[ ふらくたる -FRACTAL- DripDrops! ] - [0330~0316]
黄昏のユラメギ
<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ、ルーーー>>

・・・。

「はへ?」

ぱぷりかは、箱舟船内にてその歌を聞いた。

・・・。

「うあ・・・なんか来る・・・。」

ズドンッ!!

間髪置かず箱舟が揺れた。

ブリッジの眼前にそれが現れた。

「ありゃりゃ・・・黄昏てるなぁ・・・。」

・・・。

黄昏の姫君、ユラメギだった。

・・・。

「さてさて、どうしましょう。どうしましょう。」

戦力と呼べるものはないと思っていた・・・。

「行きます。」



「お?戦力、はっけ~~~ん♪」

箱舟内に「戦力」が残っていた。

「戦力」が甲板に上がった。

・・・。

「戦力」、太楽の竹取の千年カグヤ。

・・・。

「この「戦力」なら・・・勝てる♪」

ぱぷりかは、根拠は無いが確信を持っていた。
強襲のブラックペッパー
<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ、ルーーー>>

・・・。

「来るか。」

カレイドは、その瞬間を身構えた。

・・・!

カレイドの頭上に向け、何かが振り下ろされた。

避ける事は容易かった。

何かが振り下ろされた先は陥没し、カレイドは何かごと一つ下の階層に落とされた。

・・・バキバキ・・・ズザザッ!!

下の階層も緑が生い茂っていた。

・・・。

植物以外生き物の気配は無い。

・・・!

「やあ、タングラム・パーツ♪」

ああ、タングラム・パーツ。

「待っていたよ、タングラム・パーツ♪」

よくもまあ、こんなところで待っていられるものだな、タングラム・パーツ。

・・・。

タングラム・・・。

タングラム・・・。

古のパズルの、タングラム・・・。

決められた組み合わせの無い、タングラム・・・。

見事に納まる、タングラム・・・。

・・・。

「さあ、少し足りないが、組み上げようか、タングラム・パーツ♪」

魔女「ブラックペッパー」は、「タングラム」という「世界のパズル」を組み上げるように委ねた。
カレイド、偽りの塔へ
晴暦3007年5月10日正午、天候曇り。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」に船首攻撃を行った。

西リアニン大陸のイルタリアから発せられた衝撃波は、どこかの宇宙の一つの惑星「リアニン」全土に響き渡った。

・・・。

ウェブスィーパーはバベル内に突入していた。

その数分も経たない内に、

「先行する。」

カレイドがウェブスィーパーの船首上を進んでいた。

「あ~ぶな~いかもぉ~~~♪」

また、ぱぷりかの気の抜けた声が響いた。

船首には、先ほどの「妨害」が「気」の抜けた殻のように転がっていた。

バベル内は、外の淀んだ空気と違い、光、緑が溢れ、澄んでいた。

「こういう空気の違いほど危険なものは無いな。」

・・・。

「こんなもので樹海雲を目指したのか?」

・・・。

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ、ルーーー>>

・・・。

「来るか。」

カレイドは、その瞬間を身構えた。
溢れかえる悪魔、ディスターブ。そして・・・
船首上では「睡魔」と「不眠」が、「ぺちぺちっ!」っと、しばきあっていた。

ここは、箱舟「ウェブスィーパー」。

・・・。

「ぷはははははは♪壮絶だよ♪あの戦いは壮絶だよ♪・・・は、腹がよじれる・・・」

当の本人たちに失礼なほど、船主の「ぱぷりか」は笑いまくっていた。

・・・。

「なんか、すごく・・・気の毒に見えてきた・・・。」

「元」世界王の「カレイド」がそっとつぶやいた。

「あらあらあららぁ~~~?あなたがそんなことを口に出すなんてどういう風の吹き回しぃ~~~?」

「前を良く見ろよ!」

「ん、ん、ん~~~?・・・なに・・・あれ?」

船首に「ひょこひょこっ」っと、何かが多数溢れかえってきた。

・・・。

「妨害の悪魔、ディスターブ・・・。」

「ほ~~~♪じゃあっ♪」

ぱぷりかは、箱舟の航行速度を上げた。というか、音速突破している感じだった。

「くっ!!どうするつもりだっ!!」

重加速度で立ってられない。

「睡魔」と「不眠」は、言葉にならない叫び声とともに、箱舟の甲板内に流れ込んでいった。

「妨害」はぞろぞろと迫ってきていた。

・・・。

「さて・・・と。いきますかぁ!!」

「無茶するなーーーっ!!」

「前方、障害、なーーーーしっ!!」

「箱舟、ウェブスィーパー、因縁の「バベル」のコアに向け・・・とっかーーーーーーんっ!!」

・・・。

晴暦3007年5月10日正午、天候曇り。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」に船首攻撃を行った。

西リアニン大陸のイルタリアから発せられた衝撃波は、どこかの宇宙の一つの惑星「リアニン」全土に響き渡った。
あなたの隣のソリテュード
絡まったら、

解きほぐしましょう。

わだかまったら、

解きほぐしましょう。

あなたは、

思っているほど、

「孤独」じゃないの。

・・・。

「バベル」、

あなたは、

この世界でも、

「彼方」を目指すの?

・・・。

そして「バベルの内にある者」よ。

「何も無いのに何を目指す」の?

・・・。

私はあなたとは、

似て非なる者。

・・・。

孤独の悪魔、「ソリテュード」は言った。

・・・。

でも、

あなたはここにいる。

そして、

私はここにいる。
絶対の英傑のルー
リーフがあの巨大な「壁」に相対するのか。

ならば!

この私、「絶対」のルーが、

もう一つの「壁」を相手しようぞ!

私の力は「絶対」だ!

・・・。

「完璧」ともいえる「壁」は手強いのは見えている・・・。

だが!

私は立ち向かわなければならない!

かつての盟友「リーフ」と共に!

・・・。

「先の混乱の地「樹海雲ふらくたる」から戻った登頂者のルー!」

「この地に道を開いて見せようぞ!」

・・・。

「樹海雲ふらくたる」から戻り、英傑と称えられたルー。

眼前には心理的「壁」なる悪魔。

私には「削岩刀」がある。

・・・。

「私は「絶対領域」により「壁」を打ち砕く!」
強気の英傑のリーフ
「この場から退かれよ!」

「・・・。」

「このイルタリアの地から退かれよ!」

「・・・。」

「言葉を発せぬのか!」

「・・・。」

「聴く耳すら持たぬのか!」

「・・・。」

「私はイルタリアのラランツの子、リーフ!」

「・・・。」

「先の混乱の地「樹海雲ふらくたる」から戻った登頂者のリーフ!」

「・・・ふらくたる・・・。」

「退かぬのならば・・・、」

「・・・。」

「退かぬのならば、退かせて見せようぞ!!」

・・・。

「樹海雲ふらくたる」から戻り、英傑と称えられたリーフ。

眼前には「壁」なる山より巨大な悪魔。

しかし、リーフの手にはワルキューレの力を授かった一振りの剣。

・・・。

リーフは、巨大な「壁」に、立ち向かった!
無限の月のインフィニティ
魔法少女「インフィニティ」は龍皇「ハードコア」と交戦中だった。

「インフィニティーーー!!」

インフィニティは突如、声を上げた!!

!!

崩れる町並み。

溢れる光。

光は雨のように天から降り注いだ。

「・・・何をした・・・。」

ハードコアは、「感」を鋭くした。

「・・・ここには居てはいけない・・・か・・・。」

・・・ハードコアはつむじ風の如く、姿を消した。

降り注ぐ光は止まらない。

・・・。

その光はインフィニティの周辺数キロを焼き尽くした。

・・・。

「・・・光・・・。」

「・・・月からの光・・・。」

・・・。

それは、遠くのオウカナの地でも鮮明に見えた。

・・・。

「・・・無限の月の魔法少女・・・なのか・・・。」
狂喜する兎のジェレイド
ここは、「イルタリア国」。

私は、大全太楽堂の八目。

私は、戦っている。

私は、「何」と戦っている?

この国は、今、危機的状況下にある事はわかっていた。

しかし、

私に襲い来る「敵意」は何だ?

知っている。

この「敵意」は知っている。

「敵意」を発する者は、「人食い兎」。

・・・。

なぜ!

なぜ、邪魔をする!!

・・・。

「お前・・・面白いよ♪」

「この状況下で狂わない♪」

「だから・・・」

「お前・・・倒す♪」

・・・。

「人食い兎」・・・。

「トロア国」の国家騎士、ジェレイド。

5年前の世界危機の経験により、国家騎士の見直しを図られたときに筆頭となった騎士だ。

だが、その行動は常に「不純」だった。

・・・。

やらなければ、やれらてしまう!!

こんなことをしている場合ではないのに!!
「I Can Fly!」と、バリエは叫んだ
私は飛び出した!

「I Can Fly!」と叫んだ!

というか、

「飛んで」逃げた!

そう、「飛んで」!

だって・・・。

周りの世界がぐるぐる回って、見たことのない風景になり、

知らない「巨大な塔」が空高くまで突き刺さっていた。

父さん、母さん、婆ちゃんの言葉がわからなくなってしまった。

そして・・・、「飛んで」逃げた。

・・・。

ここは「西リアニン大陸」の「イルタリア」の、にぎやか港街「ホーホー」。

私は大全太楽堂の分家の娘で、本店にはたまにしか行かなかった。

・・・。

本店は・・・、モカ婆ちゃんは・・・、なにしてんのよ!!

・・・。

私は千里眼クラスの視力があった。

中央国家「オウカナ」の方角から何か来る・・・。

「船」だ!!

「空飛ぶ船」だ!!

・・・。

「やるなっ!!」

「そっちこそっ!!」

何か船の上で不毛な戦いが見えた・・・。

・・・。

私は、太楽の飛帝のバリエ。

私は、魔女でも魔法使いでもないけど、何故か「空を飛べる」能力を持っていた。
猛烈!炸裂!睡魔ちゃん
ここは、箱舟「ウェブスィーパー」。

箱舟は進む、「バベル」を目指して。

・・・。

「あれ、なに?」

「あれは・・・、「不眠」ですにゃ・・・。」

・・・。

「不眠」の悪魔、「インソムニア」はフラフラしながら船首に立っていた。

「こ、ここは・・・」

「あちし達の出番だにゃ!!」

・・・!

「睡魔ちゃんズっ!?」

「不眠と睡眠、・・・相反する相手にゃ!」

「ちょりゃっ!!」、睡魔ちゃんズは勢い良く、箱舟の船首に飛び乗った!!

「久しぶりだにゃ!!」

「こちらこそ、久しぶりだにゃ!!」

・・・。

「手加減は出来ないにゃ!」

「それはこちらの言葉にゃ!」

壮絶な戦いが始まった・・・。

相互に「ぽかぽかっ!!」と叩き合っている・・・。

・・・。

「やるなっ!!」

「そっちこそっ!!」

・・・。

不毛な戦いに見えた・・・。
眠らない眠れない悪魔、インソムニア
ここは、箱舟「ウェブスィーパー」。

箱舟は進む、「バベル」を目指して。

・・・。

「・・・にゃにゃにゃにゃにゃ~~~ん♪」

なんだ、あれ~?・・・。船主の「ぱぷりか」は気の抜けた声で言った。

・・・!

「あ!あれは!恐ろしい悪魔っ!!」

睡魔ちゃんズが反応した!!

ということは、「悪魔」なんだろう・・・。

「睡魔にゃん!出て来いや~~~!!」

・・・。

「無視してくだしゃい・・・」、睡魔ちゃんズは1分審議で結論を出した。

「あれ、なに?」

「あれは・・・、「不眠」ですにゃ・・・。」

・・・。

「不眠」の悪魔、「インソムニア」はフラフラしながら船首に立っていた。
黒き大樹、バベル
「バベル」。

それは、どの世界にもあったという。

「バベル」。

それは、天を目指した「塔」だったという。

・・・。

だが、どうだ?

その「バベル」の姿は、まるで「黒き大樹」の様。

望むこと。

それは、「神の領域」に達すること。

だが、どの「バベル」も、達した事は無かったという。

・・・。

望む者たちの「願い」なのだろうか?

望む者たちの「呪い」なのだろうか?

・・・。

「バベル」は、ただ、ただ、天を目指した。
強引の悪魔、フォーシブル
ここには、「壁」がある。

ここには、強固な「壁」がある。

そして、・・・。

ここには、相乗なる者がいる。

ここには、強引な「壁」がある。

それは、「壁」とともに外圧に対して執拗なほどの圧迫感を与えていた。

しかし、それは「完璧」なものでない事を「それら」は知っていた。

「バベル」の「壁」。

「バベル」を護っているのではない。

「バベル」を抑制していると。

・・・。

「壁に立ち向かうものよ。」

「全身全霊全力をもって、立ち向かえ。」

・・・。

「壁」は、「壁」としての機能を果たそうとしていた。
ゆるゆる~っと、金魚姫のトト様
ここは、西の国のイルタリアの海「ミコト」。

ここは暖かな、穏やかな海。

ここはとても豊かな海。

その海から、ゆるゆる~っとリアニン赤道に向けて流れる一行がいました。

それは、傍から見るとほんわかとし、

それは、傍から見ると怪しげでした。

ぷかぷか~っと、浮き輪を身に着けた睡魔たちと一人の人魚が緩やかに随行していたのでした。

それはそれは、優雅にゆるゆると。

「見えてきたにゃ。」

「バベルにゃ。」

「バベルにゃ。」

「バベルにゃ。」

あれが、ばべるですか~。

・・・。

私はトト。金魚姫のトト。

あれは~、美しくないですね~♪