[ ふらくたる -FRACTAL- DripDrops! ] - [0270~0256]
黄昏の姫君
天に突き刺さる「真白なる世界樹」のある場所。

ここは、美しき巨大な船「ウェブスィーパー」の操舵席。

「ねえ・・・、カレイド~。」、ぱぷりかはつぶやいた。

「何よ!うるさいわねっ!!」、カレイドは、ぱぷりかの後ろの席で毛布を被ってゴロゴロしていた。

「ねえ・・・、あんた、ワルキューレだったよね~?」

「そんなこと忘れた。」

「思い出してよ~。」

「うるさいっ!」、カレイドは毛布から顔だけ出した。

・・・。

「ねえ・・・、カレイド~。あれ・・・、何に見える?」、キャノピーから見える船首に人のようなものが見える。

「・・・。眠ぃ~・・・。・・・。・・・!」、カレイドはガバッと毛布から出た。

「ねえ・・・、カレイド~。すっげーーー、嫌な感じなんだけど・・・。」、ぱぷりかは振り返って眉間にしわを寄せカレイドを見た。

「見ないでくれ!「あれ」が何かを答えさせないでくれ!」、カレイドはすごく嫌な顔をした。

「ねえ・・・、カレイド~。あれ、「黄昏の姫君」じゃねぇの?」

「言っちゃった・・・。」

・・・。

「ねえ・・・、カレイド~。追っ払って♪」、ぱぷりかが媚びた。

・・・。

「あれ、魔人だぞ!ワルキューレが何とかできると思っているのか!?」

「うん♪お・ね・が・いっ♪」

「くっ・・・!!」

・・・。

ぱぷりかの頼みにカレイドは嫌々、船首の「黄昏の姫君」の元に向かった。
死の商人のまーりぃ
「おもしろいわね♪」

魔法少女の背後でそれは言った。

「魔法少女、」

「聞きなれないわね♪」

「ねえ♪」

「あなたたち、」

「どこからきたの?」

魔法少女は後ろを振り返った。

・・・。

「ねえ♪」

「あなたたちは、」

「禍々しい気配がするけど、」

「研究させてくれない?」

「興味があるのよ♪」

「その能力、その存在が♪」

・・・。

「インフィニティーーータァーー!!」

・・・。

魔法少女の額に「その者」の人差し指が突き立てられた。

「あら?」

「特殊領域は、お・あ・ず・け♪」

・・・。

「その者」、軍事魔導技術企業「桜色マジック」の最高魔導技術責任者「桜色まーりぃ」は、魔法少女を見下すように言った。
失意の悪魔のディスペア
「やあ♪」

魔法少女の頭巾から「それ」は降りた。

「やあやあやあ♪」

「君は面白いね♪」

「インフィニティと互角以上に渡り合えている♪」

「ねえ♪」

「君には「望み」、ある?」

・・・。

・・・ふはははは♪

禍々しい感覚が2つあったのは、その娘と貴様だったか♪

・・・。

「ねえ♪」

「君には「望み」、ある?」

手のひらサイズだった「それ」は、獅子以上の大きさに姿を変えた。

・・・。

「ねえ♪」

「僕は、「虚無」とはまた違うものだよ♪」

「さあ、君の「望み」を・・・、」

「ご馳走させてよ♪」

・・・。

「それ」は、龍皇ハードコアに向かって、巨大すぎる口を開け、襲い掛かってきた。
不敵の魔法少女
「私は!」

「私は魔法少女!」

「正義実行!」

「自分最高!」

「立ちふさがる者は!」

「打ち砕く!」

・・・。

・・・ふはははは♪

面白いことを言う♪

・・・。

さあ、来い!

「魔法少女」っ!!

龍皇ハードコアは、間髪置かず襲い掛かった!!

・・・。

「インフィニティーーータァーーーイムッ!!」

「魔法少女」インフィニティは得物を軽く振り、龍皇の一閃を弾いた。

振った得物は、そのまま大地にめり込み、町並みは崩れ、巨大なクレーターを作り上げた。

立ち上る土煙の闇の中、「魔法少女」の眼がギラリと光った。

そこにはインフィニティとハードコアのニヤつく顔が向き合っていた。

それは、晴暦3007年5月9日のことであった。
ツルギの龍皇のハードコア
誰だ?お前は?

「魔法少女」?

そういうのが流行っているのか?

違うのか?

・・・。

ほう・・・。

我を「狩る」というのか?

・・・。

・・・ふはははは♪

面白いことを言う♪

・・・。

さあ、来い!

「魔法少女」っ!!

・・・。

腰に収めていた「それ」を、軽く振った。

「それ」は身の丈以上の大剣へと姿を変えた。

我は、ツルギの龍皇、ハードコア!!
天空の皇のヘブンズソード
そうか・・・。

そうきたか・・・。

ほう・・・。

で・・・。

ここはどこか知っているか?

そう・・・。

私の「天空」だ。

・・・。

天空を突き進む「導きの船」・・・。

蠢く「魔王」。

ざわめく「異界のもの」。

そして、「アリス」。

・・・。

さあ、時は近づいている。

「アリアリアの夏」が・・・。

・・・。

天空の皇の「ヘブンズソード」は、深い空の海の「月」を見つめていた。
永遠の黄昏を
あら?

あら?

あらら?

皆様、色々とご熱心で。

・・・。

そう。

あの二人の魔人も現世に戻ってきそうね。

・・・。

忌まわしき「導きの船」も稼動しましたね。

手招いている暇もないですね。

・・・。

「黄昏」による、

「黄昏」のための、

「黄昏」の世界を作りましょう。

・・・。

「黄昏の姫君」よ、舞い戻られよ。
オーレの九つの
ねえ、ナビ?

「はい。」

今頃聞くけど・・・、さっきの黒い狐耳さんみたいな人もいるの?

「稀にいます。」

稀・・・ね。

で。

「はい。」

後ろから聞こえる「ざわざわ・・・」した声も?

「それは、混線です。」

また、嫌なもの?

アタシは、九尾を出し臨戦態勢をとった。

「近くに、「私」がいるとハウリングを起こす。そんな感じです。」

近づいてくる・・・。

近い・・・。

・・・。

「だからさあ!二人組みをさっさと見つけたいの!」

「あなたのせっかち度は昔と変わりませんね。」

あれ?

どこかで聴いたことのある声・・・。

・・・。

「おーい!前方のナビ!二人組みを知らないか!?」

「名前はオーレとハローって言うんだ!!」

・・・。

「呼ばれてますよ。」、ナビがアタシとハローに言った。
プラチナ・ナイン・テールズ
ここはどこか。

この世界にあるかはわからない。

・・・。

ふ~~~ん♪

あっくま、ねえ~~~♪

まあいいや、そんなこと♪

で、どうなのかな?

「ドット・ウィッチ・プロジェクト」?

やるの?

やらないの?

そういえば・・・。

太楽にも九尾がいたわね♪

九尾かあ~~~♪

会って、捻り潰したいわ♪

・・・。

そうそう!

あの、「魔法少女」って、何とかならない?

あたしがやれって?

やれやれ・・・。

・・・。

さてと、動くとしますか♪

・・・。

九尾の魔女「プラチナ」がつぶやき、蠢き始めた。
夢を見ているか?
ここはどこか。

この世界にあるかはわからない。

・・・。

<夢を見ているか?>

<夢は見えずに、真っ暗な世界か?>

・・・。

・・・え?

・・・。

ウチ等・・・どうなんやろ?

睡魔だし・・・。

そういえば・・・。

寝て・・・。

寝ていない気が・・・。

・・・。
睡魔、遠くを見る
今は晴暦3007年5月9日。

ここは大全太楽堂本舗再建工事現場。

・・・。

どないしよ・・・。

どないしまひょ・・・。

どうしたらええんや・・・。

どうしよう・・・。

・・・。

同属?を追っ払っちゃったり・・・しちゃったし・・・。

・・・。

遠くの空がきれいやね・・・。

そやね・・・。

せやね・・・。

・・・。

太楽の婆ちゃん・・・面倒見てくれへんかな・・・。

・・・。

「いいんじゃね♪面白いし♪」

太楽モカは、睡魔たちの背後でそう言った。

・・・。

睡魔たちはポロポロと泣いていた・・・。
四つ尾の幻狐
この世のどこかにある無限回廊「永久組曲」。

暗い・・・。

暗くて何も見えません・・・。

唯一の明かりはナビゲーターの幽霊さんのランプだけ。

・・・。

あら?

お久しぶり♪

3分ぶりかしら?

それとも、3時間ぶりかしら?

3日ぶりかしら?

3ヶ月ぶりかしら?

3年ぶりかしら?

30年ぶりかしら?

まあいいわ♪

・・・。

あら?

面白いものを踏みつけているわね♪

「それ」、ちょうだい♪

「何かわからないものよ。「これ」。」

ね♪ちょうだい♪

・・・。

すでに「これ」は「それ」と扱われていた・・・。

うふふふふ♪そ~れっ♪

・・・。

四つ尾さんは、「それ」を鷲掴みにして、ひょいと「闇」に消えていった。

・・・。

<ギョワーーーーーーーーーッ!!>

聞こえたのは、「あれ」の悲痛な叫び声であった・・・。
幻想龍言のハロー
ねえ、ナビ。

「はい。」

「あれ」は、

「「虚ろなる心無し、闇すら敵わぬ無の井戸ありけり・・・」」

って言ってたけど、

ここに「井戸」ってある?

「この空間そのものが「無の井戸の底」と変わりません。」

じゃあ、ここに「あれ」の「急所」があるのかも?

「そうとも言えます。」

・・・。

じゃあ、この「足元」も?

「はい。」

オーレ!!

「何よ!!こいつ、ぶん殴っても殴っても、こう、すかすかした感じなんよ!!」

オーレ、「足元」!!「あーしーもーと」!!

「足元が何よ!」

「足元」に、「ちらちらしたノイズ」っぽいものが見えない?

「なによ、それ!?」

「龍の言」がそう言ってる!

「・・・!これかっ!!」

「踏みっ!!」、オーレは「ちらちらしたノイズ」を思いっきり踏みつけた!

・・・。

<グワワワワワワッ!!>

「あれ」は苦しんだ!!

・・・。

「龍話師」見習いの僕も、大したものかも?かも?
九尾の幻想妖狐
<キャハハハハハ♪>

<お前は一体何なんだ!?>

<何だ!何だ!何なんだ!?>

・・・。

オーレ。

九尾のオーレ。

涅槃の魔王の眷属。

・・・。

<お前は一体何なんだ!?>
幻想妖狐のオーレ
<キャハハハハハ♪>

<お前は一体何なんだ!?>

・・・。

オーレ。

涅槃の魔王の眷属のオーレ。

アンタが思っていた以上の者。

「おろかなる者」は、アンタの方よ!

・・・。

<おろかなる者♪>

<おろかなる者♪>

<おろかなる者♪>

<<おろかなる者!!>>

・・・。

<お前を喰らい尽くしてくれるわ♪>

・・・。

あははははは♪

なにそれ♪

新しい洒落♪

喰らい尽くしてどうすんの?

満たされるの?

満たされないものが何を言うか♪

あははははは♪