[ ふらくたる -FRACTAL- DripDrops! ] - [0210~0196]
コールドプレイ
・・・。

「モカ。さあ、かかってらっしゃ・・・」。

・・・。

「ズドンッ!!」

「グヘアッ!!」

アリスは左脇を突き飛ばされた!?

突き飛ばす!?

振り向くと、モカは唖然となった。

「人・・・なのか・・・?お前さんは・・・。」

「人の域ではこんな事は・・・。」

・・・。

「ふぅ・・・。」

その者は、ため息をついた。

・・・。

「ユナ姫のご命令・・・いや、お願いならば致し方が無い。」

「あの一撃で絶命しないところを見ると、完全に滅せ無ければならないな。」

シーバウスの戦歌姫のファラ・シー・ドは言った。

戦歌姫には、これほどの武闘力は無かった。

・・・。

「いたた・・・なんだ!おまえはっ!!」

・・・。

「ただの歌姫だ。」
ディー曰く、チートすぎるな
・・・。

「天ノ原アリス」。

チートすぎるな。

存在自体が邪道すぎて、

とても気が知れぬ。

「狐」のみで立ち向かえるのか?

あの邪道に立ち向かえるのか?

・・・。

ああ、ああ。

「歪んだ者」はおとなしくしておくもの。

逸脱した者には「制裁」を。

・・・。

どこから現れたかわからない、ウォーメイトの「ディー」は、そう言った。

・・・。

「ウォーメイトを再起動させたの?おもしろい事するのね♪さあ、かかっておいで♪」
狐王のモカ
・・・。

ねえ、アリス?

どんな邪魔がいい?

あんな邪魔かな?

こんな邪魔かな?

それとも・・・。

くくっく、くっくっく♪

・・・。

モカ。

昔からそうだった。

いつも上から目線で見やがる。

・・・。

あんただって、上から目線で見てるじゃん。

・・・。

アリアドネ!

アリアドネ・モカ・タラク!!

・・・。

モカは構えた。

それは、昔々にアリスをぶん殴ったときの構えだった。
アリスの白い羽
・・・。

「雨っ♪土っ♪雲っ♪」

「鳥っ♪舞うっ♪空っ♪」

「かがぁ~やく♪ひかぁ~りが♪照ぇらし出す、花の、道~♪」

それは、昔々の只の歌。

それは、昔々、楽しそうにある娘たちが歌っていた只の歌。

・・・。

来たよ。

来たよ。

・・・。

「あいつら」は役に立ったのかしら。

ねえ、「あいつら」は役に立った?

・・・。

「アリス・・・。」

・・・。

さて、

ここに隠されている「あれ」、返して♪

・・・。

「あれ・・・か。」

・・・。

そう、「あれ」♪

邪魔する?

邪魔する?

ねえ、モカ。

アタシの邪魔する?

・・・。

邪魔をするのかと聞いているんだっ!!

・・・。

「ははは♪焦っているか?焦っているな♪」

「邪魔をしよう♪」

「盛大に邪魔をしよう♪」

モカは笑った。

・・・。

それでこそ、モカだ♪

アリスは笑った。
虹を架けるティファ
・・・。

圧倒的だな・・・。

「圧倒的ですね・・・。」

・・・。

色を失った空を架ける「虹の橋」。

いや、「虹の橋」はランダムに描かれていた。

・・・。

アレが「大魔女」の威力・・・。

「そうです。天劇の王を圧倒する大魔女。」

・・・。

天劇の王は相手する者の威力によろめいていた。

天劇の王の大きさは計り知れないが、おおよそ150mくらい。

それが150cmくらいの少女に翻弄されている。

・・・。

天劇の王というと500年昔に世界を恐怖に陥れた者。

それが・・・。

・・・。

天劇の王・・・、弱くなっていないか?

「やはり、そうお思いますか?」

・・・。

確かにアレは本物だ。

弱くなっていたとしても、少女「太楽ティファ」の一人だけで何とかなるものなのか?

・・・。

「モカ、これは本命じゃない。」、スプリガンのアーマルタが言った。

何か、来る!
天劇の王
・・・。

急に空から「色」が消えた。

なんだ!?

太楽コナが太楽堂本舗を強襲用ヘリで飛び立って、すぐにそれが起こった。

あれは・・・。

<天劇の王だ。>

アリィー?

魔女のアリィーか?どこだ!?

<アタシじゃねえよ。>

ではなんだ、あれは!!

<本物の天劇の王。>

・・・。

「あの時」と同じ姿だ・・・。

・・・。

<なんとかなるんじゃねえの。>

簡単に言うな!!

アレがいかほどの威力を・・・なんだ?

衝撃波が来た。わずかに遅れて衝撃音が。

「「・・・ズドーーーーーンッ!!・・・」」

<な。>

なんだ?あの「虹色」の発光体は!?

・・・。

コナは知らなかった。

天劇の王と互角、いや、圧倒的な攻撃をしている少女の存在を。
呼ばれざる者、来たる
・・・。

「モカ。」

「モカ。」

アーマルタ?

小さな小屋の太楽堂本舗の玄関の引き戸を開いた。

「モカ。」

どうした?

・・・。

アーマルタは自分から物事を発しない。

そのアーマルタが何かを発すると言うことは・・・。

・・・。

「気配を感知した。」

・・・。

「方向、距離、種別、個体数、いずれも不明。」

未知なるもの・・・?

「総務部!緊急警報を発令!!」

<<ウウウウウウウウウーーー!!>>

<<緊急警報が発令されました。>>

<<各自緊急マニュアルに沿い身の安全を確保し、早急に退避してください!!>>

・・・。

「モカ姉様も退避を。」

ちょっと遅かった・・・かな♪

・・・。

頭上上空に、あの「天劇の王」の姿が・・・。
ティカの方程式
・・・。

「で、ティカ。そのティファ嬢はどのような能力もちなんだ?」

モカ姉様♪

そ・れ・は♪

「そ・れ・は?」

秘密でございます♪

「なんだ、いつものパターンか・・・。」

はい♪

「はい、ティカ大婆様の仰られるとおりでございます。」

そう、「敵」を欺くには、まず味方からって言うでしょ♪

「ふむ。ティファ嬢や。うまいことやってくれ。」

「はい。モカ大婆様。」

・・・。

<先の先の先の先を計算するティカのことだ。>

<竹取の婆にも読み切れまいて。>

<さて、竹取の三大魔女は、どう動くのやら・・・。>

・・・。

太楽ティカ。大全太楽堂の副総裁。

ワシより昔から計算高い・・・。

あ~言えば、こ~言うのだろう・・・きっと。
虹のティファ
・・・。

「コナ、行ったね。」

コナ姉様、行かれましたね。

「さて、ティカや。」

はい?

「お前も何か隠しているな。」

あら?わかりました?

「な~んか、変な気配がする。」

ティファや、はいっておいで。

「はい。ティカ大婆様。」

「秘蔵っ子の虹華のティファです。」

「虹」ね・・・、「黒い」ね・・・。

「何を仰います姉様。この子はとても虹色に輝いております。」

ん~ん・・・、何か違う。

「わかります?」

「竹取の大婆様だけが大魔女を育てられるわけじゃありません。」

大魔女。

「はい♪大魔女です。」

・・・。

漆黒の娘、太楽の虹華のティファは寡黙に正座していた。

・・・。

<この子なら・・・、この子ならできる。>

モカはティファの眼を見て、そう感じた。
ゴースト・ストライク
・・・。

「聞こえた?」

聞こえた。

「何が?」

姉さんの腹の虫。

「ちゃうわい!」

「私も姉さまのおなかが鳴ったかと思いました。」

「ちゃうわい!ちゃうわい!!」

まあ、冗談はさておき・・・。

脳天直撃したね。

「ハロー・グッバイ・ハロー」ってね。

そっか、目覚めのときか・・・。

じゃあ、モカ姉さん、ティカ、行くわ。

「ああっ。」

「お気をつけて。」

・・・。

さあて、どっから手をつけたらいいのやら・・・。

・・・。

再建中の大全太楽堂本舗の本丸の玄関をピシャリと閉めて、

大全太楽の副総裁の太楽コナは一人飛び立った。
ハロー・グッバイ・ハロー
・・・。

新しい明日に、ハロー。

・・・。

去り行く昨日に、グッバイ。

・・・。

目覚めの自分に、ハロー。

・・・。

そう・・・。

そう誰かが言っていた。

天高き頂で、「エンブリヲ」が、そう言っていると。
熱中症で燃え尽きる・・・
・・・。

暑いですねん・・・。

・・・。

日陰、欲しいですねん・・・。

・・・。

熱中症気味ですねん・・・。

・・・。

いや、熱中症ですねん・・・。
エンジェル・トーク
・・・。

お聞きなさい。

「主」の声を。

信じなさい。

「主」の心を。

良き者は良き行いを。

迷える者を良き道へ導きを。

さすれば、良き者は更なる良き道に進めます。

信じなさい。

「主」の心を。

お聞きなさい。

「主」の声を。

・・・。

いつの頃からか、天高くより声が響いた。

それは、昔から。

それは、大昔から。

「天の使い」の言葉は、「誰」の言葉?

「天の使い」って、一体、「誰」?

・・・。

ある者は言った。

「エンジェル・コースト」は辿り着けぬ場所。

「エンジェル・コースト」は辿り着いてはいけない場所。

と・・・。
風の旅人のアリス
・・・。

西へ。

東へ。

南へ。

北へ。

私は旅をする者。

私は風になる者。

・・・。

いろいろな風を見てきた。

・・・。

いろいろな風を感じてきた。

・・・。

世界は変わる。

風は変わる。

・・・。

私はアリス。

私は只の風の旅人。
魔女たちの宴
・・・。

さあ!

さあ!

「宴」じゃ!

「宴」じゃ!

「魔女たちの宴」を準備せよ!

「魔女たちの宴」を開始せよ!

・・・。

「新しき魔女たち」を世界に放った!!

・・・。

「善」でもない、

「悪」でもない、

「自由なる意思」をもった魔女たちを!!

・・・。

見つけ出せ!

見つけ出せ!

「宴」の相手を、見つけ出せ!

・・・。

この世界のどこかにある秘境より大魔女「竹取」は「言葉」を発した。