[ ふらくたる -FRACTAL- DripDrops! ] - [0300~0286]
箱舟ウェブスィーパー
あったし~の♪なまえぇ~わっ♪ぱぁ~~~ぷりっかさんっ♪
ぷははははは♪
あったし~の♪はっこぶぅ~ねっ♪うぇぶすぃ~~~ぱぁ~~~♪
ぷははははは♪
それ行け♪それ行け♪それ行けぇ~~~♪
・・・。
あれ?あれ?あれれ?
・・・。
ウェブスィーパーの積載重量が増えていく・・・?
なに?なになに??
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
・・・ひょい・・・、「おじゃまします」。
だれだよ!おまえたち!!
・・・「え~・・・なんといいますか・・・悪魔の睡魔ズです」。
・・・。
「くくくくく♪ あの船主もびっくりだろう♪ そして、あいつらは役に立ぁーーつっ!!」、モカはケタケタと笑っていた。
混乱の塔のバベル
晴暦3007年5月10日。
<ハハハハハハ♪>
<箱舟♪箱舟♪ウェブスィーパー♪>
<箱舟♪箱舟♪因縁の船♪>
<呼ばれて出てきたのか?>
<自ら出てきたのか?>
<封印せしめし、あの領域から♪>
<それとも、>
<それとも、>
<世界主の「ふらくたる」が開放したのか?>
<さあ、来い♪>
<私はここだ♪>
<見えるだろう♪>
<見えるだろう♪>
<この私の姿が♪>
<混乱せしめし、この「塔」を♪>
<混乱せしめし、この「バベル」を♪>
大福龍飯店のヤサカ
晴暦3007年5月10日。
ほお・・・。
大全太楽堂「だけ」が注目の的ですか・・・。
それは・・・。
それは、なんとも歯がゆい想いですわ。
・・・くくく。
くははははは♪
よろしい!
ならば!
我々の力を見せ付けようぞ!!
「大福龍飯店!ここにあり!」と!
・・・。
世界屈指のコングロマリットカンパニーの一つの「大福龍飯店」が今、立ち上がった。
女傑、福龍ヤサカの声の元に!
混乱の序曲が、
混戦の序曲が、
今始まろうとしていた。
浮動自由拡張魔導機関「レンレンルー」
ふふふふふ・・・。
私は俗世間から言われる「呪われた遺跡」!
ふふふふふ・・・。
私は俗世間から言われる「彷徨える遺跡」!
ふふふふふ・・・彷徨ってます。
・・・。
あれは、・・・なんだっけ・・・?
・・・。
・・・。
・・・。
あれが思い出せない・・・箱舟の「ウェブスィーパー」だって事が思い出せない・・・。
あれも思い出せない・・・呪われた塔「バベル」だって事が思い出せない・・・。
・・・始まる!
・・・一心不乱の!
・・・一心不乱の大乱闘が!!
・・・これは・・・。
・・・これは逃げなくては!
・・・。
私は、浮動自由拡張魔導機関「レンレンルー」・・・らしい。
今も彷徨っている呪われた遺跡・・・らしい。
船の皇のウェブスィーパー
あったし~の♪なまえぇ~わっ♪ぱぁ~~~ぷりっかさんっ♪
ぷははははは♪
あったし~の♪はっこぶぅ~ねっ♪うぇぶすぃ~~~ぱぁ~~~♪
ぷははははは♪
それ行け♪前方の「包括の壁」に、とっか~~~んっ♪
・・・。
ずどどん!!
・・・。
おりょりょ?ここは~~~・・・、どこだ?
・・・。
「ぱぷりか」の操舵する箱舟「ウェブスィーパー」は現世に現れた。
現れた場所が悪かった。
・・・ざわざわ・・・。
・・・ざわざわ・・・。
・・・ざわざわ・・・。
・・・ざわざわ・・・。
どこかの国の街の上であった。
・・・それも・・・。
・・・大全太楽堂の直上であった。
「あの船、出て来てしもうた・・・」、モカは珍しく、あっけに取られていた。
P.S.アイラビュー
追伸:「あなたの事が好きでした。」
・・・。
そう伝えられればどれだけ心安らぐでしょう。
・・・。
重い・・・。
苦しい・・・。
・・・。
そのもやもやは、相手には伝わらず・・・。
・・・。
それは、誰かが隔てた「心の壁」の所為?
重い・・・。
苦しい・・・。
でも・・・。
でも・・・。
・・・。
追伸:「あなたの事が好きでした。」
八目さん、バベル戦域に突入す
晴暦3007年5月10日。
ここは「西リアニン大陸」の民主主義国「イルタリア」。
・・・。
ここまで来た。
5年前の騒動で、散り散りになった太楽の安否確認を行ってきた。
太楽防衛部のアルル師範の捜索は別動隊によって確保されたらしい。
「確保」というのも気になるが、今ここにいる「この場の異常さ」は、なんだ?
・・・。
・・・前方に巨大な建造物が見える。
それも天を貫かんとばかりの大きさだ。
この国「イルタリア」には、こんな建造物はなかったはず。
では、一体何か?
・・・。
それにしても、静かだ。
静か過ぎる。
生活の匂いはあるが、気配がない。
なんだ?
・・・。
嫌な感覚だ。
私は格闘杖を展開した。
私は八目。大全太楽堂本舗総務部兼防衛部所属。
私は「絶対防御壁」という能力を持っている。何事にも干渉されない特殊な能力であった。
・・・。
この直後に知った。
この静けさは、住民同士の仲違いの後であったことを。
その原因が、あの塔「バベル」によるものだと。
メリー・ゴー・ラウンド
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
・・・。
<回る世界・・・>
<捻れる世界・・・>
<それは、幾何学模様・・・>
<それは、ふらくたる・・・>
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
メリー・メリー・メリー
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
・・・。
<遠き天は、いずこ・・・>
<遠き地は、いずこ・・・>
<遠き人は、いずこ・・・>
・・・。
<・・・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・・・>
<・・・メリー・メリー・メリー・・・>
幻惑の悪魔のダズル
晴暦3007年5月10日。
所は、北東の共和国家「ナイヴァラ」。
今、ナイヴァラは壊滅の危機にあった。
・・・。
<・・・あえ。>
<・・・憎みあえ。>
<互いに、憎みあえ。傷つけあえ。>
・・・。
そこには、「悪魔」が現れていた。
しかし、誰もそのものに気がつかなかった。
いや、誰もが気がつけなかったのだった。
・・・。
<・・・目の前にいるのは、誰だ。>
<・・・目の前にいるのは、言葉のわからぬ者たちだ。>
<・・・目の前にいるのは、姿の異なる者たちだ。>
<・・・敵だ。>
<・・・敵だ。>
<・・・敵だ。>
・・・。
・・・家族だったもの。
・・・友人だったもの。
・・・知人だったもの。
・・・そこに住む者たちだったもの。
・・・皆が争っていた。
・・・皆、恐怖、狂気に我を見失っていた。
・・・。
<・・・この世界は我々のものだ。>
<・・・この世界は我々のものだ。>
<・・・この世界は我々のものだ。>
・・・。
幻惑の悪魔「ダズル」の意の元に、ナイヴァラは深き闇へと沈んでいった。
アーマルタ・スプリガン
晴暦3007年5月9日。
所は、大全太楽堂本舗再建現場。
所は、「こちらの世界」の「世界の中心」。
・・・。
<・・・見ている。>
<モカ、「アイツ」がこちらを見ている。>
大全太楽堂の小屋から出てきたモカの頭上で、魔獣アーマルタが南西の方角を見ていた。
「イルタリア国」の方角だった。
んん、・・・あれか・・・。
<ああ、「アイツ」だ。>
上級悪魔「バベル」。
!?
<ここが何か気がついたようだ。>
まったく・・・、「ゲートキーパー」が二体も揃ったら、特異点にもなるわなぁ・・・。
「ピ~ガッ!!、ええ、ああ、モカだ。」
「問題が発生していたところ、更なる問題が発生した。」
「ここ数日後に、忘れかけてた「悪魔」が大挙なしてやってくる事がわかった。」
「ええ、ああ、「太楽堂本舗」の再建に関してだが、建設設計の強化指示、近隣地区に非難勧告を出すように。」
・・・。
・・・まあ、ちょこっと先ほどの衝突で地盤が強固になった分、工期も早まる・・・かな。
「モカ総裁! 何が起きているかわかりません!! こちらはどう対処すればいいのかわかりません!!」
カフア、マスカダイン一同、親衛部隊も不安の顔を寄せていた。
「ふむぅ・・・それは、困った・・・。説明するのにも、数日掛かりそう・・・。」
モカが珍しく、困った顔をしていた。
「アーマルタ!猫饅頭、大量に集められるか?」
・・・!!
<猫饅頭ハンターなら近くに気配がある。>
「そかそか♪早急に連行してきておくれ♪」
<わかった。>
「モカ総裁!もしかして!もしかして!「猫饅頭踏み踏み」をするのですか!!呪われますよ!!」
「しゃーない、しゃーない。呪われるの、ワシだけで十分だし♪」
バベル
晴暦3007年5月9日。
前方に見えるのは「西リアニン大陸」。
・・・。
・・・こちら「シンクー21」。
・・・こちら「シンクー21」。
「イルタリア」の様子、変わりなし。
いや、
巨大な構造物確認。
大きい・・・。
空高く、天まで届きそうな大きさだ。
頂上が見えない。
・・・こちら「シンクー21」。
・・・こちら「シンクー21」。
通信が正常に行えない!
通信妨害にあっている!
・・・こちら「シンク・・・」・・・ガガガ!!
・・・。
<そうか・・・。>
<そこにあったのか・・・。>
<「世界の中心」が・・・。>
・・・。
その者はつぶやいた。
その者はつぶやいた。
沈黙の大陸の上で。
言葉を失った大陸の上で。
それは、
混乱の塔、「バベル」と呼ばれた。
虹華のティファ
晴暦3007年5月9日。
所は、大全太楽堂本舗再建現場。
所は、「こちらの世界」の「世界の中心」。
・・・。
・・・危険だ。
・・・ここは危険だ。
カフアの感じた嫌な予感はすぐに起こった。
嫌な予感をしたのはカフア以外もそうだった。
・・・もう・・・だめか・・・。
中心では睨みあっているのか、セブンとエイトがガン飛ばししているようにも見えた。
・・・本当に・・・もう・・・だめか・・・。
!?
空気が変わった。
大全太楽堂本舗の本体である小屋の障子が開いていたのであった。
黒衣の何者かが虹の弧を描き、セブンとエイトの間に割り込み、回転しながらその両方を弾き飛ばしたのであった!!
何者かを中心に土煙が円を描くように舞った。
風圧が痛かったが、気にはしていられなかった。
・・・。
「あれ?終った?」
小屋からモカ総裁が出てきた。
「ふむう・・・色々、ばれちゃった・・・。」
「大婆様。このゲートキーパー達、どういたします?」
ゲートキーパー・・・セブンとエイトは、本領を発揮する前に気絶させられていた。
そう、あの強固な二人が一瞬で・・・。
誰なんだ・・・あの少女は!?
黒衣の少女の周辺は帯電しているのか、稲妻がバチッ!バチッ!と爆ぜていた。
・・・。
黒衣の少女、「太楽の虹華のティファ」は放電しながら、セブンとエイトの襟元を掴んで、緩やかに姿を消していった。
ユグドラシル・セブン
晴暦3007年5月9日。
所は、大全太楽堂本舗再建現場。
所は、「こちらの世界」の「世界の中心」。
カフア、クララ、太楽親衛部隊は、龍王エイトと交戦していた。
いや、交戦とはいえないほど、一方的な戦闘であった。
エイトが・・・。
エイトが、あまりにも強固であった。
それでも、決定打が欲しかった。
敵が、エイトなのか?、それとも・・・。
疑心暗鬼の中の戦い・・・。
ここにまた新たなる者が現れたら、完全に壊滅であった。
先ほどまで宙に浮いていたエイトが、片足を地に付けた。
!!
大地が波立った!!
エイト以外の全ての者が慌てふためいた。
いや、一人立っている者がいた。
「誰だ!?」
「進行を止めよ、ユグドラシル・エイト。」
「あれ?復活?ユグドラシル・セブン♪」
ユグドラシル・エイト?
ユグドラシル・セブン?
「おっひさしぶりぃ~~~♪」
「何百年ぶりだ。」
え?
ユグドラシル・セブンの持つ巨大な得物は・・・、先ほど吹き飛ばされたペネトレータの物。
・・・どういうことだ?
「我々はユグドラシル。世界の門番。自ずから他者に干渉してはならない存在。それが歪み始めている。」
「我々は龍王。世界の守人。自ずから領域外に出てはならない。それが歪み始めている。」
・・・。
「じゃあ、セブンも歪んでいるんじゃないの~?」
「そう歪んでいる。歪んでいる物同士の会合は禁じられている。しかし、時代は変わった。」
「ふ~ん♪じゃあアタシも変わらせてもらうね~♪」
・・・。
・・・危険だ。
・・・ここは危険だ。
カフアの感じた嫌な予感はすぐに起こった。
最硬の龍王のエイト
晴暦3007年5月9日。
所は大全太楽堂本舗再建工事現場。
その場は、焼けた金属の匂いがしていた。
クララの剣戟「みじん斬り」によるものであった。
ペネトレータの全身の装甲?は剣戟の激突の熱により白熱化していた。
・・・ペネトレータの動くが止まった・・・のか?
・・・いや、わずかながら前進しようとしている。
「まだ動く。」
ペネトレータは最後の一撃とも取れるような動きで、巨大な得物を振り上げた。
・・・!!
クララはトドメを刺そうとしたそのときであった。
ペネトレータは吹き飛んだ!
「呼ばれてないけど、じゃじゃじゃじゃ~~~んっ♪」
・・・。
それは赤い装束を身に着けていた。
微妙に宙に浮いている。
「アタシ?」
「アタシはエイト♪」
「世界の中心の最硬の龍王♪」
「そして、」
「世界の中心のゲートキーパー♪」
「なんというのかな・・・?」
「類は敵を呼ぶ?」
・・・え?
「ここは・・・ここに繋がっていたんだ。」
・・・どういうことだ?
「ここは・・・こちらの「世界の中心」か♪」
・・・なんだって!?
・・・。
「じゃあ、ここも、・・・、アタシの領域じゃ~~~♪」
龍王エイトは、目で捉えられぬ動きで、太楽の親衛部隊を次々と弾き飛ばしていた!!
そうか!!
異形の者が多々現れる原因は!!
モカ総裁の隠していた事はこういうことかああああ!!
カフアは、大全太楽堂本舗の本体であるモカがいるはずの小さな小屋に目を向けた。