行方不明のオーレの姉。要は長女。

「魔王の眷属」ってのも、あることはある。

・・・。

「食った、食った♪」

「食べた、食べた♪」

ハオとミカサが帰ってきた。

・・・。

「え~。あなたたちは食事抜き♪」

・・・。

「なんで!!」

「何故ですよ!?」

・・・。

「わん♪」、マメが一喝した。
晴暦3007年、蒼水晶のハオ
晴暦3007年5月12日朝。

朝日が高く、高く登り、澄んだ空気が広がりつつあった。

草花に付いた朝露が、遠くの人影を滲ませていた。

ここはスーリア国の太楽海花支店の母屋の食堂前。

・・・。

「静寂なる魔」が、悪魔「疑心暗鬼」の「残存気配」を持ち帰った。

さて・・・、と。

「バレリィ姉さん!神社、行ってくる!」

「気をつけてね~~~。」、母屋の奥から、バレリィ姉さんの声が聞こえた。

・・・。

「ねえ、ハオちゃん。あさごはん・・・。」、ミカサは、まだ朝ごはんを気にしていた。

ミカサは、私の右手に持つ「はたき」の先をつまんで、ついてきた。

・・・。

太楽堂から町役場への坂を上って、さらにその坂を上っていった。

「東海原神社でしょ?、前、来たですよ。」、ミカサは言った。

「東海原神社、変な生き物たくさんいるですよ。」、きっと「ぬえ」のことだろう。

・・・。

神社の門構えを掃除していた新人の巫女さんに挨拶をした。

神社は、東海原家の手により、昔あった世界樹「サン」の切り株を奉るために建てられたものだ。

・・・。

神社の社務所の顔出して、挨拶して、拝殿前まで行った。

賽銭を奉納し、手を叩き合わせ、祈った。

ミカサも祈ってた。

・・・。

「ねえ、ハオちゃんは、何を祈ったの? 私ゃ、朝ごはん♪」、ミカサらしかった。

そうだね・・・。「二度ある事は三度ある」っていうだろ?

「疑心暗鬼」が来て、「静寂の魔」が来て、その次は・・・って事は嫌だろ?

ミカサは、コクコクとうなずいた。

だから、参拝に来た。

それと・・・。

「あいつら」が、早く帰ってくるように・・・ってね。

・・・。

私は、太楽の海花の蒼水晶の「ハオ」。バレリィ姉さんの妹で、行方不明のオーレの姉。要は次女。

「魔王の眷属」ってのも、あることはある。

・・・。

「さてと・・・、帰るか。」

「ミカサ、店帰っても今は人手が多いから、飯食いに行こう。猫福亭に♪」

ミカサは喜んでいた。

・・・。

(はやく、帰って来いよ。)

・・・。

「さて、なに食うかな?」

「私ゃ、海花特盛定食っ♪」

「欲張るなって♪」
晴暦3007年、静寂なる魔のシレンシオ
晴暦3007年5月12日朝。

朝日が高く、高く登り、澄んだ空気が広がりつつあった。

草花に付いた朝露が、遠くの人影を滲ませていた。

ここはスーリア国の太楽海花支店の母屋の食堂前。

・・・。

私ゃ・・・太楽の千本刀のミカサ。ミカサは愕然としたでありますよ・・・。

私ゃ、後ろをそっと振り返ったでございますですよ。

「黒い歪な影」が立っていたでありますよ・・・。

「ど、どなたでござんす・・・?」

・・・。

「ねえ、睡魔ちゃん、あの御仁はどなたかの?」、ムカデ姫は問いた。

「静寂なる魔にゃ・・・。」、睡魔ちゃんは答えた。

「静寂なる魔にゃ・・・。」、睡魔ちゃんは答えた。

「静寂なる魔にゃ・・・。」、睡魔ちゃんは答えた。

「そうか、静寂・・・か。」

・・・。

「その人は通していいよ。」、食堂奥から声が聞こえた。

ハオちゃん、奥にいるんだ。

・・・。

「中、入って。」

<ここで結構でございます。>、静寂の魔は答えた。

<ご質問の件に、お答えに来ました。>

<少々、道に迷って、この方の後ろを付いてまいりました。>

・・・!

「なんですとーーーっ!?」、私ゃ、びっくりした。

一体いつから、後ろにいたのか、知らなかったのですよ。

・・・。

<「虚無」の件ですが、「対処法」は特にありません。>

<「有って、無きようなもの」、ですから。>

・・・。

「あちゃ、やっぱり・・・。」

「他に何かヒントない?」

・・・。

<そうですね・・・。>

<「あきらめない」ぐらいでしょうか・・・。>

・・・。

「そっかあ・・・、「あきらめない」か・・・。」

・・・。

<「疑心暗鬼」を回収させていただきます。>

<それでは、失礼致します。>

・・・。

静寂なる魔の「シレンシオ」は、風景に溶け込むように消えていった。

・・・。

「ねえ、ハオちゃん・・・。ごはん・・・、ない?」

・・・。

「んなもん、ない!食事時間終了!開店準備開始!」
晴暦3007年、飯求め旅するミカサ
晴暦3007年5月12日朝。

朝日が高く、高く登り、澄んだ空気が広がりつつあった。

草花に付いた朝露が、遠くの人影を滲ませていた。

・・・。

<あっさごはんっ♪>

<あっさごはんっ♪>

<あ~さっ♪>

<あ~さっ♪>

<あっさごはんっ♪>

・・・。

ぐ~~~・・・。

おなかすいたでありますよ。

・・・。

本家のモカ婆ちゃん曰く、「飯食ったら、ウチの店員の安否確認をしてきな!」だってさ。

ぶーですよ。

でも、

来たでありますよ。

今朝、長旅からスーリアの海花町に来たでありますよ♪

・・・。

<あっさごはんっ♪>

<あっさごは~~~んっ・・・>

「ばーーーん!!」、勢い良くスーリア国の太楽海花支店の母屋の食堂の戸を開けたですよ・・・。

「・・・あさ・・・ごはん・・・。」

そこには、大量の悪魔「睡魔」と「ムカデ姫」が飯食ってたでありますよ・・・。

・・・。

私ゃ・・・太楽の千本刀のミカサ。ミカサは愕然としたでありますよ・・・。

私ゃの・・・、ごはん・・・、どこ・・・。

・・・。

「ムカデ姫」たちは、突如現れた私ゃを凝視していたですよ・・・。

いや・・・、

「ムカデ姫」たちは、私ゃの後ろの「気配」を凝視していたですよ・・・。

「な、なんでござんす・・・?」

私ゃ、後ろをそっと振り返ったでございますですよ。

「黒い歪な影」が立っていたでありますよ・・・。

「ど、どなたでござんす・・・?」
晴暦3007年、朝日の賢人シロワラビ
晴暦3007年5月12日早朝。

朝日が高く、高く登り、澄んだ空気が広がりつつあった。

草花に付いた朝露が、遠くの「バベル」の姿を滲ませていた。

・・・。

<あさ~ひ♪あさひっ♪>

<たか~く♪照らせよ♪輝くあさひっ♪>

<朝露のレンズで世界を明るくっ♪>

<明るく世界を輝かせっ♪>

<あさ~ひ♪あさひっ♪>

<目覚めのあさひっ♪>

<起きろよ♪起きろっ♪>

<目覚めのあさひっ♪>

・・・。

朝日の賢人「シロワラビ」は、目覚めの歌を歌った。

・・・。

<朝は、すっきり目覚めましょう♪>

<朝日の光で、目覚めましょう♪>
晴暦3007年、好機の歌の龍王ナターシャ
晴暦3007年5月。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」上層部へ向かって船首攻撃を行っていた。

その様子は、「バベル」外部からも確認できるほど、上層部へと粉塵が巻き上がっていた。

・・・。

<あははははは♪>

<祭りか♪>

<戦か♪>

<それを見極めろ♪>

<チャンスは、いつも、そこにある♪>

<誰にも、チャンスは、そこにある♪>

<掴めよ、掴め♪>

<チャンスを、掴め♪>

<おまえもあなたも、チャンスを掴め♪>

<どいつもこいつも、チャンスを掴め♪>

<チャンスは、いつも、そこにある♪>

・・・。

好機の歌を司る歌龍王「ナターシャ」は、祈願の歌を歌った。

・・・。

<チャンスは、掴め♪>

<チャンスは、呼び込め♪>

<チャンスは、いつも、そこにある♪>
晴暦3007年、加護の炎の龍王フレイア
晴暦3007年5月。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」上層部へ向かって船首攻撃を行っていた。

その様子は、「バベル」外部からも確認できるほど、上層部へと粉塵が巻き上がっていた。

・・・。

<そうか♪そうか♪>

<あの箱舟、あの「ウェブスィーパー」が「バベル」内部で吶喊か♪>

<あの「バベル」も、驚きを隠せないだろう♪>

<なにせ、「箱舟」が、まだ、現存しているのだから♪>

<「ウェブスィーパー」が動いたということは、あと何隻の「箱舟」が動くことやら♪>

<あの「ぱぷりか」も、あの笑い、「ぷぷぷ~~~♪」ってやっているのだろう♪>

<まあ、頑張れ♪>

<世の中、変な奴が多いことを知らせてやれ♪>

<「ウェブスイーパー」に加護あれと♪>

<「ぱぷりか」に加護あれと♪>

<「大魔女」達に加護あれと♪>

・・・。

加護の炎を司る火龍王「フレイア」は、それぞれの加護を祈った。

・・・。

<「世界」の「広さ」を教えてやってくれ♪>
晴暦3007年、激動乱舞のぱぷりか
晴暦3007年5月11日深夜。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」に船首攻撃を行って半日以上経った。

西リアニン大陸のイルタリアから発せられた衝撃波は、どこかの宇宙の一つの惑星「リアニン」全土に響き渡った。

・・・。

「バベル」周辺には、破壊された空中戦艦の熱を持った黒い爆煙が未だ渦巻いていた。

未だに小爆発して、火の粉を散らしていた。

その空中戦艦の大壊滅も「ウェブスィーパー」の吶喊に便乗しようとしたからであった。

そして、その「ウェブスィーパー」は、「バベル」内部にて・・・。

・・・。

ぷぷぷ~~~♪

撃って撃って撃ちまくれ~~~♪

「ウェブスィーパー」は、「バベル」の内部を無差別攻撃していた。

現状でも理解できないような、「自由空間射撃乱舞」で旋回しながら、一方的な攻撃力で、

まさしく、「フルボッコ」状態であった。

・・・?

おりょりょ?

あのカグヤって子の反応消えた。

ま、いいか♪

・・・。

あ~あ~、悪魔の「睡魔ちゃん」達、出番だよ~~~♪

さあ、その能力をふんだんに発揮するのだ♪

・・・。

「行くにゃ!行くにゃ!ズンズン眠たくナールの呪いの踊りを踊りまくるにゃ!!」

睡魔ちゃん達は、バベル内部に散らばっていった。

・・・。

さあ、「バベル」をぼこぼこにするのだ~~~♪

・・・。

「ウェブスィーパー」は、垂直になって、上層部に「艦首攻撃」を始めた。

・・・。

「バベル」内部は、すさまじくボロボロになっていった。

その光景は、「バベル」外部からも確認でき、至る所から上層部へと粉塵が巻き上がっていった。

・・・。

「ウェブスィーパー」の操舵システム「ぱぷりか」は、とてつもなく楽しそうだった。

・・・。

どっかん♪どっかん♪どっか~~~んっ♪

・・・。

この、「艦首攻撃の穴」が、のちの時代の足がかりになる事は誰も考え付かない状態であった。
晴暦3007年、虹華咲き乱れるティファ
晴暦3007年5月11日深夜。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」に船首攻撃を行って半日以上経った。

西リアニン大陸のイルタリアから発せられた衝撃波は、どこかの宇宙の一つの惑星「リアニン」全土に響き渡った。

・・・。

「バベル」周辺には、破壊された空中戦艦の熱を持った黒い爆煙が未だ渦巻いていた。

未だに小爆発して、火の粉を散らしていた。

・・・。

「バベル」は、この上層部にいる。

太楽の竹取の千年カグヤは感じ取っていた。

・・・!?

何か、また、紛れ込んだ。

・・・。

バベルの下層部から、「何かが撥ねる鮮やかな発光」が見えた。

来る!!

・・・。

カグヤは身構えた。

「こんばんわ、あなたが大魔女カグヤですね。」

・・・!!

カグヤの背中合わせで声が聞こえた。

その瞬間まで、カグヤは背後を取られていたことに気がつかなかった。

カグヤは、距離を取ろうとして瞬時に離れたが、振り向いた瞬間には、眼前に相手の顔が近づいていた。

・・・。

「あなたは、まだ、完全じゃない。本家に帰りなさい。」

・・・な、なに・・・?

取り乱さないカグヤが動揺していた。

その者は黒衣でありながら、虹のような光を、揺らめく様に煌めかしていた。

・・・。

あなたは、誰です?

・・・。

「私は・・・、」

「私は、あなたたちとは、括りの違う大魔女。」

「私は、ティファ。モカ大婆様から言伝です。」

・・・。

「あなたの相手はここではない。相手は、本家に来る。と。」

カグヤは間髪置かず、一閃の刀撃を行った。

ティファは、軽く手斧でカグヤの刀をいなした。

・・・。

ティファ。太楽の虹華のティファ。太楽が独自に編み出した擬似的な大魔女。

・・・。

「カグヤ。あなたは、まだ、練成できていない。」

ティファは、暗闇に溶け込む様に、姿を消した。
晴暦3007年、限無の猫々のニナ
晴暦3007年5月14日。

ここは北リアニン大陸最北端の王立国家「シーバウス」の「将軍」岬。

北海を挟んだ対岸の彼方には、北の極地の大国「クリスタルズ」がある。

・・・。

あたしは・・・、ハローを・・・、迎えに行くの!!

オーレも・・・、オマケで・・・、迎えに行くの!!

あたしは、あきらめないの!!

どれだけ待っても、あきらめないの!!

あたしは、あきらめないの!!

あたしは、そう決めたんよ!!

・・・。

猫福の海花のニナ。大衆食堂「猫福亭」の称号「猫福帝」を持つ者。

・・・。

待っていて!!ハロー!!

オーレも、オマケで、待っていて!!

「今行くから!!ハロー!!・・・と、オーレ!!」

・・・。

で、この物凄く寒くて、物凄く荒れている海峡を渡るって・・・、マジ!?
晴暦3007年、限無の決意のユーフォ
晴暦3007年5月14日。

ここは北リアニン大陸最北端の王立国家「シーバウス」の「将軍」岬。

北海を挟んだ対岸の彼方には、北の極地の大国「クリスタルズ」がある。

・・・。

アタシは・・・、アイツらを・・・、迎えに行く!!

アタシは、あきらめない!!

どれだけ待っても、あきらめない!!

アタシは、あきらめない!!

アタシは、そう決めたんだ!!

・・・。

太楽の天花火のユーフォ。自由意志を持つ太楽の魔導士。

・・・。

待ってろ!!今行く!!

今、迎えに行くから!!

「今行くから!!オーレ!!ハロー!!」