[ ふらくたる -FRACTAL- DripDrops! ] - [0165~0151]
サブリーダー・カラ、狙撃を開始する
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

・・・。

カラ副団長!

「太守!高純度オリハルコン弾の使用を!」

許可する!!

・・・。

高純度オリハルコン弾:世界樹の琥珀の純度80%以上ものを弾頭に特殊弾丸。

もともと、この手の弾頭は使用する機会は少ない。値段が高いから。一発あたりで総合住宅一棟が買えるほど。

その弾丸の使用許可が下りた。

打ち出すのにも特殊大型銃が必要。高熱・高圧縮に耐えられる銃身でなければならない。

・・・。

私はヌフラント・キャンプの副団長「加茂川カラ」。

ホー太守の信頼のおける部下の一人。

この銃を扱えるのは、この団では私だけ・・・。

しっかり狙い、呼吸を整え・・・目標を打ち抜く!!
ホー太守の龍王刀・極泣
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

・・・。

真珠の森の危機に対して、強烈な閃光が発せられ続いた。

やはり「ヴォロー」!!

私は、巨大な「悪魔」の前方に回りこんで、ヴォローとすれ違った。

「ホー!」

攻撃を続けろ!!

私は、よくあるパターンの「眼」を狙う!

「接触するのは危険だ!」

わかっている、出来るのは「一撃」だけだ!

カラ副団長!

「太守!高純度オリハルコン弾の使用を!」

許可する!!

・・・。

天剣に匹敵する世界樹の琥珀から削りだした龍王刀・極泣。

その剣の先端に超極純度のオリハルコンが仕込まれている。

これは非常に確率の低い賭けに近い。

だが、今、我々にはこれしかない。

ヌフラント・キャンプの副団長「加茂川カラ」に狙撃許可を出した。

アイツの腕前なら「悪魔」の眼球を撃ち抜く事が出来るはず。

団員に特別手当ては出せるものかね・・・。

さて、やるかっ!!
身長70cmの大魔法使いと身長200mの悪魔
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

・・・。

「ヴァンッ!!」、轟音が響いた!!

「ヴオオオオオオオオオオ!!」

なんだ!

魔法攻撃か!?

大魔法使いヴォローか!!

・・・。

精霊たちのざわめきは「これ」だったのか!?

これは、この森に害するもの。

これは、危険。

これは、撃退せねばならない。

ヴォローは、間髪なく、「悪魔」に攻撃を行っていた。

・・・。

大魔法使いのヴォロー。「真珠の森」を護る者。

いつしか、侵入者には「試練を与える者」と呼ばれていた。
真珠の森に現れた、疲労の悪魔ファティーグ
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

私は、傭兵集団「ヌフラント・キャンプ」の太守「久川 ホー」。

・・・。

ピ、ガガッ!!

「こちら、アーカス隊、前方300m先に目標外の何かが・・・なんだあれは!!」

ズズウウウゥゥゥ・・・ン!!

ズズウウウゥゥゥ・・・ン!!

・・・。

兵たちがざわめいている。

なんだ!あれは・・・。

・・・。

遠い?いや、巨大すぎて距離感がわからない。

「瘴気撃ち」の群れが踏み潰されているように見える。

この森の木々の高さは200m近き物が多い。

その木々に匹敵する大きさ。眩暈がする。

疲労感もある。疲労?

兵たちも皆、疲労感を訴え始めている。

これが、噂に聞いていた「悪魔」の能力なのか!?

奴の向かう方向は森林市街地のある第21区。

「真珠の森」は24区に分けられて自治管理が行われている。

今いるのは比較的、人の少ない第17区。

足止めせねばならない!

だが、あれほどの巨大なものにどこまで我々は抵抗、対抗できるのか?

歩いているのか?這いずっているのかがよくわからないが、確実に前進しつつある。

・・・。

「ヴァンッ!!」、轟音が響いた!!

「ヴオオオオオオオオオオ!!」

なんだ!

魔法攻撃か!?

我々には、あれ程の強力なものは・・・。

大魔法使いヴォローか!!

・・・いけるのか?いくしかない!!

・・・。

歩みを止めない巨大すぎる悪魔、疲労の悪魔「ファティーグ」。

止めねば!

あの歩みを止めねば!!
バグ潰しのホー太守
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

・・・。

「瘴気撃ち」の群れに対し、なかなか攻勢に出れない。

私の出番か。

するりと刀鞘から大剣を引き抜いた。

「瘴気撃ち」たちは一斉に私を標的にした。

野生の勘は鋭いものです。

「久川ホー!デバッキング!スタートッ!」

私は地面を蹴飛ばし、「瘴気撃ち」の群れに飛び込んだ。

「瘴気撃ち」たちは構えた。

その適当な構えが不運を呼んだ。

私はわずかな腹、脚の隙間を俊敏に鋭敏に動いた。

群れ全ての隙間を通り過ぎたあとに残ったのは、脚を切られ、もがく群れだけであった。

隊が倒れた虫たちに、「劣化工業用オリハルコン弾」を撃ちこんで仕留めていた。

あとは、瘴気を消すのに焼かねばならないな・・・。

ピ、ガガッ!!

「こちら、アーカス隊、前方300m先に目標外の何かが・・・なんだあれは!!」

ズズウウウゥゥゥ・・・ン!!

ズズウウウゥゥゥ・・・ン!!

・・・。

兵たちがざわめいている。

なんだ!あれは・・・。

・・・。

私は、傭兵集団「ヌフラント・キャンプ」の太守「久川 ホー」。

一癖も二癖もある虫狩りをする連中を束ねる大将。

その私が見た驚愕なるものは一体・・・。
通称:瘴気撃ち
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

・・・。

臭いな・・・、瘴気だ。死臭もする。

またこの森に「瘴気撃ち」が出たというのか。

5年前のアレは何だ。

あのときの大量の「瘴気撃ち」。

いまは、そのときの倍、いや、それ以上潜んでいる。

「太守!全部隊展開完了!」

うむ。

全部隊に通達、5年前とは数が違う!

迅速に、確実に仕留めよ!

・・・。

精霊たちがざわめいている。

急がねばならぬ・・・か。

・・・。

我々「ヌフラント・キャンプ」は「瘴気撃ち」を殲滅する!!

我々は「デバッガーズ」、害虫駆除の傭兵部隊。

私は、その「ヌフラント・キャンプ」の太守「久川 ホー」。

一癖も二癖もある虫狩りをする連中を束ねる大将。
黄昏の淵のレイ
今は晴暦3007年5月。

ある国のある場所のある日差し下。

・・・。

ここはいつも明るいな。

「あら?あらららららららら♪」

久しいね。

「そうね、久しいね。」

・・・。

やんや、でぃらでぃら・・・だったっけ?

「そう、やんや、でぃらでぃら。」

あの時もそんな響きがあったな・・・。

「そう、あの時も・・・そして、今も。」

・・・。

「天の瞳のサーバ」!、再起動しなさい!!

「再起動させちゃうの?」

そう、今は、まだ、このサーバーを「落として」はいけない。

・・・。

「あなたが救えなかったあの子達は、連れ戻せないわよ。」

大丈夫・・・。

きっと、大丈夫・・・。

・・・。

「天の瞳のサーバ」から、静かなモーター音が響いた。

・・・。

「ほら、うごきだしちゃった。」

「ウェブスィーパー」は、まだ出番じゃない。

ナイトメアはきょとんとしていた。

大丈夫・・・。

きっと、大丈夫・・・。

・・・。

さあ、ナイトメア、月日を忘れたあの時の決着をつけよう。

黄昏の淵にたたずんでいた、かつての本物のワルキューレ「レイ」が「十仙刀」を現した。
天の瞳のサーバ
今は晴暦3007年5月。

ある国のある場所のある日差し下。

・・・。

来たか。

「それ」は、そこにはいなかった。

が、

「それ」は、そこにいた。

・・・。

私の端末を良くぞハッキングしたものだ。

「あんなもの、どうってこともないよん♪」

あんなもの扱いか・・・。

「介入者を排除・・・だって♪」

では、

私が介入者、いや、侵入者を排除しよう。

「さあ、いつでもどこからでもどうぞどうぞ♪」

夢魔「ナイトメア」が煽った。

・・・。

この場に来た己を呪うがいい。

・・・。

「!?」

・・・。

この空間のあらゆる位置情報が、この空間の支配者「天の瞳のサーバ」が把握した。

・・・。

排除終了・・・。・・・。・・・?

「あら?どうしたのかなあ?」

ナイトメアは平然としていた。

管理者サービスの強制停止・・・。

・・・。

「天の瞳のサーバ」の動きが停止した。

・・・。

「さてさて。ウェブスィーパーの起動を。」
ナイトメア・ナイトメア
そうは、さっせないよ~~~ん♪

「介入者を確認。」

「介入者の排除を開始する。」

介入者とは失礼な♪

「では、介入者を悪魔と承認する。」

「悪魔の排除を開始する。」

なんか癪に障るわね。

・・・。

さっすが、動きが早い♪

眼で追えなあ~~~い♪

なあ~~~んてね♪

「!?」

アクセスケーブルを頭部に直結・・・。

・・・。

攻性防壁を突破・・・。

・・・。

管理者に攻性ウィルスを送信・・・。

・・・。

管理者機の停止・・・。

・・・。

そこか♪「真白なる世界樹」は♪

・・・。

「独立思考モードに移行おおおおお・・・」

黙っていないさいって♪

・・・。

やんや、でぃらでぃら♪

・・・。

その者、夢魔の「ナイトメア」は、情報通信型思考ユニットを経由して「夢の中に飛んだ」。

・・・。

「ハロー」のために・・・。

「オーレ」のために・・・。
ある世界の救済者
「ある世界の救済者より情報送信開始。」

「あるアリスシリーズを確認。」

「ある悪魔を確認。」

「周囲に目標以外の者なし。」

・・・。

「ある世界の救済者は指令情報受信。」

・・・。

「これより目標を排除する。」

「ある世界の救済者より情報送信終了。」
心を打ち砕く悪魔のスマッシュ
「アナタはアリス?」

「オマエはアリス?」

「キサマはアリス?」

「オマエはダレダ?」

・・・。

わたしは、あ・り・す♪

そう、わたしは「ここ」。

「ここ」は「わたしのりょういき」。

・・・。

さあ、いらっしゃい♪

光届かぬ、真っ暗闇に♪

・・・。

「アリス。アリス?アリス!アリス!!」

・・・。

悪魔は叫んだ。

悪魔の「スマッシュ」は叫んだ。
ここはどこ?ここは深遠のアリスです
ここはどこ?

ここはここ。

ここはなに?

ここはここ。

「ここ」ってなに?

「ここ」は「ここ」。

・・・。

真っ暗闇?

光届かぬ、真っ暗闇?

・・・。

ここはどこ?

ここは深遠のアリス。
再起の車輪帝のラテ
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、中央神聖国家群「オウカナ」にあるコングロマリットカンパニー「大全太楽堂」本店の再建設敷地内にある事務所。

晴暦3002年8月31日、「大全太楽堂」本店は吹き飛んだ。

そのとき、俺は、樹海雲「ふらくたる」の上にいた。

なんだかんだでナビの連中に地上に降りる方法を教えてもらった。

・・・。

俺は、唖然とした。

「オウカナ」がグチャグチャになっていたのを。

大全太楽堂本店が砕け散っていたことを。

・・・。

そして、今に至った。

・・・。

「ラテやん!ラテやん!」

・・・。

うるさいなぁ・・・。

「旅に出るれすよ!」

「ささ!支度するれす!」

パジャマ姿でゴロンゴロンとしていたのをチサトに起こされた。

そして、昼飯食った。

のろのろと俺専用の服を身に纏った。

「いやいやな顔のラテやんを連れ出すことに成功したでれす!!」

・・・。

・・・。

「どこから探せばいいれすか?」

んあ?適当に探せばいいさ。そう、適当に。

(適当じゃなきゃ、どうやって行くんだよ!あんな境地に!)

・・・。

俺はラテ。太楽の車輪帝のラテ。只の「魔法使い」だ。

なぜ「魔法使い」なのかって?モカ婆から「ギャラ」を貰っていないからだよ!!
幸せ運ぶ、妖怪猫饅頭
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、中央神聖国家群「オウカナ」にあるコングロマリットカンパニー「大全太楽堂」本店の再建設敷地内にある事務所。

私はチサト。太楽の勇帝のチサト。

「果報は寝て待て。」

そう、モカばっちゃに言われて、いつの間にやら5年経ってましたれす。

・・・。

ラテやん!ラテやん!

「そろそろお昼れすよ。ご飯食べて出発れすよ。」

ラテやん、やっとのご登場れすか。って、パジャマじゃないれすか。

・・・。

ごちそうさまれした。

「ごっつあん。」

玄関に向かいました。

・・・。

「ぬあ~~♪」

およ?猫饅頭はん、お見送りしてくれるのれすか?

「撫でとけ撫でとけ。」

猫饅頭はんのおでこを撫で撫でしましたれす。

ふわふわのあったかさんれす。

「ぬあ~~♪」

では・・・。

出発れす!

「ぬあ~~♪」

幸せと元気が出たれす!

行ってきますれす。

猫饅頭はんは暖かい表情で見送ってくれたれす。
果報は寝て待ったチサト
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、中央神聖国家群「オウカナ」にあるコングロマリットカンパニー「大全太楽堂」本店の再建設敷地内にある事務所。

晴暦3002年8月31日、「大全太楽堂」本店は吹き飛びまった。

「果報は寝て待て。」

そう、モカばっちゃに言われて、いつの間にやら5年経ってましたれす。

・・・。

ばっちゃ!ばっちゃ!モカばっちゃ!!

・・・。

あり?今日は人が少ないれす。

え?ばっちゃは、外出中れすか?

ということは・・・。

どういうこと・・・?

・・・。

・・・。

そうれす!

オーレやんお探すたびに出るれす!

ラテやん!、いるれすか?

「んあ?なんだ?」

旅に出るれすよ!

ささ!支度するれす!

いやいやな顔のラテやんを連れ出すことに成功したでれす!!。

さて・・・。

・・・。

どこから探せばいいれすか?

・・・。

私はチサト。太楽の勇帝のチサト。只の「召喚師」れす。

え?何を召喚するかって?ん~・・・。「百鬼夜行」とか「悪鬼」とか「邪龍」とか・・・れす。